韓国ドラマの食事から知る、韓国の日常。 "病みつき"キンパ。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』

Culture 2024.01.03

韓国ドラマによく登場する食事シーンは、主人公たちの心情や、作品のコンセプトそのものを伝える役割を果たす。食材やメニュー、食卓の風景などからもっと深くドラマを理解しよう。


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日本でもすっかりおなじみとなったキンパ。キン(キム)=海苔、パ(パブ)=ごはんの、韓国風海苔巻きだ。本来は家庭料理で、日本のおにぎりのように遠足や運動会の定番だった。現在は外食メニューとして、専門店やチェーン店でも人気の商品。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の主人公ウ・ヨンウの父親はキンパ専門店を経営していて、ヨンウはキンパが大好き、キンパ以外は受けつけないという設定だ。ドラマの中では自閉症スペクトラム特有のこだわりの強さをわかりやすく描いているが、偏食もしかり。現在韓国では、一口サイズで食べやすい麻薬キンパが市場などで売られていて、ゴマ油の風味が口の中に広がり、食べたら最後! 病みつきになる......。中毒性と偏食がオーバーラップするが、実はキンパがおいしいだけ? とも思ってしまう。

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『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
天才的な頭脳でソウル大学のロースクールの首席、司法試験にもほぼ満点で合格したウ・ヨンウだが、自閉症スペクトラムであることから、なかなか弁護士事務所に採用されずにいた。ようやく大手法律事務所の新人弁護士となったヨンウは、チームメンバーのフォローを得ながら、一人前の弁護士として成長していく。
監督/ユ・インシク 脚本/ムン・ジウォン 出演/パク・ウンビン、カン・テオ、チョン・ベス、チュ・ヒョニョン、カン・ギヨンほか
Netflixにて独占配信中

Text: 伊東順子
1990年に渡韓し、企画、翻訳オフィスを運営する。2017年に同人誌「中くらいの友だちー韓くに手帖」(皓星社刊)創刊。著書に『韓国カルチャー 隣人の素顔と現在』(集英社刊)、7月には第2弾を発売予定。

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*「フィガロジャポン」2023年9月号より抜粋

illustration: Kaeko

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