ボディポジティブ提唱者のリゾ、パワハラ&セクハラで訴えられる。

Culture 2023.08.02

ボディポジティブやLGBTQ+の啓蒙活動で知られるシンガーのリゾが、元バックアップダンサーからセクハラと人種差別的・宗教差別的なハラスメント、職場でのパワハラで訴えられるというショッキングな事件が起きた。

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7月6日、スペインのライブに姿を見せていたリゾ。photography: REX / aflo

リゾのダンスチームに所属していた3人のダンサー、アリアナ・デイビスとクリスタル・ウィリアムズ、ノエル・ロドリゲスは、リゾとプロダクションカンパニー「Big Grrrl Big Touring, Inc.」、そしてダンスチームのキャプテン、シャイリーン・クイグリーを告訴。原告側の弁護士によれば、リゾと彼女のマネージメントチームのパフォーマーに対する扱いは、リゾが日頃から掲げている信念のすべてに反しているものだという。

元ダンサーたちの訴状の中には、リゾが彼女たちに対して行ったセクハラの詳細が赤裸々に書かれている。アムステルダムのバネナンバーというヌードパフォーマーたちによるセックスショーが行なわれているクラブで、リゾはダンサーたちに、パフォーマーの女性器から発射されたディルドを掴んだり、パフォーマーの女性器に突き刺したバナナを食べるように要求したという。また、ひとりのダンサーは、嫌だと言っているのに、パフォーマーの胸を触るように強引にプレッシャーをかけられた、とも主張。「この際、クラブの警備員に対してもステージに上がるように執拗に要求し、彼がステージに上がるとズボンを降ろされ、リゾは『脱げ!』と叫び始めた」。

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彼女たちのリーダーであるクイグリーは宗教についての価値観をダンサーたちに押し付け、婚前交渉を持った者たちを辱める発言をした上、皆のマスターベーションや夫との性生活について詳しく聞き出そうとしたと非難されている。

プロダクションの経営陣はヨーロッパ系白人がほとんどで、ダンスチームの黒人メンバーは「怠け者でプロ意識がなく、態度が悪い」と罵られていたが、これらの言葉は黒人女性を中傷する際に使われる常套句なだけでなく、黒人ではないダンサーたちが同じように非難されることはなかったという。

原告の元ダンサー、アリアナ・デイビス氏は、ツアー中の自分の体重増加を、リゾとプロダクションチームの上司によって辱められたと非難している。リゾたちははっきりと明言することはなかったものの、体重が増えてしまったデイビス氏に、ツアー開始前よりも快活には見えない理由を説明するように迫ったとのこと。

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先日、来日してフジロックでセルフラブをエンパワーメントするパフォーマンスを披露して観客たちを感動させたばかりのリゾ。この訴訟に対してのコメントはまだ出ていないけれど、どのような説明をするのかが待たれる。

ちなみにビヨンセはこの報道を受けてか、ツアーのライブで歌の歌詞にあるリゾの名前をスキップして、代わりにバドゥの名前を2回繰り返していたことがファンのツイートによって明らかに。音楽界でも影響力を持つリゾの今回の報道は、各方面にショックを与えることになりそうだ。 

text: Moyuru Sakai

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