石田ゆり子が語る、モネとアートとパリと。

Culture 2024.07.10

10月5日~2025年2月11日まで国立西洋美術館で開催される『モネ 睡蓮のとき』の展覧会アンバサダーに就任した俳優・石田ゆり子。記者発表会では、美術展のアンバサダーという役割に対して「こんな素敵なご褒美のような仕事はない!」と目を輝かせた。モネ、アート、そしてパリをこよなく愛する彼女に、価値観や私生活に関する7つの質問を投げかけた。

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──石田さんとモネとの出会いは、いつ頃でどのようなきっかけだったのでしょうか。

19歳の時に初めてパリに行ったんですね。とある美術番組でオランジュリー美術館を訪ねて、モネの撮影ではなかったのですけど、ふと目にとまったのが「睡蓮の間」だったのです。「こんなに美しい空間があるんだ!」って幸せな気持ちになりました。あの時の体験はいまも忘れられません。モネは心の底から大好き!!! 私にとってスペシャルな存在です。


──アート好きで知られる石田さんですが、絵画を鑑賞する際のこだわりはありますか?

先にあまり知識を入れず、まずは感覚で見たい派ですね。モネに関しても、いろんな予備知識があれば良いかもしれませんけど、一人一人の見方や心の中での受け入れ方は異なるはず。真っ新な気持ちで、ただただ絵に浸りたいと思っています。


──ご自宅にも数多くのアート作品を飾られているとお聞きします。お部屋に飾っているのは、どんな作品ですか?

私の部屋にあるのは、現代のアートです。まだあまり知られていないような若いアーティストを発掘するのが好きで、ギャラリーに行ったらそのアーティストのパトロンになった気分で必ずひとつは作品を購入します。

子どもの頃からタンポポの綿毛を拾ったり、石を拾ったり、瓶を集めたりするのが好きで、海の漂流物、たとえば星型のヒトデも私にとってはアートですね。あとはキャンドルが大好き! 灯さなくても立っている状態が好きなので、キャンドルスタンドをコレクションしています。いろんな場所に置いてみて、しっくりくる場所を見つけるのに何時間もかかったり (笑)

アートが部屋にあると「かっこいい」というのは少し違うと思っていて、好きなものを集めていたらいつの間にかこうなっていた、ということが多いかな。アートコレクションは"同居人"のようなイメージです。


──モネの作品を持ち帰ることができるとしたら、どの作品で、ご自宅のどこに飾りたいですか?

私は夜明けの時間が好きなんです。空が紫に変わって、白っぽくなっていく瞬間。だからモネで言えば『印象・日の出』が好きですが、今回の展覧会には来日しなくて残念です。ほかの作品ももちろんどれも素晴らしい作品ばかりですけど、日本美術からも影響を受けていることがよくわかる『藤』などいいですね。横長で少し和を感じるような。夢のような話ですが、もし自宅に飾ることが出来るならやはりリビングでしょうか......。

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クロード・モネ『藤』1919〜1920年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ ©musée Marmottan Monet

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クロード・モネ『藤』1919〜1920年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet / Studio Christian Baraja SLB

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──アートや美術館を訪れることが、心に安らぎや満足感を与えると言われていますが、石田さんにとってずばりアートとは?

アートって、何をもってアートになるんでしょうか......芸術とか音楽などの大きなくくりもありますし、写真や彫刻、絵などいろんなアートがある。逆になんでも「アートです」って言えば、アートになってしまうような気がする。ただ私にとってアートというのは、それと向き合った時に自分自身が映し出されるものです。


──アートを日々の暮らしに取り入れることについてどう思いますか?

アートってなくても生きていけると言われるかもしれないけど、私にとってはなくては生きていけない必要なものです。うちにあるアーティストのさまざまな作品も、好きな人が見たらすごく好きだけど、興味がなければ「何なんだろう?」と思うようなものが多いかもしれない。それでもアートがあると本当に幸せな気持ちになります。

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──モネとの出合いの場所でもある、パリの好きなところは?

パリは着いた途端、「これ以上幸せなところはない!」って思いますね。私にとっては憧れの街。なぜこんなにパリが好きなのかと思うと、やっぱり人が人らしく生きてるから。みんな自分の中に自分の軸がしっかりあるように感じるんです。

フランスでも色々な悩みとかを抱えている人はたくさんいるに違いないけど、みんな人目をあまり気にせず、やりたいように行動している感じがするんですね。本当に羨ましい。あと品格のある大人の女性、マダムたちがとっても素敵。みんなかっこよく年齢を重ねていて、それが美しいことだって思える。私の希望の世界ですね!

石田ゆり子 
1988年ドラマ「海の群星」でデビュー。以降、ドラマ・映画・舞台・執筆活動など、多岐にわたり活躍。近年は「友情~平尾誠二と山中伸弥 最後の一年~」「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」連続テレビ小説「虎に翼」などに出演。

『モネ 睡蓮のとき』
会期:2024/10/5(土)〜2025/2/11(火・祝)
会場:国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7-7
tel:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)9:30~17:00最終入館 ※金土は9:30~20:30 最終入館
休)月、10/15、11/5、12/28〜2025/1/1、1/14(10/14、11/4、2025/1/13、2/10、2/11は開館)
料)一般 ¥2,300
https://www.ntv.co.jp/monet2024/

lilyという名義で音楽活動も行っている石田ゆり子。音声ガイドのほか、展覧会のテーマソング「私とモネ」の作詞・歌唱も担当。 透き通ったピュアな歌声に耳を傾けたい。

text: Harold

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