パリからミュシャがやって来る!『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』が見逃せない。
Culture 2024.10.09
19世紀末から20世紀初頭のパリで活躍し、アール・ヌーヴォーを代表する画家のアルフォンス・ミュシャ(1860〜1939年)。パリのグラン・パレ・イマーシブとミュシャ財団が監修する没入体験型展覧会『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』が、12月3日から東京・渋谷のヒカリエホールにて開催される。
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グラン・パレ・イマーシブが手がける没入型展覧会が日本初上陸!
グラン・パレ・イマーシブとは、パリの美術館グラン・パレがフランス国内外に向けたデジタル展示の制作や配信のために2022年に設立された子会社のこと。最先端のオーディオビジュアルやインタラクティビティなどの手法を用いて、かつてない芸術鑑賞体験を提供するためにオペラ・バスティーユ内にてイマーシブ(没入型)の展覧会を開いている。そのひとつの『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』が日本初上陸。国内では誰も体験したことのない、映像と音楽による新感覚のミュシャ展がついに実現!
メインとなるイマーシブコンテンツでは、ミュシャの作品世界を3幕構成にて追いかけていく。第1幕「アイコン」では、一世を風靡した優美な女性像などの傑作ポスターの作品群を大空間で展開。続く第2幕「1900年」にて、その後の創作活動のターニングポイントとなったパリ万博でのボスニア・ヘルツェゴビナ館の内装を映像で再現する。ラストの第3幕「ユートピア」では、ミュシャがスラヴ民族の統一を祝賀するために描いた『スラヴ叙事詩』の連作を取り上げ、そこに見られる芸術的表現や平和への願望を込めたメッセージがどのように人々の共感を得たのかについて迫っていく。
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ミュシャ作品の造形的特徴も明らかに! 耽美な世界観にうっとり
展覧会の開催に先駆けて行われたリハーサルから、イマーシブコンテンツの見どころをご紹介したい。まず大女優サラ・ベルナールが演じた戯曲『ジスモンダ』などのポスターがリズミカルなBGMにのって大画面へと展開。花々や曲線、服の装飾といった作品の造形的特徴がレイヤーに分けてクローズアップされつつ、まるでミュシャ自らが色をつけるように華やかな色彩が空間全体へと広がっていく。アール・ヌーヴォー様式時代の女性像が織りなす、耽美的な世界観にどっぷりと浸ることができる。
舞台はパリ万博に沸く1900年のパリへ。実写かと見間違うくらいリアルに再現された古いパリの街並みに目を奪われていると、いつしか場面は晩年のミュシャが『スラヴ叙事詩』を制作したプラハ近郊の古城へと移る。そしていよいよ『スラヴ叙事詩』が登場! 一点一点の絵画が肉眼よりクリアに見えるほど高精細な画像で紹介されるとともに、登場人物にも次々とスポットライトが当たる。ミュシャが他民族の支配による苦難と解放を描きつつ、壮大でファンタジックにまとめ上げたスラヴ民族の歴史叙事詩の物語世界へぐっと引き込まれる。
このほか、ミュシャのアトリエ写真とともに、制作のために撮影されたモデルの写真や制作風景を映像で紹介するコーナーや、傑作ポスターの人物像を実在する俳優に置き換えた3Dアニメーションなども展開。ミュシャが現代に与えた影響として、漫画家の波津彬子や画家でキャラクターデザイナーの天野喜孝の作品なども映像にて紹介される。またミュシャの故郷・モラヴィアやサラ・ベルナールをイメージした香りなど、本展のためにパリの調香師が特別に作り出した"香り"の演出も体験したいもの。この冬は本場パリからやってくる、エレガントな『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』に思いっきり没入してみては?
『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』
会期:2024/12/3(火)〜2025/1/19(日)
会場:ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ 9F)東京都渋谷区渋谷2-21-1
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)11:00〜19:30最終入場 ※12/31(火)のみ17:30最終入場
休)12/19(木)、1/1(水・祝)
料)平日一般 ¥2,900
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/24_mucha/
text: Halord