グッチ銀座 ギャラリーで、横尾忠則の個展を開催。「未完」をテーマにしたその内容とは?
Culture 2025.04.25
東京・銀座のグッチ銀座 ギャラリーにて、横尾忠則の個展「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」が開催中。

今年、グッチは創造性を通じたコミュニティとの共創をテーマに日本国内でアート プロジェクトを多面的に展開する。その取り組みのメインが、今回の横尾忠則との展覧会開催だ。グッチと横尾とのつながりは、2020年にグッチ渋谷 ミヤシタパークのオープニングを飾ったウィンドウ アートプロジェクトまで遡る。そのダイナミックで創造的なコラボレーションをさらに発展させたのが本展となる。
本展のテーマである「未完」とは、芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿るという、横尾が一貫して掲げてきた美学に基づく。1960年代より約60年にわたり、千変万化するスタイルと森羅万象に及ぶテーマを駆使しながら数々の作品を生み出してきた横尾は、ひとつの完成形にはとどまらず、つねに変貌と挑戦を繰り返してきた。その姿勢は、つねに進化を続けるグッチというブランドの在り方とも響き合うのだ。
展示内容は、美術評論家の南雄介によるキュレーションのもと、「旅」を想起させるテーマを描いた横尾作品を中心に、今回初公開となる自画像や家族の肖像など最新作6点を含めた約30点。また、本展のために特別に開放されたグッチ銀座の屋上スペースでは、1970年の大阪万博で大きな話題を呼んだ、横尾による「未完」のイメージをシンボリックに提示した真っ赤な足場のインスタレーションを再現した作品もダイナミックに展開される。
4月26日からは東京・世田谷美術館にて「横尾忠則 連画の河」も開催。都内で同時期に横尾作品を観賞できる特別な機会となるのでお見逃しなく。

現代美術家。1936年兵庫県生まれ。72年にニューヨーク近代美術館で個展。その後も世界3大ビエンナーレに招待出品のほか、世界各国の美術館で多数の個展を開催。2012年神戸に横尾忠則現代美術館が開館。翌13年に香川県豊島に豊島横尾館が開館。2000年ニューヨークアートディレクターズクラブ殿堂入り。2015年高松宮殿下記念世界文化賞受賞。2023年文化功労者、日本芸術院会員。作品はメトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、大英博物館、ポンピドゥ・センター・メス、ウフィツィ美術館など世界各国の主要美術館に収蔵されている。2026年春にイギリスのThames & Hudsonより500ページの作品集が世界発売される。Courtesy of Gucci
会期:〜2025年8月24日(日)予定
会場:グッチ銀座 ギャラリー
東京都中央区銀座4-4-10 グッチ銀座 7階
営)11:00〜20:00 *最終入場19:30
入場無料
来場予約:https://line.me/R/app/1601842270-wAXNyj2g
https://www.gucci.com/jp/ja/nst/gucci-ginza-gallery
*入場は予約優先制。
*屋上スペースの展示は天候・時間によっては観賞不可の場合あり。
text: Natsuko Kadokura