FOOD & DRAMA Kドラマの食事から知る、韓国生活の日常。
Culture 2024.01.07
韓国ドラマによく登場する食事シーンは、主人公たちの心情や、作品のコンセプトそのものを伝える役割を果たす。食材やメニュー、食卓の風景などからもっと深くドラマを理解しよう。
韓国ドラマには食事のシーンが多い。家族や友だちとわいわいと、恋人や親友とまったりと、あるいはひとりで泣きながらごはんを食べる場面もある。韓国人にとって食事は大切なものであり、それは人間関係のベースとなっている。
韓国では「ごはん食べた?」が挨拶だ。友だち同士だけでなく、ビジネスの席でも同様だ。「食事はされましたか?」と聞かれたら、「はい」と答える。挨拶だからそれでいい。もしお腹が空いてるなんてことが相手に知られたら、大変なことになる。とにかく何かを食べさせなければと、仕事どころではなくなってしまうのだ。
食事の場面ではいつも韓国人の優しさや温かさが身にしみる。だから、時には切なくもなる。ドラマでもリアル社会でもまったく同じである。
>>『椿の花の咲く頃』|トゥルチギで起きるコミュニケーション。
>>『恋のスケッチ~応答せよ1988~』|分かち合いが作る豪華な食卓。
>>『宮(クン)~Love in Palace』|食べさせてあげたい! 愛を包んだサンチュ。
>>『梨泰院クラス』|スンドゥブが作った世界のパク・ソジュン。
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>>『サイコだけど大丈夫』|"取ってあげる"おせっかいが愛情表現。
Text: 伊東順子
1990年に渡韓し、企画、翻訳オフィスを運営する。2017年に同人誌「中くらいの友だちー韓くに手帖」(皓星社刊)創刊。著書に『韓国カルチャー 隣人の素顔と現在』(集英社刊)、7月には第2弾を発売予定。
1990年に渡韓し、企画、翻訳オフィスを運営する。2017年に同人誌「中くらいの友だちー韓くに手帖」(皓星社刊)創刊。著書に『韓国カルチャー 隣人の素顔と現在』(集英社刊)、7月には第2弾を発売予定。
*「フィガロジャポン」2023年9月号より抜粋
illustration: Kaeko
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