ソフィア・コッポラ、『リトルマーメイド』『トワイライト』シリーズの監督を断った理由とは?

Culture 2023.10.27

ソフィア・コッポラは、2023年10月24日に雑誌「ローリング・ストーン」のインタビューで、彼女は常にティーン向けの映画を作りたいと願っていることを明かした。ただし、どの作品でも良いわけではない。

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ヴェネツィア国際映画祭での映画『プリシラ』のプレミアに登場したソフィア・コッポラ。(ヴェネツィア、2023年9月4日)photography: Abaca

映画『トワイライト』シリーズを、インディーズ映画界の巨匠ソフィア・コッポラが監督したら、どんな作品になっただろうか? 私たちは永遠にそれを知ることはないが、実現していたら興味深いものになったかもしれない。フランシス・フォード・コッポラの娘、ソフィア・コッポラが10月24日、アメリカの雑誌『ローリング・ストーン』のインタビューに答えた。彼女はティーン向けの映画を作るのに夢中で、映画『トワイライト』の最終章の監督も検討していたが、脚本にいくつかの「奇妙な要素」があったため最終的に思い止まったという。

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ティーンエイジャー映画の世界

2000年代半ば、『トワイライト』シリーズは大成功を収めた。2005年から出版されたステファニー・メイヤーの5冊の書籍から始まり、2008年から2012年にかけて公開された映画も瞬く間に大ヒットした。ティーンエイジャーの少年少女が本に夢中になり、映画が『トワイライト』の伝説を完成させた。スクリーン内外で恋人同士だった、エドワードとベラを演じたロバート・パティンソンとキルスティン・スチュワートの演技も印象的だった。しかし、あまり知られていないのは、『ロスト・イン・トランスレーション』や『マリー・アントワネット』などの名作を手がけたソフィア・コッポラ監督が、『トワイライト』最終章の監督を検討していたこと。「会議を持ったけれど、実現しなかった」と彼女はアメリカの雑誌に明かした。なぜ成功したティーン映画の世界で、なぜインディーズ映画監督だったのだろうか? ソフィア・コッポラによれば、以前から常にジャンル映画を作りたいと思っていたという。「SF映画を作るのは楽しいだろうし、スプラッター映画ではなく、ゴシックホラーを作るのは面白いと思った」と彼女は述べ、さらに「ティーン向けのヴァンパイア映画を作ることは興味深かった」と付け加えた。

しかし、他の要素が気になり、ソフィア・コッポラはこの映画製作を思い止まった。特に、彼女は物語を「不条理」と表現し、次のように説明した。「ヴァンパイアの間の奇妙な繋がりや狼男のことが奇怪だと感じた」。監督はまた、ヴァンパイアのエドワードと人間のベラの間に生まれた、小説では“ハイブリッド”と表現されている女の子、ネスミーのキャラクターにも奇妙すぎて驚いた」と監督は述べ、「最終章は本当に行き過ぎだと思う」と総括した。『トワイライト』シリーズの最終エピソードは最終的にふたつに分けて2011年と2012年に公開され、ビル・コンドンが監督を務めた。しかし、ソフィア・コッポラがジャンル映画を監督することは諦めておらず、彼女は2023年に公開されたロブ・マーシャル監督の実写映画『リトル・マーメイド』の監督を打診されていた。2024年1月にエルヴィス・プレスリーの妻を描いた伝記映画『プリシラ』を公開する彼女がディズニー映画を撮る日も遠くないかもしれないが、ただし、現時点ではまだ慎重なようだ。

text: Gaspard Couderc (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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