アートウィーク東京のアンバサダー、鈴木京香に聞く「私にとってアートとは」。

Culture 2024.10.18

世界中のアートファンが注目する年に一度のイベント、アートウィーク東京が今秋も開催! アンバサダーを務める鈴木京香にとって、アートとはどんな存在?
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Kyoka Suzuki
1968年生まれ、宮城県出身。89年、森田芳光監督作品『愛と平成の色男』で俳優デビュー。『血と骨』(2004年)では日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。今冬、映画『グランメゾン・パリ』の公開が控えている。

私にとってアートは、かけがえのない趣味。うれしい瞬間、良い時間をくれます。

「アートからいろんなものをいただいています」。そう語るのはアートウィーク東京のアンバサダーを務める俳優の鈴木京香。高校では美術部に所属、現在もアートに日常的に触れる日々を送っている。
「仕事や旅といったふだんの生活の中で、アートとの接点がふっと新しい感覚となって感じられることが最もうれしい瞬間です。アートはかけがえのない趣味。生活のヒントにもなっていて、私なりの心地いい付き合いをずっとしています」

印象深かった出来事も多数ある。
「油絵を描いていた父が持っていた画集の中でもルネ・マグリットが大好きで、子ども心に不思議でおもしろい絵だなあと見ていました。ひとり暮らしで何度目かの引っ越しをした際、窓の外の景色にマグリットの作品が重なったんです。幼少時代の記憶もよみがえり、大回顧展を観るためにベルギーを訪れたりもしました」

旅の目的地には国際的なアートフェアも。数年前には、スイスのアートバーゼルでも心はずむ出合いがあったそう。
「ルイーズ・ブルジョワの展覧会がありました。大きな蜘蛛の彫刻をご存じの方も多いと思いますが、この時はドローイングに特化し、多岐にわたる表現が興味深いものでした。今回のアートウィーク東京では日本で27年ぶりのブルジョワ展もあり、私も気持ちが盛り上がっています」

鈴木京香といえばル・コルビュジエに師事した建築家、吉阪隆正の設計となる名建築住宅、ヴィラ・クゥクゥが取り壊しの危機に直面していた際に私財を投じて再生、継承活動も行った。この家にも彼女が大事に集めてきたアート作品が多数。アートをコレクションすることは、「新しい暮らし方の発見」に繋がるという。
「『好き』を最優先し、自分の感覚を大切に、第一歩を始めるといいと思います。気持ちに正直なことが喜びになるといいますか、家に連れ帰った好きな作品と過ごす時間は本当に豊か。居心地よく、毎朝のコーヒーが100倍おいしくなる感じがするんですよ」

また「人との出会いもアートはもたらしてくれる」と続ける。「好きなアーティストが同じ作家のファンで、作品を収集しているといった話を聞くことも楽しいですね。憧れのハリウッド俳優の友だちになったような気持ちになります」と語る。

アートを堪能する方法は本当にさまざま。それらが響きあうようにして喜びに包まれる時間が広がっていくことも、彼女の言葉が教えてくれる。
「10年以上前でしょうか、偶然目にした作品が印象深かった束芋さんも、今年のアートウィーク東京で個展を開催されます。オリジナルカクテルも作られるとのこと。本人デザインのコースターも配布されるというので、それも記念の"アートピース"になりますね」

東京×アートの魅力についてこう語る。
「旅をして東京に戻るとほっとするんです。素敵な、大好きなこの街が広範囲でアート一色に染まるのがアートウィーク東京。これほど広域での開催は海外のイベントにもないこと。スペシャル感があり見どころ満載で、私もホームページで調べていますが、今年の開催もとても楽しみです」

アートウィーク東京
会期:2024年11月7日〜10日
会場:都内の美術館、ギャラリー、特設会場ほか
営)10:00~18:00
料)会場によって異なる
https://www.artweektokyo.com/

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*「フィガロジャポン」2024年11月号より抜粋

text: Noriko Kawakami

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