世界各国のアートなアドレス最新情報! いま押さえたい7つのスポットとは?

Culture 2024.11.11

美術館レベルのクリエイティブなスポーツアリーナや大富豪が手がけた新興国のギャラリーなど、お国柄が表れた世界7カ所のアートなアドレス大集合!


from Hong Kong

【香港】コレクター垂涎もの、サザビーズの新メゾン。

世界最古の美術品オークション会社サザビーズが、今夏、新メゾンを完成させた。場所はラグジュアリーブランドの旗艦店が立ち並ぶ中環(セントラル)。総面積2230㎡の空間には、20のカテゴリーに分かれた数百ものオブジェが並び、販売のほかオークションの会場にもなる。展示されているアートの価格帯は5,000~5,000万香港ドルと幅広い。アジアの中心でアート×ラグジュアリーの最高峰の世界を目撃したい。

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左上: 古代中国の美術品も多数並ぶ。 右上: シュレッダーにかけられたことで話題になったバンクシーの『Girl with Balloon』も展示。下: 1階は美術館のようなビジタースペース、2階はサザビーズサロン。ロッテルダムを拠点に活動する建築スタジオ、MVRDVが建築を担当。
サザビーズ・メゾン
Sotheby's Maison
Landmark Chater, 8 Connaught Road, Central Hong Kong
営)11:00~ 19:00(月~土) 11:00~18:00(日)
無休
入館無料
https://www.sothebys. com/en/sothebys-asia/

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from Amsterdam

【アムステルダム】仮想アーティストによるAIアートの世界。

昨年オランダに誕生した世界初のAIアート専門ギャラリー。ふたりのオーナーが時間をかけて育てあげたお抱えの仮想アーティストは現在11人。出身地やバックボーンも細かく設定されていて、ミッドジャ―ニー、ステイブルディフュージョン、ChatGPTなど、各種生成AIを駆使して生み出す多彩な作品が人気を集めている。最近では実在アーティストとのコラボレーションやミュージックビデオも展開し、表現の幅を広げている。

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上: 北京と韓国でも展覧会を予定。 下: 人気仮想アーティスト、セレニティ・レイネの新作『Harbinger of the Wild(野生の前兆)』(2024年、1,050 ユーロ)は、人間の魂と手つかずの野生との境界が曖昧になる世界観を表現。
デッド・エンド・ギャラリー
Dead End Gallery
Vinkerstraat 71, 1013 JM, Amsterdam Netherlands 
営)12:00〜18:00 
休)土~火
入館無料 
https://deadendgallery.com/

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from Bangkok

【バンコク】観光スポットが舞台! アジアのアートハブに注目。

ワットポーなどの寺院や遺跡、バンコク国立博物館、大規模な都市開発プロジェクトのワンバンコクほか、バンコク市街地9カ所にアートが出現! ビエンナーレ4回目となる今年は、「Nature Gaia」をテーマに世界中から45人のアーティストが参加。母なる地球から受けたインスピレーションを発展させ、人類学、集団主義、政治、フェミニズムといった現在の重要な問題を、アートを通じて提起していく。

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上から: ワットアルンなどバンコク各地にダイナミックなアートが出現。日本からは現代美術家のAKI INOMATAが参加。/韓国を代表するアーティスト、チェ・ジョンファの『Flower Tree』。花、野菜、うつわなど、身近なアイテムを活用。/ノルウェー出身のジェニー・ブリンガカーによる作品。猫を通して自然界における人間の役割を再考させる。
バンコク・アート・ビエンナーレ 
Bangkok Art Biennale

期間:開催中〜2025/2/25 
https://www.bkkartbiennale.com/

【バンコク】火事で消失した廃墟ビルがクリエイティブ空間に。

20年以上放置されていた廃墟ビルが注目のカルチャースポット、ソイ・ナナにアートスペースとして復活。展示は時期により随時変化するが、この建物と周辺地域の文化が反映された作品、というコンセプトは変わらない。タイを東南アジアの現代アートハブにすることを使命とする慈善家マリサ・チャラワノンと、世界中に20以上ものアートスペースを所有するハウザー&ワースのディレクションによる渾身のプロジェクト。

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コラクリット・アルナノンチャイによる『団結への郷愁』が10月末まで開催。建物の歴史にインスパイアを受け、冥界にいた不死鳥がよみがえる様子を照明・音響で表現。
バンコク・クンストハレ 
Bangkok Kunsthalle

599 Soi Pantachit, Pom Prap, Pom Prap Sattru Phai, Bangkok Thailand 
営)14:00〜20:00 
休)月、火 
https://www.bangkok-kunsthalle.org/

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from Los Angeles

【ロサンゼルス】バスケットボールと芸術家のビッグな競演。

20億ドルをかけて完成したNBAチーム、ロサンゼルス・クリッパーズの新アリーナ。開幕前から話題なのがパブリックアートの作品群だ。ロサンゼルスが拠点の著名アーティスト7人が、地元イングルウッドの街やバスケットボールをインスピレーション源として制作した作品が屋外に設置され、ドームの外殻はジェニファー・スタインカンプのデジタルアートでライトアップ。美術館級のスポーツとアートの競演を体験して。

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上: 常時公開されているコートにはラフィック・アナドルによるデジタル作品がある。 下: クリッパーは帆船を意味。バスケをしながら育った日系人アーティスト、グレン・カイノは多種多様なバスケットゴールを帆に見立てた。日系人収容所にあったゴールを模倣したものも。
インテュイット・ドーム パブリック・アート・プログラム
Intuit Dome Public Art Program
3930 W Century Boulevard, Inglewood, CA 90303 U.S.A. 
https://www.intuitdome.com/about/public-art/

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from New York

【ニューヨーク】人気博物館の新館は、自然界のラビリンス。

リピーターの多いアメリカ自然史博物館に増設された新施設は、南西部の急峻な渓谷に発想を得た洞窟のようなデザインが話題。6階建ての巨大なアトリウム内に昆虫館、蝶の展示施設、デジタルサラウンドと映像を活用した没入型劇場、図書館とワークショップ用の教育センターまであり、ゲストは壮大な科学の冒険の世界に踏み込んだような気分になれる。ユニークなミュージアムショップや特別展も見逃せない。

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上: アドベンチャーの始まりを予感させる巨大洞窟がエントランス。 下: シアターではInvisibleWorldsと題された12分の没入型映像ショーを公開。微小な細胞の世界から始まる自然界の見えない繋がりを体験できる。
リチャード・ギルダー・センター・フォー・サイエンス 
エデュケーション・アンド・イノベーション
Richard Gilder Center for Science, Education and Innovation
415 Columbus Avenue, New York, NY 10024 U.S.A.
開)10:00~17:30
休)祝
料)一般28ドル 
https://www.amnh.org/exhibitions/permanent/gilder-center/

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from Berlin

【ベルリン】クラブのような空間で光と音と戯れる。

1990年代からテクノ音楽のメッカといわれ、クラブシーンが有名なベルリン。2021年に、観客の動きや音楽に反応して動く光と音のインスタレーション展示場、ダーク・マターが生まれたのはこの街ならでは。手がけたのはクリストファー・バウダー。壁崩壊25周年に、国境跡地に8000個の光のバルーンを並べ、壁の記憶を呼び起こした光のアーティストだ。本展示場にはこれまでに50万人以上が訪れ、人気を呼んでいる。

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上: 館内には光と音を使った7つの作品が展示されている。巨大なホールの空間を自在に動く光の線が、立体的な図形を描き、観客を飲み込むように変化していく作品『GRID』 下: 焚き火を模した暖かな光を囲み、観客はソファに寝転がったりしながら思い思いのスタイルで鑑賞する『BONFIRE』
ダーク・マター 
Dark Matter

Köpenicker Chaussee 46, 10317 Berlin Germany 
営)14:00〜22:00(水、木)、12:00〜23:00(金)、11:00〜 23:00(土)、11:00〜22:00(日、祝) 
休)月、火 
料)一般18ユーロ ※土、日、祝は20ユーロ 
https://www.darkmatter.berlin/

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from Mumbai

【ムンバイ】大富豪が手がけた絢爛豪華な芸術発信地。

世界的な大富豪の夫人ニタ・ムケッシュ・アンバニにより「世界最高のものをインドへ、インド最高のものを世界へ」というビジョンのもと、2023年に誕生。施設内は複数の劇場やアートハウスに分かれ、インド人アーティストなどの展覧会のほか、古典芸能やブロードウェイミュージカル、演劇公演など、多ジャンルにわたりカルチャーを発信。最強なパトロンの出現で、インドのアートシーンが大きく変わりそう。

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上: 草間彌生による『Infinity Mirrored Room - TheEternally Infinite Light of the Universe Illuminating the Quest for Truth, 2020』をインドで初展示。 下: 建物はニタ夫人と娘のイシャのビジョンで、インドの豊かな文化と象徴的な蓮の花をデザイン。
ニタ・ムケッシュ・アンバニ・カルチュラル・センター 
The Nita Mukesh Ambani Cultural Centre
Jio World Centre, G Block, Bandra Kurla Complex, Bandra East, Mumbai,Maharashtra, 400098 India 
営)11:00〜22:00 
休)月 
料)草間彌生『Infinity Mirrored Room』100ルピー、ほか展示内容により異なる。 
https://nmacc.com/

*「フィガロジャポン」2024年11月号より抜粋

photography: Stefan Ruiz (HK), Dead End (Amsterdam), Iwan Baan (NY)  text: Kiyomi Yui (Amsterdam), Chinami Hirahara (Bangkok), Chinami Inaishi (LA), Hideko Kawachi (Berlin), Junko Takaku (NY), Natsuko Kadokura (Mumbai)

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