ナイキが発表した女子陸上競技用のウエア、ハイレグすぎると批判殺到!
Culture 2024.04.18
2024年オリンピックで米国の陸上選手が着るウェアに関し、女子選手向けがハイレグすぎて実用的ではない、パフォーマンスへの配慮がないと批判の声が次々にあがっている。
2024年4月11日、ナイキは米国選手のウェアを発表した。photography: Getty Images
2024年オリンピックで選手たちはどんなウェアを着るのだろうか。4月11日、ナイキが米国の陸上競技代表選手のウェアを発表した。その直後から女子選手のウェアが論議を呼んでいる。というのもかなりのハイレグ仕様だからだ。これは性差別的なうえに実用的ではないという声が次々と選手から上がった。ロイター通信の取材に対し、米国の中距離走選手のコリーン・クイグリーは、「パフォーマンスのことは全く考えずに」デザインされたものと批判した。
はみ出ないか心配
5000メートル競走の米国元チャンピオンのローレン・フレッシュマンはSNSではっきりと不快感を示した。「このウェアが本当に身体パフォーマンス向上に役立つなら、男性だって着るはずです。これは家父長制権力がうみだしたウェアであって女子スポーツへの注目を高めるのに、もはや不要だし歓迎もされません」とインスタグラムに投稿、さらに「プロのアスリートは頭の片隅で常にアンダーヘアを気にしたり、体の脆弱な部分を露出することに対してあれこれ考えたりせずに、競技に臨むことが可能になるべきです」と続けると、ナイキや米国陸上競技連盟に対して「最高のパフォーマンスは忘我の境地で自由に、本能と動きに身を任せたときに生まれるものです。人口の半分に関して、物事をややこしくするのはやめてください」と訴えた。
米国陸上競技連盟(USATF)は4月14日に声明を発表し、弁明した。それによるとアスリートたちは50種類のオリジナルウェアのなかから選択が可能で、問題のウェア着用を強要されることはないそうだ。そして「ナイキは、着心地がよく、競技に適したものにするため、ウェアのデザイン過程で選手たちの意見も聞いている」とも付け加えた。
過去の事例
女子のウェアが問題になったのは今回が初めてではない。2021年7月にはビーチハンドボール欧州選手権でノルウェー女子代表チームが、規定のビキニタイプのウェアの着用を拒否した。男性選手と同じショートパンツ姿で試合に臨んだ同チームは欧州連盟から1500ユーロの罰金を課せられている。2021年の欧州体操選手権ではドイツ選手のザラ・フォスが脚全体を覆うユニタードで登場し、「女性は誰もが居心地良く感じたいもの」と述べた。数年経っても状況は変わっていないようだ。
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text: Lena Couffin (madame.lefigaro.fr)