小谷実由がおすすめする、インテリアの参考にしたい映画3選!

Culture 2024.10.26

寒くなってきて衣替えシーズン、部屋だって気分を変えたい!そんなときに今回は、夢いっぱいの空間や、色に溢れた部屋の作り方など、インテリアのインスパイア源ともなるような映画作品をご紹介。モデルとして、そして映画好きとしても知られる小谷実由がとっておきの3つの作品をセレクト!

『パフォーマンス 青春の罠』

241021kotani01.jpg

『パフォーマンス 青春の罠』でミック・ジャガー扮する引退したロックスターのターナーが住む家はエキゾチックでサイケデリック。その中でも憧れるのは、もはや入浴するだけにとどまらない広さのバスルーム。彼らが遊泳するように寛ぐそこは、夢のような空間。朱色のオリエンタルな柄が施された五角形の浴槽に白と黒のタイルの幾何学模様の壁。広々としたドレッサーや浴槽の淵には化粧品の瓶やポプリ、貝殻などでいっぱい。浴槽の横にはすぐにベッドがあり、もう一方には色とりどりの服が掛けられたクローゼットコーナー。そして横には大きな鏡があってファッションショーもし放題だ。もはやこの部屋だけでも生活できる。

241021kotani02.jpg

241021kotani03.jpg

その他にも天井が鏡張りになった深いエメラルドグリーンの壁の部屋には天蓋付きのベッドや楽器たちに花柄やレースの色とりどりのカーテンたちのベルベッドのような煌めきの世界が広がる部屋も。外の世界とは何か不思議な力で隔てられたようなこの空間がもしも家の中に存在したら、想像の世界でどんな旅ができるだろうと考えるだけでドキドキしてしまう。

241021kotani04.jpg

『パフォーマンス 青春の罠』
⚫︎監督・脚本/ドナルド・キャメル
⚫︎出演/ ジェームズ・フォックス、ミック・ジャガー、アニタ・パレンバーグ
⚫︎発売元/ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
⚫︎販売元/NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

---fadeinpager---

『恋する惑星』

241021kotani05.jpg

映画全編を通して色鮮やかな世界が楽しい『恋する惑星』。ヒロインのフェイが恋する警官663号の部屋はアジアの湿気を帯びたカラフルな色合いなのに懐かしく落ち着く。窓の格子の波線の柄が可愛い大きな窓に、光が差すと暖かな雰囲気に包まれる薄黄色の壁。ブラウンのコーデュロイのソファには小花柄のクッションがあり、横にはバティック柄の派手なカーテンが揺れる。

 

241021kotani07.jpg

241021kotani011.jpg
失恋が忘れられない警官663号のために彼が仕事に出ている間にこっそり忍び込み部屋の内装を変化させていくフェイ。洗面所の鏡には彼女の幼少期の写真を貼ったり、スリッパの色を赤から青に変えてみたり、ブルーの味気ないシーツを太陽の柄に変えてみたり。わりと大きな変化を施しているはずなのに警官663号はなぜか気付かないところが可笑しくもあり、失恋の深さを物語る。ちなみにフェイが少しずつ増やしている金魚が泳ぐ水槽のライトは派手なピンクだ。ソファでじっとりした熱気を感じながらも昼下がりに心地よく眠ってしまうフェイと警官663号のシーンがとても可愛らしい。穏やかなアジアの空気感の中で私も昼寝がしてみたいなと夢見てしまうのだった。

241021kotani08.jpg

『恋する惑星』
⚫︎監督・脚本/ウォン・カーウァイ
⚫︎出演/ トニー・レオン、フェイ・ウォン、ブリジット・リン、金城武
© 1994 JET TONE PRODUCTIONS LTD. ©2019 JET TONE CONTENTS INC. ALL RIGHTS RESERVED

---fadeinpager---

『大恋愛』

241021kotani09.jpg

憧れの色合わせのインテリアに囲まれた部屋はピエール・エテックスの妄想コメディ『大恋愛』で観ることができる。パステルカラーはどうしてもファンシーになりがちだけど、それを引き締めてくれるのは意外にも黄色であることに気付いた。監督であり主人公であるエテックスの家の居間には薄いグリーンの幾何学模様の壁、青い花が刺繍されたテーブルクロス、パープルのカーテンが。それをまとめてくれているのはまばゆい黄色の戸棚とベルベッドのソファ。そして、寝室ではサテンのブルーの椅子と、パステルピンクのカーテンやキルティングのベッド。それをまとめてくれるのも、また優しいイエローのキャビネットたちなのであった。

241021kotani10.jpg

241021kotani11.jpg

色をたくさん取り入れてしまうと賑やかになりすぎてしまい、安らかな空間にならないかもしれないと心配することがあるけれど、映画の中から勇気やヒントをもらっていろんなインテリアを模索し、実現したくなる気持ちと妄想が広がる。ちなみに実現不可能だけど、一番憧れている家具もこの作品に登場する。エテックスの夢の中に出てくる車輪のついた道路を走るベッドだ。あのベッドで眠ったまま家を出て、仕事へ向かいたい。


KKDS-995大恋愛jkt.jpg

『大恋愛』
⚫︎監督/ピエール・エテックス
⚫︎出演/ピエール・エテックス、アニー・フラテリーニ、ニコール・カルファン、ケティ・フランス、ルイス・マイス
©1968-CAPAC

小谷実由
1991年東京生まれ。14 歳からモデルとして活動を始める。自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、 エッセイの執筆、ブランドとのコラボレーションなどにも取り組む。猫と純喫茶が好き。 通称・おみゆ。 著書に「隙間時間(ループ舎)」 J-WAVE original Podcast番組「おみゆの好き蒐集倶楽部」のナビゲーター。 J-WAVE「FAV COLLECT CLUB-OMIYUNO SUKI SHU SHU CLUB」ナビゲーター。

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

いいモノ語り
いいモノ語り
パリシティガイド
Business with Attitude
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories