16歳のジェーン・バーキン、ジーンズのためならお風呂に3時間!
Culture 2023.07.22
2021年、8人のセレブに取材して、10代の頃の夢とお気に入りの写真を聞いた。誰もが自由で熱気に満ちた思い出を語ってくれた。7月16日に亡くなったジェーン・バーキンもそのひとりだった。
photography: Shutterstock/Aflo
ーー10代の頃は楽しかった? それとも辛かった?
楽しくもあり、辛くもあった。12歳から14歳までは、世間から隔絶されたイギリスの寄宿学校にいて、同級生からは「おとこおんな」のあだ名でからかわれていた。転校してケンジントンの学校に通いだしてからは楽しかった。
ーーどんなティーンエイジャーだった?
当時、キングス・ロードを闊歩していた若者の典型だったと思う。ずっと男の子になりたくて兄の服を借りたりしていたけれど、突然、女の子っぽい気持ちに目覚め、向かいの家の男の人がとても魅力的に見えた。ベッド横の壁にキース・リチャーズのポスターを貼っていた。思春期は惑う時期。荒唐無稽な想像力を膨らませてみたり、その一方で衝撃的な行動をしてみたいと思ったり。ゲンズブールっぽい精神状態だったと言えるかしら。
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ーー16歳のジェーン・バーキン・ルックはどんな格好?
母のジュディ・キャンベルは偉大な舞台女優でとても美しい人だったけれど、わたしは大人になりたくなかった。ぴたぴたのジーンズにマリンシャツ、そしてみなさんご存じのかごバッグ。ジーンズを身体になじませるためならお風呂に3時間浸かっても平気だった。厚化粧だったわね。父からクレオパトラみたいだと怒鳴り散らされて少し落としたりしていた。
ーーティーンエイジャーの頃に好きだった映画かテレビドラマは?
映画『アンネの日記』かな。見終わって映画館を出るとき、感極まって泣き叫びながら道路に飛び出しかけたところを兄が腕をつかみ、止めてくれたのを覚えている。
ーー16歳の頃のなにを覚えている?
全部。少しひっかきまわせばあの頃の感動や怒りがすべて蘇る。私の人生と同じね。素晴らしく軽やかであると同時に悲劇そのもの。
ーーいま、16歳になりたい?
いつであっても16歳にはなりたくない!
text: Marion Dupuis (madame.lefigaro.fr)