印象派好き必見! 展覧会『モネ 睡蓮のとき』の見るべきポイント7。
Culture 2024.10.23
国立西洋美術館にて開催中の『モネ 睡蓮のとき』。世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品7点を含む、選りすぐりの50点が来日。さらに国内に所蔵される作品を加え、国内外のモネの名作が一堂に集結している。7つの見どころをご紹介!
Point1. 国内では過去最大スケール! 睡蓮の作品が20点以上も公開。
過去にも度々開かれてきたモネ展。「何が違うの?」と思ってしまう人もいるかも⋯⋯しかし今回のモネ展はこれまでと大きく違う。というのも、モネが長きにわたって追い求めたテーマ、"睡蓮"に焦点を当て、特に後年の大装飾画に連なる習作を含む睡蓮の作品が20点以上も展示されているから。かつてないスケールで睡蓮を楽しめる。
Point2. セーヌ河など、睡蓮以前に描いた水辺の景色。
1890年、50歳を迎えたモネは、ノルマンディー地方の村、ジヴェルニーの家を買い取り、数年後にセーヌ川の支流から水を引いて睡蓮の池を造成すると、睡蓮の連作を手がけていく。しかし、すぐに睡蓮の表現に達したのではなく、セーヌ河の風景も多く描いている。こうした睡蓮以前に描いた水辺の風景も見どころのひとつ。
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Point3. 藤やアガパンサス、そしてアイリスまで。モネが描いた美しい花々。
睡蓮の池の周りに植えた花々にも目を向けたモネは、池に架けられた太鼓橋の藤棚に這う藤と、ほとりに咲くアガパンサスの花などを描いていく。またアイリスも好んだ花として知られ、1914年以降に手がけた花の習作のうち、睡蓮に次いで多く描いている。これらは当初、モネが装飾画のモチーフとして想定し、やがて放棄してしまうものだが、美しい花々の絵画も魅力がいっぱい。
Point4. パリのオランジュリー美術館の空間をイメージ! 本物のモネで味わう没入体験。
モネが最期まで追求し続けた、大画面の睡蓮が東京で公開! パリのオランジュリー美術館の展示室をイメージした白い楕円形の部屋では、睡蓮をモチーフとした9点の絵画が展示。2メートルを超える大画面の睡蓮に囲まれるという国内では望み得なかった鑑賞体験ができる。本物のモネに没入できる至高の空間に身も心も委ねてみては。
Point5. アメリカの抽象表現主義を予感させる、実験的な色彩感覚。
睡蓮を思いっきり愛でたあとは、晩年のモネの世界へ。1918年の終わり頃から死の間際まで続いた大装飾画と並行して、モネは水の庭の太鼓橋や花の庭のアーチなど、複数の独立した小さなシリーズを制作している。白内障を患い、不確かな視覚にあっても、実験的とも呼べる色彩感覚を生かした作品は、1950年代のアメリカで台頭した抽象表現主義を思わせる。
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Point6. 枝垂れ柳に込めたモネの思い。
モネが大装飾画を描いていた時代とは? 本格的に大装飾画の制作に着手した1914年は第一次世界大戦が始まった年。1918年に休戦を迎えると、モネは戦勝記念として装飾パネルの一部を国家へ寄贈することを申し出る。そこで重要な役割を果たしたのが、悲しみや服喪の象徴と言われる枝垂れ柳。涙を流すように垂れる柳の光景に、モネの心情が投影されているようで胸を打たれる。
Point7. アンバサダー、石田ゆり子の担当する音声ガイド。
展覧会アンバサダーの石田ゆり子が担当する音声ガイドもおすすめしたい。声優としても活躍する魅力的な声で、モネの作品を優しくナビゲート。さらに「lily」のアーティスト名義で歌ったテーマソング「私のモネ」もボーナストラックとして収録されている。石田の澄み切った歌声を耳にしながら、モネの美しい色彩とじっくり向き合いたい。
FIGARO.jpでは展覧会の開催に先立ち、石田ゆり子にインタビュー。モネやアート、また私生活について語ってもらったので、以下からチェックして!
会期:開催中~2025/2/11(火、祝)
会場:国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7-7
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)9:30~17:00最終入館 ※金、土は9:30~20:30 最終入館
休)月、11/5、12/28~2025/1/1、1/14(11/4、2025/1/13、2/10、2/11は開館)
料)一般 ¥2,300
https://www.ntv.co.jp/monet2024/
photography & text: Harold