仕事が私にくれたもの:ニコラ・ガーバー・マラモッティ マックスマーラのニコラ・ガーバー・マラモッティが語る、特別なバッグ。
Culture 2024.06.21
日本とイタリアには共通点が多い。
伝統を重んじ、新しいことに挑戦する姿勢がある。

「2016年に誕生したウィークエンド マックスマーラのアイコン『パスティチーノ バッグ』は、さまざまな素材、色、柄で展開されてきました。さらに、私たちは特別で、コレクターアイテムになるようなバッグを作りたいと考えたのです」と、ニコラ・ガーバー・マラモッティは言う。彼女は世界中の販売の責任者で、直営店からEコマースまで幅広く担当。
今回、京都の職人技とコラボレーションした"パスティチーノ"のリリースに合わせて来日した。
「長いコロナ禍を経て、人々が旅に出たくなるタイミングに特別なバッグを発表したいと思いました。旅で新しいことに触れてワクワクする気分もウィークエンド マックスマーラのコンセプトに通じると考え、22年のヴェネツィアから始まり、パリ、そして京都と世界中の伝統的な手仕事に光を当て、声を与えるようなものづくりをしてきました」
---fadeinpager---
今年で3年目となる"パスティチーノ ワールドツアー"の寄港地に京都を選んだ理由は?
「それはもちろん、私たちは日本が大好きだから。なかでも京都には伝統的な生地があり、家族で継承する長い歴史がある。その部分は、マックスマーラと重なります。今回、バッグに使用した川島織物セルコンの素材には、芍薬やバラなどの花や四季を感じる柄など豊富なアーカイブがあり、とても刺激的でした。その美しい素材に、中森組紐店の職人たちが繊細な手仕事で仕上げたボールクラスプを飾ることで、とても美しく特別なバッグに仕上がりました」
日本とイタリアには共通点が多いとニコラ。どちらの国も伝統を重んじ、クラフトマンシップを継承しつつも、新しいことに挑戦する姿勢がある、と。
「私たちにはそのイタリアらしさを継承する責任がある。伝統的な素材や技を使い、モダンなデザインのバッグを作ることで世代の架け橋になれたらいいなと。さらに、このバッグを通して会話が弾み、多くの人が日本の伝統的な文化に興味を持ってくれて、京都を訪れてくれたら、素敵ですよね」

グリーン(H21×W32×D13cm)¥163,900/ウィークエンド マックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)

*「フィガロジャポン」2024年8月号より抜粋
text: Tomoko Kawakami