「年齢不詳は褒め言葉じゃない」シンディ・クロフォード、昨今の風潮に苦言。
Culture 2023.08.30
アメリカの雑誌『Haute Living』のインタビューで、スーパーモデルは加齢との関係を打ち明け、若者主義の文化を非難した。
Instagram@cindycrawford
シンディ・クロフォードは年齢不詳と呼ばれるのを好まない。11月の表紙を飾ったマイアミを拠点とする雑誌『Haute Living』のインタビューで、トップモデルの彼女は、モデル業界では自分のルックスについて日々プレッシャーを受けていると語った。とりわけ、彼女を「エイジレス」と表現されるときに感じるという。そう呼ばれることを夢見る人は多いだろうが、56歳のモデル、シンディ・クロフォードにとって、この言葉は自分が不死身の存在ではないことを認識するものだ。
2001年にパリの整形外科医ジャン・ルイ・セバーグと共同で立ち上げた化粧品会社「ミーニングル・ビューティー」の中でも、クロフォードはこの種の話題に対処しなければならない。「おかしい話ですが、プロモーションキャンペーンでも、(スタッフは)彼女は老けないと言って、私の写真を並べたりするのです。そして、私はプレッシャーがかかるからやめて、と言うのです。“老い”を感じます。顔がかなり細くなり、口も大きくなりました。特に年をとるのは大変なことですし、ましてや私たちは若さに執着する文化に生きていますからね」と、このインタビューで語っている。
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不安要素
ラグジュアリーブランドや海外の主要ファッション誌でモデルを続ける彼女は、この年齢になってもこの仕事を続けていることに驚いている。「モデルを始めたときは、『25歳になったらどうしよう』と思っていました。それまで自分と同じようなキャリアを持つ人で、見習うべき人、憧れる人がいなかったのです」と振り返る。「そして、驚くことに、26歳、27歳、30歳、35歳、40歳、そして今は56歳になってもモデルを続けています。まさか今日までモデルをしているとは思いもしませんでした」。 しかし、50歳の彼女は、もはや20代や30代の頃と同じようには働けないと指摘し、こう述べた。「私は進化し、経営するビジネスも進化しています」。
シンディ・クロフォードは、これまで何度もキャリアをあきらめそうになったことを認めている。「時々、もうモデルをしたくないと思うこともあります。私は女性に、ある年齢で私たちは賞味期限切れだから、棚に上げておくべきだと言いたいのです。この女性向けゲームに参加したいかって? しません」と彼女は続ける。自分自身の不安と向き合うとき、彼女は物事を前向きにとらえることを好む。:「時には自信が持てなかったり、自分の写真を見て気に入らないところがあったりしても、『ああ、これが現実』といつも思うようにしています。老化は運が良ければ起こるもので、私が生きているということです」。
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確かにシンディ・クロフォードは、現実を否定したり、年齢より若く見せたりしない。それどころか、「私は25歳ではないのに、なぜ25歳に見せようとするの? 子供を産んだことがあるし、これだけの人生経験があるのだから」とプレスリーとカイア・ガーバーの母は語る。「うまく例えるなら、私はアスリートのように年を重ねています。ゲーム自体はよく分かっているけれど、20歳の時のようには首が回らないとか、そういう感じ」。
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ビキニとロングヘア
幸いなことに、自分に気持ちよく向き合える時期もある。この夏、ビキニ姿の写真を投稿した際も、「ワンピースの水着を着るべき年齢かもしれないけれど、一度も着たことがないの」とコメントし、SNS上で多くの反響を呼んだ。そして、社会的な制約があるにもかかわらず、やめるつもりのないもうひとつの習慣について、ロングヘアにジレンマがあることを語った。「私はずっとロングヘアで、ショートヘアだと自分らしくないなって、ちょっと不安になります。もう少し年をとったら切らないといけないでしょうか? ロングヘアには、私は年を取りすぎているのでしょうか? それと同様、ワンピースの水着を着るたびに、自分が自分でなくなるようです。念のため、今でも引き出しに何着か入れています」と打ち明けた。
text: Victoria Hidoussi (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi