アメリカの人気Youtuberの母親、性的虐待で訴えられる。

Culture 2023.04.18

昨年12月、『ロサンゼルス・タイムズ』の調査により、1000万人以上の登録者を持つアメリカのティーンエイジャーで人気Youtuberのパイパー・ロッケルのYouTubeチャンネルの裏側が明らかになった。彼女の母親は、未成年の共同制作者11人から性的暴行と強制労働を受けたと訴えられ、2200万ドル(約24億2000万円)の賠償金を請求されている。

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Youtubeチャンネルの動画に登場するパイパー・ロッケルとチームメンバー。Youtubeのスクリーンショット

パイパー・ロッケルは、YouTubeのプロフィール写真で自分の顔が描かれたピンク色のTシャツを着て、唇にはグロスを塗った姿を見せている。15歳の少女は、1,000万人以上の購読者を持つ自身のYoutubeチャンネルで、パリス・ヒルトン風の甘い世界観と、楽しい挑戦を繰り広げる彼女と彼女の「Squad(スクワッド)」と呼ばれるメンバーたちが出演する手の込んだ動画で人気を築いてきた。バブルガム・ポップに乗って踊ったり、ボトルゲームをしたり、おどけたことをしたりと、甘くて軽快な世界感だ。しかし、昨年12月18日、『ロサンゼルス・タイムズ』の長期的な調査によって、同Youtubeチャンネルを運営するパイパー・ロッケル社スミスの不道徳な実態が明らかになった。この事件には、15歳のスターの母親であるティファニー・スミス(41歳)も関与していた。

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アメリカのメディア『ロサンゼルス・タイムズ』は、2017年から2021年の間に娘と母親と一緒に働いていた、かつてパイパー・ロッケルチームメンバーだった11人のティーンエイジャーの苦情を明らかにした。彼らは、悲惨な撮影条件と、パイパー・ロッケル社のために働く子どもたちの搾取という、毒々しい環境を非難している。同社は年間420万~750万ドル(4億8,500万円〜8億4,500万円)の収益をあげていたことに留意する必要がある。さらに最悪なことに、この10代の若者たちはパイパー・ロッケルの母親を性的暴行で告発し、2200万ドルの損害賠償を請求した。

 

 

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法令遵守を徹底していない

『ロサンゼルス・タイムズ』は、この法的スキャンダルをきっかけに、「子どもたちが長時間かけて動画やコンテンツを作成する、ほとんど規制のないソーシャルネットワーキングの世界」のグレーゾーンが明らかになると考えている。実際、11人の原告全員が、撮影がカリフォルニア州法に準拠していなかったと述べている。特に、パイパー・ロッケルとその母親の自宅内で撮影していた子どもたちは、(法律で定められている8時間に対して)1日12時間近く、休憩も食事もとらずに働いていたとされる。

さらに、ティファニー・スミスが運営する会社が、一部の映像に対してティーンエイジャーに報酬を支払わず、これらの未成年者を雇用するために必要な労働許可証を持っていなかったことが、メールや録音などの多数の法廷文書で証明されている。ティファニー・スミスはメディアに対し、「常に法律を尊重するよう心がけており、子どもたちが自発的に集まって動画制作に協力することを『雇用者』と考えたことはありません」と正当性を主張した。

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「彼女は僕を自分の部屋に引きずり込んだ」

何人かの元メンバーは、ティファニー・スミスの性的暴行を告発している。当時17歳だったそのうちのひとりは、ティファニー・スミスが無理やりキスをしたことがあると報告している:「ティファニーは僕の顔をつかんでイチャイチャし始めた。パイパーは母親の頭を掴んで引き戻したが、ティファニーはまた僕にキスをし始め、僕の腰をつかんで、下着を下ろそうとした。そして、彼女は僕を自分の部屋に引きずり込んだ」と彼は言う。この主張は、ティファニー・スミスの姪たちの証言でも裏付けられており、彼女の不穏な性格を連想させる。

実際、パイパー・ロッケルのいとこである彼女たちは、叔母が死んだ猫のレニーの鳴きまねをしながら、自分たちを虐待していたと言う。また、全ての原告たちは、下品な言葉やカメラの前でセクシーなポーズをとるように促されるなど、撮影現場で息苦しさを感じていたことを詳しく説明している。さらに、何人かは、パイパー・ロッケルの母親が同意なしに、オンラインの男性たちに自分の娘の下着や写真を売っていたと主張している。

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最初の苦情の原因となった制作会社の撮影条件に関する、不快な詳細が調査の過程で明らかになった。「原告の親たちは、2021年9月の弁護士との重要な会議で、疑われる性的不祥事の深刻さに気づいたと語っています」と『ロサンゼルス・タイムズ』は報じている。この会議は告白のようになったと伝えられており、「それで、皆、『私も! ああ、私も!』となった。子どもたちは、同じような体験をしていることに気づき、話すことができるとわかると話し始めた」と調査には記されている。

11人の被害者が一斉に訴えた後、YouTubeはパイパー・ロッケルのチャンネルの広告収入を停止し、それでも彼女は動画制作を続けている。被害者の弁護士たちは少なくとも2200万ドルの損害賠償を求めている。彼女の娘を支持しながら、すべての告発を否定し、自分たちに対する陰謀だ、と非難したティファニー・スミスは、単に「金銭的な嫉妬」によって動機付けられた陰謀を指摘する。調査はまだ続いているが、2023年、未だ裁判は予定されていない。

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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