クリス・ヘムズワース、自身のアルツハイマーについて語る。
Culture 2023.10.13
マーベル映画でスーパーヒーローのひとり、ソー役で知られるオーストラリアの俳優は、アルツハイマー病発症の危険因子を自分が持つことを知ってショックを受けたことや、前向きに生きる決意をしたことを「メンズ・ヘルス」誌に語った。
サンパウロのネットフリックス・フェスティバルでのクリス・ヘムズワース。(サンパウロ、2023年6月18日)photography: Abaca
スーパーヒーローを演じる俳優、クリス・ヘムズワースも役柄同様、無敵な人であるようなイメージをつい抱いてしまう。だがそんなことはない。10月3日の米国版「メンズ・ヘルス」誌で40歳の俳優はアルツハイマー病発症のリスクを抱えていることや、そのことを知って人生がどのように変わったかを語った。
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アベンジャーズとて無敵ではない
およそ1年前の2022年11月、クリス・ヘムズワースはアルツハイマー病を将来発症するリスクが高いという検査結果が出たことを公表した。「いつか死ぬなんて誰も考えない。とりわけ若い頃は。だからアルツハイマーで死ぬかもしれないと診断されて本当にびっくりした」とクリスは検査結果を知った時のショックを語った。しかしショックから立ち直るのも早かった。「喝を入れられた感じだ。脳の健康のためにやることは、体の残りの部分にも有益だしね」とくじけず前向きにとらえる。しかも自分と同様の立場にいる人たちが恐れずに「検査を受けたり、脳の健康について理解を深めたり、変化をもたらす力が己に備わっていることを知って」もらいたいという思いから、あえて自分の臨床結果を公表した。
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ベッドに入る前は画面を見ない
「外部からの声や刺激を遮断して、自分と静かに向き合うことの大切さをつくづく感じた」とクリスは今の生活について語る。「メディテーションもよくするし、きちんと睡眠と向き合うように」なり、生活習慣は変わった。「ベッドに入る1時間前から画面を見ないようにして、本を読むようになったことがプラスになっている。あと、あまりひとつの考えに固執せず、一歩引いて俯瞰するようになった」と言う。ジムでのトレーニングプログラムも変化した。「ウェイトトレーニングの頻度を減らし、カーディオと持久力トレーニングを増やした」
11歳の娘と9歳の双子の父親としてワークライフバランスの改善にも努めている。「今回のことがきっかけで、子どもたちだってあっという間に大きくなっていろいろ変わるだろうなと考えた。子どもたちと一緒に座り、成長を感じていきたい」と現在の心境を語ると、「もう人生をダッシュするようなことはしたくない。ゆったりと、自分の周りにあるすべてを味わいたい」と語った。2013年のロン・ハワード監督の映画『ラッシュ/プライドと友情』で演じたF1ドライバーの役の対極にある生き方を実践しているようだ。
text: Gaspard Couderc (madame.lefigaro.fr)