人間好きなオランウータンが見せた、愛おしすぎる一面とは？

オランウータンが人間の赤ちゃんをガラス越しに愛おしむ一幕が、話題を呼んでいる。アメリカの動物園で見られた心温まる交流を収めた動画を、英サン紙が公開している。

 

 

動画は米ケンタッキー州のルイビル動物園で撮影されたもの。アンバーと名付けられたオランウータンが、展示場のガラス越しに来園者たちに優しい視線を送りながら、人差し指でガラスをトントンと叩いている。

視線の先には、赤ちゃんを抱きかかえたおばあちゃんとお母さんの姿が。USAトゥデイ紙によると、赤ちゃんは3カ月のジョーダン君。祖母と母カイラさんと一緒に来園していたという。

アンバーは赤ちゃんが気になる様子で、指で「ほら、もっと近くに来て」というようなジェスチャーを送る。祖母と母がジョーダン君をアンバーのもとへと近づけると、アンバーは一段と愛おしむような表情に。ガラスにそっと唇を寄せ、ジョーダン君にキスを贈った。人間そっくりのしぐさで赤ちゃんを可愛がるアンバーに、辺りにいたほかの来園者たちからも思わずため息混じりの深い感心の声が漏れた。

とびきりの人間らしさに、動画のコメント欄も賑わったようだ。「かわいい」「本当にキュート」などの書き込みに加えて、「動物って時々、人間よりいいよね」とのコメントも多くの賛同を集めている。

ルイビル動物園によると、アンバーは雌の35歳。遊びが大好きな性格で、よくガラスをコツコツと叩いて来園者の注意を引くのだそうだ。キラキラしたアクセササリーにもよく興味を示し、もっとよく見せてくれるよう頼むなど、「ゲストとの交流を楽しんでいる」という。

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「そっちも見せてよ」キラキラが大好きなアンバー

アンバーはこれまでにも、ユーモラスな動きで話題をさらってきた。5月10日にTikTokで公開された動画は、カップルでアンバーの展示場所を訪れたアメリカのテイラー・ウォーカーさんが撮影したものだ。

@tay.walk We made a new friend today! #orangatang#louisvillezoo ♬ Chill Vibes - Tollan Kim

テイラーさんがガラス越しのアンバーにバッグを見せると、アンバーはとても強い興味を持ったようだ。しきりに人差し指を動かし、まるで「こっち側」「次はそっち側を見せて」とでも言うかのように、ジェスチャーでリクエスト。テイラーさんのショルダーバッグにぶら下がった、大好きなキラキラのチャームを堪能した。

続いてアンバーは、バッグを上から覗き込むようにしながら、また人差し指でジェスチャーを繰り出す。どうやら、バッグの中身が気になるようだ。テイラーさんは愛くるしい要求に丁寧に応え続け、バッグの中から指定された袋を出して見せた。さらにアンバーの指示に応えて袋を剥くと、中からグミのようなお菓子が登場。ひとしきり眺めた後、アンバーは急にガラスの正面を離れ、なぜか展示場の隅へと去って行った。すると今度は、テイラーさんのパートナーと展示場の横に設けられた柵を交互に指差すジェスチャーを続けた。意図を察したパートナーは、「僕を指さしてる。ほら、あっちへ回って！って言ってるみたいだ」と、笑いながらも感心した様子だった。

アンバーはきっと、ガラス越しじゃ無理だから、柵の方へ回ってグミを頂戴よ、とおねだりしたのだろう。もちろんふたりがお菓子をあげることはなかったようだが、図々しくもどこか憎めない一面を見せた一幕となったようだ。

「今日友だちができた！」と書き添えられたこの動画は、公開から20日足らずで380万回以上再生される人気動画となっている。

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豊かな表情はオランウータンの魅力

米スミソニアン保護生物学機関は、オランウータンは一般的な霊長類ほど複雑な声のバリエーションを持っていない代わりに、豊かな表情やボディーランゲージでコミュニケーションを取ると解説している。

ガラス越しという交流が難しい状況だったが、優しい表情とユーモラスな指先で、生来のコミュニケーション・スキルを最大限に発揮したようだ。