ミラノファッションショー、観客がモデルにゴミを投げつける演出が話題に!
Culture 2024.02.27
フィレンツェを拠点とするこのブランドは、2024年秋冬コレクションで、ファッションショーの常識を覆した。モデルたちがまともに歩けなくなるように、招待客に特別なアイテムを提供したことで注目を浴びた。
2024年秋冬コレクションのショーの最後に、パイを顔面に受けるエーヴィエーヴィエーヴィ(AVAVAV)のデザイナー。(ミラノ、2024年2月25日) photography: Imaxtree
この場面は、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のエピソードを思い起こさせる。シーズン5のエピソードで、サーセイ・ラニスターがポート・レアルの街で「処罰の行進」を強いられ、市民たちから投げつけられるゴミの標的となった。そして、2024年2月25日、ミラノで開催されたエーヴィエーヴィエーヴィ(AVAVAV)のファッションショーで同様の場面が展開された。最前列の招待客は、さまざまなゴミで満たされた白いバケツを手に入れていた。紙くず、ソーダ缶、プラスチックボトルなどが、ランウェイに最初のモデルが登場すると、それらが投げつけられた。
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ショーが進むにつれ、床はどんどんゴミ捨て場のようになっていった。そして、モデルたちは歩きにくくなり、バランスを崩してベトベトの床に倒れ込む者が続出した。コレクションもまた同様カオスだった:ほつれたタイツ、破れたズボン、袖が切り裂かれたスウェットシャツ、鼻に貼った絆創膏、吸血鬼のようなカラーコンタクトレンズなどが、グランジで意図的に乱れた雰囲気のワードローブを構成していた。ショーの最後に、エーヴィエーヴィエーヴィのデザイナーが観客に挨拶するために出てきたが、その数秒前にどこからともなく現れた男にパイを投げつけられた。
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ファッション業界への疑問
2024年秋冬コレクションのショーの最後に、パイを顔面に受けるエーヴィエーヴィエーヴィ(AVAVAV)のデザイナー。(ミラノ、2024年2月25日) photography: Imaxtree
「エーヴィエーヴィエーヴィの一種の宣伝手法なのか? それともファッションに対する憎悪を表現する方法なのか?」、とX(旧Twitter)のユーザーが問いかけている。「皮肉なことに、ファッションや服そのものがゴミのようだ」とコメントする人もいた。SNS上では、非常に印象的なこのファッションショーの画像や動画が議論を巻き起こした。これにより、フィレンツェを拠点とするこのブランドの知名度がますます高まっていることは確かだ。このショーの趣旨は、主にSNS上に押し寄せる無差別な憎悪や時に過剰な熱狂を浮き彫りにすることだった。エーヴィエーヴィエーヴィの2024年秋冬のショーは、ファッションブランドがショーの最後に受ける安易な批判を反映している。ふたりのスウェーデン人デザイナーは、ショーの終わりまで待つのではなく、一般人にライブで意見を求めた。フランスのメディア「ファッションネットワーク」の記事によれば、ショーの入り口でウォッカが提供されたが、これは会場を盛り上げるためだったという。
2017年、リンダ・フリベリとアダム・フリベリによって設立されたエーヴィエーヴィエーヴィは、2020年にバズに情熱を傾けるヨハンナ・ブロムとビート・カールソンのふたりのスウェーデン人女性によって買収された。コロナ後、このふたりは迅速に注目を集めてきた。エーヴィエーヴィエーヴィの革新的なクリエーションは、エキセントリックさを称賛し、ファッションウィークの際にはファッションショーの慣習を打ち破るほどだ。2023年9月にミラノで発表された2024年の春夏コレクションでは、ファッション産業の忙しさから生じる不安をテーマにした。モデルたちは急ぎ歩きで、時折4本指の靴を履き、これがネット上で話題を呼んだ。
text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi