チャールズ3世の戴冠式の記念メニューはホウレンソウのキッシュ!
Culture 2023.05.03
伝統にのっとり、チャールズ3世が選んだ戴冠式記念メニューがレシピとともに発表された。イギリス全土で開催される戴冠式イベントで多くの人が食べるはず。
記念メニューはホウレンソウとソラマメとタラゴンのキッシュ。(ブランズウィック、2021年11月4日)photography: Getty Images
豪華な儀式だからといって凝った料理が出されるとは限らない。チャールズ3世の戴冠式が近づき、イギリス王室は5月6日の戴冠式で招待客に供される記念メニューを公表した。4月17日、王室公式Twitterアカウントに投稿された動画で紹介された料理はキッシュだった。
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使用するのはホウレンソウやソラマメの緑の野菜、生クリーム、卵、チェダーチーズ......風味づけにタラゴン。これが「コロネーション・キッシュ」を作るのに必要な材料だ。どれもベーシックな食材と言っていい。動画ではバッキンガム宮殿の料理人のひとり(エリザベス女王にちなんだ王室のモノグラム「E II R」がついた作業着を着ている)が実際に作って見せてくれる。ネットではすぐに反応があった。「おいしそう」「作ってみようかな」「すばらしい!」等々、どうやらキッシュは誰にも好評のようだ。
Introducing… Coronation Quiche!
— The Royal Family (@RoyalFamily) April 17, 2023
Chosen personally by Their Majesties, The King and The Queen Consort have shared a recipe in celebration of the upcoming #CoronationBigLunch taking place up and down the country. pic.twitter.com/aVcw9tNarP
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野菜中心の手頃なレシピ
国王夫妻自ら選んだというこのレシピにはこだわりが詰まっている。そもそも野菜料理である点からしてそうだ。環境問題に関心が強いチャールズ3世は食事にも妥協せず、週に2回は肉や魚を食べないと決めている。
英国の伝統では、王室の行事の際、必ず記念料理が発表される。今回は戴冠式のある週末にイギリス全土で近隣が集う「コロネーション・ビッグランチ」のイベントが予定されており、この記念メニューで祝うことが期待されている。インフレが続くなか(イギリス国家統計局によると1年間で10.4%上昇)、多くのイギリス人が給与だけでは生活できなくなっており、フランス国立統計経済研究所(INSEE)によれば国民の39%が貧困層に陥っている。そんな情勢のなかで手頃な食材で作れるレシピは確かにありがたい。
それに万人受けする味でもある。王室アカウントも「さまざまな味覚や嗜好に合わせやすい」と投稿している。食べ方としては「温かくても冷めていても、グリーンサラダとゆでた新ジャガイモを添える」のがお勧めとのこと。エリザベス女王の戴冠式の記念メニューだったクリーミーなカレーソースの「コロネーション・チキン」よりも手軽にみんなで楽しめそうなメニューだ。
text: Louise Lucas (madame.lefigaro.fr)