故ベルルスコーニ元イタリア首相、33歳の彼女に1億ユーロを遺贈。
Culture 2023.07.09
6月12日に86歳で死去したイタリアの元首相の遺言状が7月6日に公表され、最後の彼女だったマルタ・ファッシーナには1億ユーロが遺贈された。
ミラノで群衆に手を振るシルヴィオ・ベルルスコーニ。(イタリア、2022年9月25日) photography: Getty Images
元イタリア首相のシルヴィオ・ベルルスコーニは6月12日に86歳で亡くなった。最後につきあっていた彼女が33歳のマルタ・ファッシーナだ。ふたりは結婚していなかったけれど、彼はよく「私の妻」と呼んでいた。大富豪のベルルスコーニの遺言状が7月6日に公表され、マルタに1億ユーロを遺贈したことが分かった。フォーブス誌の試算によればベルルスコーニの総資産は64億ユーロ。その大半は2度の結婚でもうけた5人の子どもに行く。
Marta Fascina per questo pianto si è meritata 100 milioni di euro, regina insegnami pic.twitter.com/8o43Rgytvy
— Mery (@goddessofnight_) July 6, 2023
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「たくさんの愛を」
支持者からイル・カヴァリエーレの愛称で呼ばれていたベルルスコーニ。1965年、カルラ・デッローリオとの最初の結婚で誕生した長女マリーナと長男ピエル・シルヴィオが一族の持ち株会社フィニンベストの株式の53%を折半して保有することになる。残りの47%は、再婚相手の元女優、ヴェロニカ・ラリオとの間に誕生したルイージ、エレノラ、バルバラの3人の子どもたちに行く。一族の持ち株会社の傘下には、長男ピエル・シルヴィオがCEOを務めるメディア大手MFE(メディアフォーヨーロッパ、旧メディアセット)、長女マリーナが会長を務める出版社モンダドリや資産運用会社バンカ・メディオラヌムなど、多数の企業が存在する。数十年にわたりイタリア政界のドンだったベルルスコーニの遺書には、子どもたちに宛てた手書きのメモが添えられていた。「ありがとう、みんなにたくさんの愛を、パパより」
マルタ・ファシーナへの遺贈については黒インクで書かれており、2022年1月の日付がついた封筒に封印なしに入っていた。「私のみんなへの愛と、みんなの私への愛のために」とそこには書かれていた。実のところ故人が創設した政党フォルツァ・イタリアの議員として活動するマルタだけが遺贈をうけたわけではない。どのように財産を築いたのかが謎に包まれたままのベルルスコーニ氏は、きな臭い人物である朋友のマルチェロ・デッルートリにも3000万ユーロを遺した。政党フォルツァ・イタリアの共同設立者であるマルチェロは、1970年代にベルルスコーニとシチリアのマフィア、コーザ・ノストラの仲介役を務めた罪で、2010年代に服役している。残りの相続人は兄のパオロ・ベルルスコーニで、1億ユーロを遺贈された。
text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)