エマ・ワトソン、女優休業の理由を明かす。

Culture 2023.05.09

エマ・ワトソンが4月28日付の英「フィナンシャル・タイムズ」紙で、5年ほどスクリーンから遠ざかっている理由を明かした。

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33歳になったエマ・ワトソンは、弟のアレックス・ワトソンとジンのブランドを立ちあげた。(ニューヨーク、2022年9月15日) photography: Getty Images

わずか11歳で『ハリー・ポッター』シリーズ出演が決まり、ロンドンで撮影が開始されてから10年間、エマ・ワトソンはハーマイオニー役を演じてきた。その後も女優として『ウォールフラワー』(2012年)、『ブリングリング』(2013年)、『コロニア』(2015年)、『リグレッション』(2015年)等々の映画に出演。並行して18歳の時にシャネルのミューズとなり、バーバリーのキャンペーンモデルにもなった。さらにケイト・ウィンスレットペネロペ・クルスジュリア・ロバーツらと並んでランコムのアンバサダーを務めた。フェアトレードのブランド、ピープルツリーとコラボし、環境に配慮したエシカルな服のコレクション「People Tree, Love from Emma」も発売している。2017年にはミュージカル映画『美女と野獣』にベル役として出演し、歌も披露した。

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女優活動を休業

忙しすぎて疲弊してしまったのだろうか。2018年の『ストーリー・オブ・マイライフ/  わたしの若草物語』の撮影後、休養を取ったエマはそのままスクリーンから姿を消した。しかも自らの意志で。これまでその理由を語ってこなかったが、今回ようやく重い口を開いた。

どんなに多忙を極めても、当時、本人は充実感を得ることができなかったようだ。「オリの中にいる気分でした」と2023年4月28日付の「フィナンシャル・タイムズ」紙にエマは語っている。そして「つらかったのは、自分ではコントロールし難いものを売りに行かなくてはならないことでした。映画を紹介して、ジャーナリストから『これはあなたの視点とどう合致していますか?』なんて質問に答えなくてはなりません。自分では関わっていない過程に関して代弁して語るのはとてもしんどいことでした」と続けた。

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自分に対して正直に

こうして、エマ・ワトソンは自分に対して正直に生きることにした。(少なくとも当面の間は)映画に出ないけれど、活動はしている。33歳になったいま、自分が大事に思うテーマ、とりわけ環境問題と女性の権利についてはためらわずに発言している。UN Women(国連女性機関)の親善大使として若い女性の自立を支援し、女性への暴力や性的暴力に対して声を上げるなど、次第にフェミニストのアイコン的存在となりつつある。

それだけではない。今月、弟のアレックス・ワトソンと共同で、フランス産ジンのブランド「Renais(ルネ)」を立ち上げた。エマのインスタグラムによれば「カーボンニュートラル」のボトルを採用しているそうだ。

 

 

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ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地方のヨンヌ県で生産されるこのジンは、ふたりの父親のクリス・ワトソンが20年以上前から所有しているブドウ畑のブドウの搾りかすを利用して作られている。エマの両親はともに弁護士で、結婚当初、パリ西郊イヴリーヌ県のメゾン=ラフィットに新居を構えた。エマもそこで生まれて5歳まで育った。1995年に両親が離婚したのを機に母親と一緒にイギリスのオックスフォードへ転居した。

父親のクリス・ワトソンがワイン作りを始め、娘にもワインの魅力を伝えるようになったのはその後のことだ。「子どもの頃から父の食卓ではワインの水割りが出てきました。だからお酒は酔うために飲むものという考えがありませんでした。10代の頃、周囲がお酒を禁断の果実のようなものと思っているのを知って、不思議に思ったものです」とエマは言う。

いまのところ女優復帰は考えていなさそうだが、復帰を完全に拒んでいるわけでもない。昨年、プラダの広告キャンペーンの監督と脚本を引き受け、出演もしている。彼女にとってこれは「とてもすごい」体験だった。

これをきっかけに女優復帰する気持ちはないのだろうか? 本人はゆったりと構えている。「良い機会が訪れるのを待ちたいと思います。いまは自分のやっていることに満足しています。自分とは異なる顔や人物に分裂しなくてもやっていける道を見つけられるかどうかでしょうね。もうロボットのようにはなりたくないので」とエマは思いを語った。

text: Louise Lucas (madame.lefigaro.fr)

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