仕事が私にくれたもの:ジャン=マルク・マンスヴェルト ショーメのジャン=マルク・マンスヴェルトが語ったクリエイティビティ。
Culture 2024.03.05
偉大な歴史とモダンなクリエイティビティ、
そのバランスに長けているのがショーメの魅力。
さまざまな国の文化に敬意を払い、それを取り入れた形のプレゼンテーションを各国で開催しているショーメ。フランスのジュエラーは創業243年を迎えた現在でも伝統を守りながらも、柔軟な発想で進化を続けている。その歩みを牽引しているCEOのジャン=マルク・マンスヴェルトは「世界の国々にはどんな工芸品があるのか、そしてどういった職人技があるのか。それを知り、ショーメのジュエリーとミックスすることで、予期しない化学反応が起きます。ものづくりの架け橋になることもある」と語る。2021年の開催に続き、23年も東京で日本の若い匠たちとのコラボレーションで、"対話"をコンセプトにしたプレゼンテーションを披露。
「前回は日本刀や盆栽の匠とタッグを組みました。今年は、コンテンポラリーで若い才能にフォーカス。日本の伝統技を受け継ぎ、新しい解釈で表現する3名のアーティストの作品とショーメのハイジュエリーの対話を実現させました」
陶芸家で建築家の奈良祐希、染織家の吉岡更紗、そしてサウンドアーティストの細井美裕とタッグを組み、メゾンの新しい可能性を示唆する内容に。
「ジュエリーと陶芸や、染織、そして音は一見、関わりがないようにも感じますが、共同作業をすることで共通点にも気付く。特に今回、細井さんが制作した音とショーメのハイジュエリーのミックスはおもしろかったです。幾つもの音が重なり合うハーモニーと、石を中心にいろいろな要素が相まって完成するジュエリーは類似点も多い。音楽もジュエリーも心をときめかせ、高揚感を与えてくれますよね」
伝統的なスタイルと積み重ねてきた遺産やサヴォワールフェールを継承し、常に視野を広げて想像力やクリエイティビティを高めなくてはいけないとも。
「そのためにも各国で才能あふれる芸術家たちに刺激を受けることは大切なこと。長く偉大な歴史と同じくらい現代性も重要です。このバランスに長けているのもショーメの魅力なのです」
*「フィガロジャポン」2024年2月号より抜粋
text: Tomoko Kawakami photography: ©Chaumet