菊地凛子、『658km、陽子の旅』で上海国際映画祭女優賞受賞!

Culture 2023.06.18

ハリウッド映画でも注目されている国際派女優・菊地凛子が、日本映画での初の主演作品『658km、陽子の旅』で6月17日、第25回上海国際映画祭最優秀女優賞を受賞した。

230618_yokotabi_01.jpg
トレーンを引くイエローのロングドレス姿の菊地凛子。中央は作品賞受賞の熊切和嘉監督。右は同作の原案・共同脚本の室井孝介。脚本賞含め3冠の快挙だった。

菊地凛子は、「まさか、初めて上海に来させていただいて、こんなに素敵な映画祭に来て、このような素敵な賞をいただいて本当にうれしいです。20年前に自分を拾ってくれた熊切監督の作品で、こうして賞をいただけて大変うれしく思います」と語った。授賞式の司会者から「菊地凛子さんは中国でも知名度があります。旦那さん(染谷将太)は中国のチェン・カイコー監督の映画に主演なさりましたが、菊地さんは、会場にいる中国の俳優や監督と一緒に中国で映画を作りたいと思いますか?」と尋ねられると、「ぜひ。私自身が子どもの頃から中国映画を観て育ってきましたし、本当に出演してみたいんですけど、中国語の挨拶すら難しくて……いまから勉強します」と答えた。

第25回上海国際映画祭は、6月9日から18日までの約10日間の開催。同映画祭は中国で唯一の映画製作者連盟公認の映画祭だ。コンペティション部門に正式出品された『658km、陽子の旅』は、授賞式前日の6月16日、ワールドプレミアとして上映された。熊切和嘉監督、主演の菊地凛子がは、現地メディア向け記者会見や上映後の観客とのQ&Aにも参加。

230618_yokotabi_02.jpg

『658km、陽子の旅』は、都会で引きこもりになり、殻に閉じこもっていた陽子が、父の死をきっかけに、実家である東北にひとり向かうことになるロードムービー。外界におびえ、どうにもならない人生を送っていたひとりの女性が、他者を頼り、他者との関係の中で自分自身を再発見していくドラマだ。

230618_yokotabi_03.jpg

16日のQ&Aでは、熊切監督が「(この映画の)ヒロイン像が日陰者というか、日の当たらない人で、こういう人に光を当てたいなという気持ちが強くありました。性別を超えて、自分にもあてはまるところがあって、どうしてもこれは自分で撮りたいと思った」と、作品に対する想いを語った。

熊切監督とは長い付き合いになる菊地は、「役名がついた役を初めてもらったのが、熊切監督の作品でした。以来、いろいろ素敵な作品に出演させていただいていますが、いつかまた、熊切監督と一緒にやれる日をずっと夢見ていました。40歳という、なかなかヒロインになりにくい年齢に差し掛かって、こういった素敵な作品に出会えてすごく感慨深く、自分にとっても宝物のような映画になりました。(熊切監督作品に出演するのは)20年ぶりだったんですけれども、いつも同じページにいるような気持ちにさせてもらって、とてもいいチームワークで仕事ができたと思う」と応えた。

230618_yokotabi_04.jpg

さらに、陽子という自身が演じた役を通して、「陽子の旅が、いま始まった気がしています。温かく上海の観客の方たちに受け入れられて安堵していると同時に、胸に迫る想いがしました。また、熊切監督とここに来れたことが、何よりも感慨深い」と観客にメッセージ。

菊地凛子は、フィガロジャポン8月号(6月20日発売)に、ラグジュアリーメゾンのプレフォールコレクションを纏って登場。インタビューにて、ハイブランドの衣装をスーツケースに詰めて、さまざまな国際映画祭をたったひとりで移動していた時代のことなどを語っている。

230618_yokotabi_05.jpg

『658km、陽子の旅』 
●監督・共同脚本/熊切和嘉 ●共同脚本/室井孝介、浪子想 ●出演/菊地凛子、竹原ピストル、オダギリジョーほか ●2022年、日本映画 ●113分 配給/カルチュア・パブリッシャーズ ●7月28日より、ユーロスペース、テアトル新宿ほか全国にて順次公開
https://culture-pub.jp/yokotabi.movie
©2022「658km、陽子の旅」製作委員会

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

Business with Attitude
airB
言葉の宝石箱
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories