まるでファンタジー!? 「鎧」のようなバレンシアガのドレスが話題に。

Culture 2023.07.06

スペインのバスク地方、サン・セバスティアンにルーツを持つブランド、バレンシアガは7月5日にパリで2023-24秋冬オートクチュールコレクションを開催した。ショーの最後を飾ったのは通常のウェディングドレスではなく、銀色に輝くアーマードレスだった。

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バレンシアガの第52回オートクチュールコレクションのラストルックはまるで鎧のよう。photography: Balenciaga

7月5日正午。ショーの始まりだ。ここはジョルジュ・サンク大通り10番地、クリストバル・バレンシアガが1937年にパリでサロンをオープンした歴史的な場所だ。サロンでコレクションを開催することはオートクチュールの伝統に沿ったもの。だがまさか、鎧を着た花嫁が登場するとは。イネス・ド・ラ・フレサンジュやイザベル・ユペールがランウェイに登場したことにも驚いたが、アーティスティックデザイナーのデムナは最大のサプライズを最後にもってきた。伝統的にショーのトリを飾るのはウェディングドレスだ。だが白いドレスの代わりに登場したのは銀色に光る硬い鎧のような作品だった。披露する大役を任されたのはデムナのお気に入りのモデル、アーティストのエリザ・ダグラスだ。マリア・カラスの歌声が流れるなかでエリザは約3分間、ゆっくりと歩みを進め、シュール感いっぱいのショーの幕切れとなった。

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まるで板金加工のようなオートクチュール

 

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ふかふかのカーペットに金色の椅子、厚手のカーテン。昼下がりのバレンシアガのサロンには、オートクチュールのあらゆる要素が凝縮されていた。しかもショーのオープニングを飾ったのは、かつて創業者デザイナーと仕事をした79歳のモデル、ダニエル・スラヴィックだ。しかしこの完璧な再現に騙されてはいけない。アーティスティックディレクターのデムナが意図するのは、オートクチュールのコードに従うことで新たなコードを創りだすこと。2022年の冬、バレンシアガの2つの広告キャンペーンはさんざん批判を浴びた。今回のコレクションには、服への注目を取り戻そうと決意したデザイナーらしい、力強い美学が感じられる。ぴかぴか光るアーマーウェディングドレスがその際たるもので、制作には900時間を要した。歴史資料から自由に発想した作品は、いくつかのパーツを3Dプリントで作り、ビス留めしてある。スカートは継ぎ目の見えない2つのパーツから構成されている。まるで板金加工したようなドレスに誰もが目を奪われた。

text: Mitia Bernetel (madame.lefigaro.fr)

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