盗難にあったバルマンのコレクション、10日で同じものを作り上げ、ファッションショーを開催!
Culture 2023.09.29
最新コレクションの50点が盗まれるという衝撃的な事件から10日後の9月27日、バルマン2024年春夏コレクションが開催された。
バルマン2024年春夏コレクション。(パリ、2023年9月27日)photography: Imaxtree
災難に見舞われようが、クイーンが歌うように、“the show must go on”、すなわちショーを止めるわけにはいかない。バルマンは9月27日、パリのシャイヨー宮で2024年春夏コレクションを発表した。10日前に同ブランドの新作コレクションの一部が盗難にあったことを考えると、これはすごいことだ。事件はイタリアからフランスにタキシードやジャージ素材の服、そして多くのデニム作品を運ぶ途中に起きた。バルマンが委託した運送業者が襲撃され、50点以上のアイテムが盗まれてしまったのだ。ショーの折、アーティスティックディレクターのオリヴィエ・ルスタンは「フィガロ」紙に、盗まれた見本服の70%はファッションショーまでに代替品を用意、もしくは作り直すことができたと言いながらも、疲れ切った表情で動揺していた。「みんな愕然としましたが、私はみんなでやり遂げられると思っていました。自分は日々、人生がいつ終わりになるかわからないから、精一杯生きなくてはと思ってはいますが......」
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50点以上が盗まれた
オリヴィエ・ルスタンは、パリ・ファッションウィークで10日以内に発表される予定だった新作コレクションの一部が盗まれたことをInstagramで明かしていた。「今朝9時に出社して、9月のショーに使うアイテムの最終便の到着を待っていました。チームとルックを作りはじめていたところ、ドライバーから電話があり、車がハイジャックされたと伝えられました。バルマンのアイテムが50点以上、盗まれてしまいました。ドライバーは空港からバルマン本社に向かっていました。これは本当にフェアではありません」
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敬意に欠ける行為
38歳のデザイナーはこれまでチーム一丸となって「懸命に働いてきた」だけに、計り知れない失望を感じていた。「みんなでこれから昼夜を問わず一層働きます。サプライヤーも昼夜を問わず働いてくれるでしょう」とメッセージは続き、強盗は「敬意に欠ける行為」と非難した。なお、オリヴィエ・ルスタンによればドライバーに怪我はなく、健康状態も良好だそうだ。
多くのデザイナーが不運なデザイナーに励ましの言葉を寄せた。サイモン・ポート・ジャックムスは「力を」と書きこんだ。ファッションジャーナリストのブルーノ・アストゥートは「本当にひどくて恐ろしい。でも君も“バルマン・アーミー”も人生で最高のショーを見せてくれることを確信している。誰もが君たちに応援の拍手を送るために集うだろう。クリエイティビティは決して止まらない」とメッセージを寄せた。この他、スーパーモデルのリンダ・エヴァンジェリスタら多くのスターが「愛を送ります」などのメッセージを寄せ、支持を表明した。
text: Léa Mabilon & Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr)