LGBTQ+の関係を描いたドラマカタログ 殺人事件の中で描かれる恋模様、ドラマラバーが推薦する3作は?
Culture 2024.02.13
人が恋する姿を観ることは、時に辛く、時に切ない。でも深く考えさせられる。LGBTQ+の恋を丁寧に描いた名作は豊富だ。人間ドラマはもちろん、ファンタジーからクライムサスペンスまで、5人のドラマラバーが沼落ちした作品をリコメンド。
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#01. 「Manner of Death/マナー・オブ・デス」
殺人事件×法医学×BLサスペンス。
法医学者と容疑者が恋愛するBL要素を取り入れたサスペンス。医師で法医学者のバン(パーコーン・タナシーワニットチャイ/トゥン)は、タイ北部の町に越してくる。ある日、遺体発見現場を訪れたバンは、首を吊った状態で亡くなっている友人ジェーンの姿を発見。自殺に見せかけた他殺だと結論づけ、ジェーンの恋人で第一発見者であり、容疑者のテーン(ナッタポン・ディロックナワリット/マックス)を探る。実は、事件が起きる前にバーで出会っていたバンとテーン。協力を申し出るテーンに対し、彼が犯人だという疑いをぬぐい切れないバンだが、真相に近づくほどふたりの関係は深くなっていく。「禁断のストーリーのなかではマイベスト。毎話目が離せません。同時に、事件の犯人を推理したくなる登場人物たちとシナリオがいい! 最後には予想もつかない展開が待っている」(石川)
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#02. 「Mine」
財閥一家とある女の秘密が暴かれる、その先は?
上流階級を舞台に、渦巻く人間の業を映し出す。財閥のヒョウォングループ会長の長男の妻で財閥出身のチョン・ソヒョン(キム・ソヒョン)、会長の次男の妻で血の繋がらない息子に愛情を注ぐソ・ヒス(イ・ボヨン)は、華麗でセレブな生活を送っている。しかし、ヒスの息子の家庭教師カン・ジャギョン(オク・ジャヨン)が息子に異様に執着するようになり、波紋を呼ぶ。冷静を装うソヒョンだが、この問題をきっかけに胸の奥にしまったある女性へと思いを馳せるのだった......。「財閥家を取り仕切る長男の嫁ソヒョンに注目。ボンクラな長男との間に当然愛はないのに、何かに取り憑かれたように財閥家を守り続ける。彼女は世間に隠さなければならない"秘密"の想いを抱えており、クールな態度と表情の奥に潜むその想いに揺れるソヒョンの演技が上手い。"家"を巡るドロドロサスペンスのなかでもトップクラス」(山崎)
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#03. 「サムバディ」
出会い系アプリが誘う、猟奇的殺人の陰に......。
アスペルガー症候群の天才プログラマーであるキム・ソム(カン・へリム)は、学生の頃に構築したAIをベースにした出会い系アプリ「サムバディ」を作り成功するが、アプリを利用した殺人事件が発生。犯人を探そうと調べるうちに、ソン・ユノ(キム・ヨングァン)に目星をつけるがまさか本当に快楽殺人者だとは思わず、接触するソム。一方、ソムの女友だちで車椅子のサイバー捜査官ヨン・ギウン(キム・スヨン)、レズビアンで巫ムー堂ダンのイム・モグォン(キム・ヨンジ)らも事件に巻き込まれていく。「マイノリティと呼ばれる3人の女性が、マッチングアプリを介して猟奇殺人を繰り返す連続殺人犯を追ううちに世間的には理解できないであろう奇妙な"共感"で引かれ合う」(山崎) 「際立つキャラクターとスリリングな展開でアッという間の結末。『ウンギョ 青い蜜』のチョン・ジウ監督の怪作」(かわむら)
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Recommender
エスムラルダ/Esmralda
1994年より各種イベント、メディア、舞台公演等に出演。2018年にはディーヴァ・ユニット「八方不美人」のメンバーとして歌手デビュー。ライター・脚本家としても活動している。@esmralda001
小林久乃/Hisano Kobayashi
コラムニスト、編集者、プロモーション業など。視聴した連続ドラマは約1600本の筋金入りのオタク。エンタメコラムを執筆多数、『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)も上梓。 @h_i_s_a_n_o_c_h_a_n
石川晴美/Harumi Ishikawa
ライフスタイル誌、アジアエンタメライター。韓国ドラマ視聴歴20年超。2020年、CS放送で偶然見つけた「Until We Meet Again~運命の赤い糸~」をきっかけに、タイBLドラマに沼落ち。
@navy_haru
山崎敦子/Atsuko Yamazaki
「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」からズブズブと沼入り。以来、寝食削ってドラマはもちろんK-Popにいたるまで韓流三 昧の日々。ジャンルを選ばずなんでも食す雑食系。
X(Twitter): atuatsuyamazaki
かわむらあみり/Amiri Kawamura
ライター・編集者・コラムニスト。出版社で編集者として勤務後、独立。ドラマウォッチャーで韓国や日本の作品が大得意。エンタメ雑誌や韓国ドラマのムックほかインタビュー、コラム連載、編集を担当。 https://amirikawamura.com
*「フィガロジャポン」2023年11月号より抜粋
text: Amiri Kawamura