あのロックスターの猫が店内を飾るカフェがオープン。
Culture 2023.08.16
ロンドンのオークションハウス、サザビーズの「ザ・ストーリー・カフェ」が、期間限定で「ミコ・アンド・デライラ」となってオープン中だ。
左奥の写真に写るのがミコとデライラ。左手前はフレディが最後に手に入れたペットとなったロメオとリリーの兄妹猫。
Courtesy of Sotheby’s
これは9月に開催される、ロックバンド、クィーンのヴォーカリストだった故フレディ・マーキュリーのパーソナルコレクションのオークション「フレディ・マーキュリー:ア・ワールド・オブ・ヒズ・オウン」に伴うもので、フレディが大の猫好きだったことにちなみ、店内は猫柄の壁紙と彼の猫たちの写真で飾られている。ミコとデライラは彼の愛猫の名前だ。
1986年にウェンブリーアリーナで行われたコンサートでのフレディ。
(c) Richard Young
フレディは1970年代半ばから晩年までたくさんの猫たちと暮らし、その多くをロンドンの動物保護団体から迎え入れていた。名声を手に入れたのちに世界中をツアーしている間でも猫と「話す」ために、頻繁に自宅に電話をかけるほどで、なかでもミコとデライラは彼にとって特別な存在だった。
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ミコは1986年にフレディの親友で同居人だったメアリー・オースティンが南ロンドンにある動物施設で見つけて引き取った猫だ。同年にフレディが邸宅「ガーデンロッジ」に転居したあとは日々訪れる多くの来客者たちに可愛がってもらいながらも、居間のお気に入りのクッションの上で静かにくつろぐのが一番好きだったという。
1986年から亡くなる1991年まで、フレディがメアリーと猫たちとともに暮らした「ガーデンロッジ」。猫たちは室内と庭を自由に行き来することを許されていた。とはいえ彼らの一番のお気に入りの場所はキッチンだったそう。
Courtesy of Sotheby’s
デライラも同じ頃から「ガーデンロッジ」で暮らしていた。フレディがもっとも愛情を注いだ一匹で、その名を冠した曲まで作っている。高級アンティーク家具に粗相されたことは「ちょっと困ったけれども」、心から幸せを感じさせてくれる存在で「アイ・ラヴ・ユー」と告げつつ、「ミィーオゥ、ミィーオゥ」と鳴き声の真似すら挟み込みながら軽快に歌い上げてメロメロぶりを披露している。
壁の左の写真がデライラ。右の写真はフレディと、やはり彼の愛猫だったゴリアス。
Courtesy of Sotheby’s
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オークションにはフレディが所有していたピカソやマティスの名画などとともに、招き猫を含む約30点の猫のオーナメント、ウォルト・ディズニー・スタジオ製の三毛猫のセル画、猫が描かれたベストなどもエントリーされていて、彼がただならぬ愛猫家だったのが感じられる。
フレディが集めていた猫のオーナメントの数々。
Courtesy of Sotheby’s
ウォルト・ディズニー・スタジオ作のセル画。
Courtesy of Sotheby’s
飼い猫たちが描かれていると思われる、お気に入りだったベスト。
Courtesy of Sotheby’s
ステージ衣装や着物などを含め、オークションにかけられる品々すべては現在サザビーズで展示中だ。
Courtesy of Sotheby’s
「ミコ&デライラ」の営業は9月5日まで。「フレディ・マーキュリー:ア・ワールド・オブ・ヒズ・オウン」のライブ・オークションは9月6日から開催される予定だ。
ニューボンドストリートのサザビーズのエントランスには現在、フレディのトレードマークだった「髭」が付いている。
Courtesy of Sotheby’s
1-2 St George Street, London, W1S 2FF
営)8:30-16:30(月〜金) 11:00-16:30(土、日、祭)
9月5日まで
text:Miyuki Sakamoto