ダミアン・ジャレと名和晃平によるコラボレーション作品を鑑賞しに、ロームシアター京都へ!
Culture 2025.08.26
ロームシアター京都は10周年記念事業として、世界で脚光を浴びる振付家ダミアン・ジャレと京都発の彫刻家である名和晃平によるコラボレーション作品『Planet[wanderer]』を11月に上演する。
©Rahi Rezvani
『Planet[wanderer]』は、2016年秋にロームシアター京都で世界初演を迎えた『VESSEL』に続く作品。『VESSEL』が日本最古の書物『古事記』のふたつの世界ー黄泉の国(死者の世界)と高天原(神の住処)を描いたのに対し、『Planet[wanderer]』は3つめの世界である「葦原中国」ー私たちが生きる世界を舞台にしている。副題の「wanderer」は、「Planet(惑星)」の語源となるギリシャ語に含まれる「さまようもの」という意味とも呼応。生者と死者の境界線で、人間の身体と宇宙世界の構成要素や重力の不可分な関係を描き出す本作は、日本の彫刻家とヨーロッパの振付家の共同作業ならではとなる唯一無二の世界観を提示する。
©Rahi Rezvani
「『Planet[wanderer]』をついに日本で上演できることに、大変感動し、高揚しています。日本は、名和晃平氏とともに構想を温め始めた場所であり、この複雑なプロジェクトの最初のリサーチ・ワークショップを京都と石巻で丹念に作り上げた場所でもあります。...『Planet[wanderer]』はこれまで世界各地で上演されてきましたが、日本の観客の皆様は、この作品のコンセプトの背景と表現形式の両方に見られる、計り知れないほど多くの深く日本的な文化的要素をすぐに認識されることでしょう。この作品は日本でこそ、他の国では成し得ないほどの共感を得ると信じています」とダミアン・ジャレはコメントを寄せる。
前作『VESSEL』から9年もの歳月が流れたが、これは新型コロナウイルス感染拡大の影響などで京都では2度も延期となってしまったため。しかしその間もダミアン・ジャレと名和晃平、このふたりの鬼才アーティストたちは、日本で『VESSEL yokohama』(2017年・神奈川)、「Reborn - Art Festival ダミアン・ジャレと中野公揮によるワークショップ」(2019年・宮城)、「NDT ジャパン・ツアー2024 プレイベント『Mist』上映会」(2024年・愛知、群馬)など、全国各地で協働してきた。それぞれが国際的に賞賛を浴びる彼らが、待望の公演を前に8月27日に本作の魅力を語り合う公開トークショーもロームシアター京都で開催されるので、こちらにもぜひ注目して。
©Rahi Rezvani
Damien Jalet(ダミアン・ジャレ):振付家・ダンサー。ダンスをはじめ、視覚芸術、音楽、映画、舞台、ファッションなどその活動は多岐にわたる。名和晃平との共同作品に『VESSEL』(2016年)、映像作品『Mist』(2021年)、『Planet[wanderer]』(2021年初演)がある。2024年9月には、名和晃平と再びコラボレーションし福岡で『Mirage[transitory]』を上演。2022年、フランス芸術文化勲章オフィシエ章を受章。©Rahi Rezvani
名和晃平(なわ・こうへい):彫刻家。1975年大阪府生まれ。京都を拠点に活動。2011年、東京都現代美術館で個展『名和晃平 - シンセシス』開催。同年、京都市芸術新人賞を受賞。2017年、ポンピドゥー・センター・メッスで開催された「ジャパノラマ」展に参加。2018年7月から2019年2月にかけてルーヴル美術館ピラミッドにて、日仏合同プロジェクト「ジャポニスム 2018」公式企画のひとつとして彫刻作品《Throne》が展示された。2023年、セーヌ川のセガン島に屋外彫刻作品《Ether(Equality)》を恒久設置。©Michael Somoroff
会期:2025年11月8日(土)19時開演、9日(日)15時開演
会場:ロームシアター京都 サウスホール
料金:一般 1階席¥7,000、2階席¥6,000、ほか
ロームシアター京都 オンラインチケット
※東京公演も開催。
会期:2025年11月1日(土)~3日(月・祝) 全日15時開演
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
料金:S席¥7,500、A席¥6,500、他
https://www.geigeki.jp/performance/theater376/
日時:2025年8月27日(水)19:00〜20:30
会場:ロームシアター京都 パークプラザ 3F
無料(事前申込優先)
申し込みフォームはこちら
text: Natsuko Kadokura