ゼンデイヤやセリーヌ・ディオンのスタイリスト、ロー・ローチが謎の引退。

Culture 2023.05.03

ゼンデイヤの話題のファッションなどを手掛け、セレブたちに人気の有名スタイリストが突然、インスタグラムでファッション業界への批判めいた言葉と共に引退を宣言した。

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アカデミー賞授賞式後のアフターパーティー「ヴァニティ・フェア・オスカーパーティー」でのゼンデイヤとロー・ローチ。(ロサンゼルス、2022年3月27日) photography: Getty

2022年のアカデミー賞授賞式でゼンデイヤが「シャロン・ストーン風」スパンコールスカートにクロップドシャツで登場したのも、今年のアカデミー賞授賞式のアフターパーティー「ヴァニティ・フェア・オスカーパーティー」に女優のハンター・シェーファーが胸元を羽一枚だけで隠したファッションだったのも、その裏にはロー・ローチがいた。昨年6月にパリで催されたパーティーで、プリヤンカー・チョープラーが巨大な襟付きのドレスで登場したのも彼が仕掛けた。44歳のアメリカ人スタイリストは、セリーヌ・ディオンやケリー・ワシントンら数々のセレブのセンセーショナルなレッドカーペットルックを何年も前からスタイリングしてきた。しかし、それも終わりだ。3月14日、ロー・ローチはインスタグラムで引退を発表し、ファッション界に動揺が走った。

 

 

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「もうからっぽ」

ヴァレンティノのクリエイティブディレクターであるピエールパオロ・ピッチョーリは、「ありえない」とショックを隠せない。ナオミ・キャンベルは、「そんなのだめよ! あきらめないわ......一生懸命働くから」とコメントした。ロー・ローチは、スタイリストとしての活動を止めることを宣言しただけではない。もう疲れたことを告白している。「コップはもうからっぽ......長年にわたり、支えてくれた皆さんに感謝する。(中略)服のことだけやっていればいいのなら、生涯やっていけると思うけれど、残念ながらそうではない」と書くと続けて、「かけひき、嘘、誤報にやられた! あなた方の勝ちだ......私はもう降りる」とつづった。この意味深なメッセージがありとあらゆる憶測を呼んだ。

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インスタ投稿の後、BOSS 2023年春夏コレクションのランウェイを歩くロー・ローチ。(マイアミ、2023年3月15日) photography: Boss

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レッドカーペットからランウェイまで

前回のパリのファッションウィークで某著名ブランドのショーの際、最前列から外される屈辱を味わったからだろうとか、クライアントともめたのではないかといった説が流れた。いずれにせよ引退を表明してから初めて公に姿を現したのはランウェイ上だった。3月15日、マイアミで開催されたBOSS 2023年春夏コレクションにモデルとして登場したのだ。彼にとっては謎めいたメッセージの説明をする好機だった。「もういいやと思った。だからあのインスタ投稿はPRのためとかじゃない」と「ヴォーグ」誌に語っている。「本当に自分に対して、いいんだよ、他のこともやっても、と言い聞かせるためのものだった」とも。きっと他のことをやっても注目を浴びることになるだろうけれど。

text: Mitia Bernetel (madame.lefigaro.fr)

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