ボッテガ・ヴェネタが支援する、フランス発のカルチャー誌とは?

Culture 2023.06.27

ボッテガ・ヴェネタは、クリエイター集団「Air Afrique(エール アフリック)」とのパートナーシップにより、アフリカ系移民たちの創造性や対話を生むための新しいプラットフォームとして、カルチャーマガジン『Air Afrique』を刊行。

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パリを拠点に活躍する若手クリエイター集団のエール アフリックのアイデアから生まれたこのマガジンは、20世紀のパン=アフリカニズムの雑誌にインスピレーションを受けたもの。「Air Afrique」という名前は、航空会社AIR AFRIQUEにちなんで名付けられた。この航空会社は、セネガル、中央アフリカ共和国、ニジェール、コンゴ、チャドといったアフリカの国々が共同で1961年から2002年まで運航していた。独立してまもない国々や、特定のパン=アフリカニズム的な理想を象徴する重要な存在だったこの航空会社は、国境間を行き来する交通手段であったと同時に、アートやカルチャーにおいても主要なパトロンだったのだ。

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『Air Afrique』は、フランス語と英語で発行され、航空業界の文化的ビジョンやアフリカ大陸の文化的、歴史的な多様性にフォーカスした機内誌『Balafon(バラフォン)』を踏襲している。カルチャーマガジンとして、アフリカの文化的遺産を伝え、国境を超えて生まれる創造性や意見交換のきっかけにしたいという想いが込められている。本誌では、これまでに航空会社が行ってきた文化支援の記録と、フランス人、フレンチ・カリビアン、アフリカ人アーティストや作家による現代的アプローチの文化的なコンテンツを掲載する予定だ。

「エール アフリック(航空会社)が体現していたアフリカの優れた文化を再生したいのです。私たちの使命はアフリカの伝統を守り、エール アフリックを文化交流の場に再び登場させ、文化を伝えていくための足がかりを作ることです」と創設者兼クリエイティブディレクターのLamine Diaoune氏は語る。

エール アフリックとのパートナーシップ関係において、マガジン創刊をサポートし、読者参加型コミュニティの構築とつながりを支援するために、ボッテガ・ヴェネタはそのブランド名とプラットフォーム、そして唯一無二のイベントを提供していく。このコラボレーションは、ボッテガ・ヴェネタが行っているカルチャー誌の創刊や復刊にフォーカスした紙媒体メディアとのパートナーシップという独自のアプローチの一環。こうした取り組みは2022年3月にボッテガ・ヴェネタが伝説の雑誌『BUTT』の復刊を支援したことから始まった。デジタル時代において、あえて雑誌をサポートしていくのは、ボッテガ・ヴェネタが「特定のコミュニティの声を伝える小規模な情報誌の持つ技や創造性、そして静かなる力を実感している」から。

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1972年、ボッテガ・ヴェネタはニューヨークのマディソン街に最初のストアをオープンしたが、瞬く間に街のクリエイティブコミュニティ、とくにアンディ・ウォーホルとのつながりが生まれた。78年にはウォーホルの『Interview』誌でブランドを象徴する伝説的なキャンペーン「When Your Own Initials Are Enough(自分のイニシャルだけで十分)」を展開し、ロゴを使用しないデザイン、クリエイティビティ、自己表現に対する姿勢を打ち出した。ボッテガ・ヴェネタの文化との関わりにおける歴史においても雑誌は重要な役割を担ってきたのだ。

また、今回のパートナーシップによる『Air Afrique』の創刊を記念して、ボッテガ・ヴェネタのフランス系スーダン人デザイナー、Abdel El Tayeb(アブデル・エル・タイエブ)がデザインしたブランケットも数量限定で発売する予定。これはボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクター、マチュー・ブレイジーが特別に依頼したもので、ブランドのアーカイブコレクションから最高品質のウール、シルバーレザー、シアリングを使用して作られており、仕上がりがひとつひとつ異なるのが特徴だ。

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アブデル・エル・タイエブがデザインしたブランケットの一部。彼の母親がきていたスーダンの伝統衣装「トーブ」の色鮮やかなパターンからインスピレーションを得ている。ブランケット¥748,000〜¥1,573,000/ボッテガ・ヴェネタ

●問い合わせ先:
ボッテガ・ヴェネタ ジャパン
0120-60-1966(フリーダイヤル)
www.bottegaveneta.com

text: Natsuko Kadokura

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