セレブに大人気の「ノーパンツ」トレンド、日常生活でも活用できる!?
Culture 2024.05.06
ランウェイからストリートまで、スターやイットガールたちがボトムを脱ぎ捨て、タイツの有無にかかわらず、冬でも夏でも脚を露出している。大胆かつ物議を醸すファッションブームだ。
2022年9月19日、ニューヨークのトライベッカで目撃されたベラ・ハディッド。photography: GC Images/Getty Images
「もし私が若かったら、ショーツで出かけるわ!」とミウッチャ・プラダは挑発的に言う。イタリアファッションの女神はこのファッションを知っている。スカートもパンツもはかないイットガールの急増は、ミュウミュウ2023年秋冬ショーが大きなきっかけとなったのだ。そして、このルックの主役はというと? エマ・コリンだ。ヴェネツィア国際映画祭に登場したミュウミュウのミューズでもある彼女が早速試したのは、肌色のタイツにショーツを合わせ、プチカーディガンを羽織った、ちょっとクレイジーでブルジョアなルックだった。しかし、「ノーパンツ」トレンドはミュウミュウだけではない。
この春夏、ステラ・マッカートニーからヴィクトリア・ベッカムまで、数多くのデザイナーが斬新なシルエットを提案している。今シーズンに盛り上がっているこのトレンドは、大胆かつ論議を呼ぶものだが、決して新しいものではない。2022年末、スーパーモデルのベラ・ハディッドはすでにUGGのブーツとソックス、バイカージャケット、そして......真っ白なショーツでニューヨークの街を歩いていた。
そして、ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブディレクターであるマチュー・ブレイジーは、2023年春のランウェイで、黒いショーツにシースルータイツとネイビーのニットを身にまとったモデルを登場させた。ケンダル・ジェンナーは誇らしげにストリートでこのトータルファッションを真似た。そして、デュア・リパ、カイリー・ジェンナー、ヘイリー・ビーバーなど、さまざまなスターたちが「ノーパンツ」ルックを披露した。脚をむき出しにする人もいれば、タイツで控えめに隠す人もいる。大胆派には極薄のシアータイツ、寒がり派には40デニール(レギンス並みの厚さ)のタイツなどは「ノーパンツ」ルックの強い味方だ。
クリステン・スチュワートはこの春のトレンドを完全に取り入れ、堂々と「ノーパンツ」ルック姿を披露している。タイツにショーツ、ベージュのブルネロ・クチネリのシャツ、その後、シャネルの黒いアンサンブルでニューヨークの街に現れた。これらの影響で、タイツの売り上げは急上昇した。すでに2022年には、イタリアの大手レッグウェアブランド、カルツェドニアは驚異的な二桁成長を示した。タイツの上に下着を着るという「見せる下着」のファッションは古くからあり、カーリン・インターナショナルのトレンドアナリスト、トーマス・ジルベルマンもその事実を認めている。「1990年代には、ジャン・ポール・ゴルチエやシャンタル・トマスなど、ランジェリーの可能性を探求し、本来見せるべきでないものを見せるデザイナーたちがいました。ミウッチャ・プラダもまた、ファッションの真の知識人であり、女性の服装において社会的に受け入れられるものは何かを考えています。彼女は伝統的なファッションコードを覆し、公共の場における女性の体の地位に疑問を投げかけているのです。」
問題は、これが実生活に本当に取り入れられるかどうかということだ。トーマス・ジルベルマンは次のように述べる。「身体は政治的な意味を持つことは知られています。そして、ミウッチャや他のデザイナーたちはこの大胆なルックで、若い世代が解放を求める闘いを支持し、考えるきっかけを提供しています。女性にとって公共の場は安全な場所になり得るのでしょうか?」この議論がはじまったばかりだ。
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【写真】小粋なトレンド、ノーパンツ
2022年9月19日、ニューヨークのトライベッカで目撃されたベラ・ハディッド。
photography: GC Images/Getty Images
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ヴィクトリア・ベッカムのファッションショーでのモデル。
photography: Imaxtree
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ミュウミュウのファッションショーに登場したモデル。
photography: Imaxtree
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ステラ・マッカートニーのファッションショーでのモデル。
photography: Launchmetrics.com/spotlight
text: Séverine Pierron (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi