読んで飲んで......北海道・札幌に本好きの夢の空間が誕生。
Culture 2025.10.11
何万冊もの蔵書を誇るラウンジ付き旅館やホテル、書店と宿泊施設が一体化したユニークな新アドレスなど、心地いい空間で知的好奇心を満たす、とっておきステイ。
定山渓第一寶亭留 翠山亭
[北海道札幌市]
読んで飲んで......本のオーベルジュ体験。
風呂屋書店では各テーマに沿ったポップや展示が工夫され、見ているだけでも楽しい。
本好きにとって夢のような空間が誕生した。風呂屋書店は、読んで飲んで泊まれる施設として定山渓第一寶亭留 翠山亭2階で昨秋からスタート。これに合わせフロアが全面的にリノベーションされ、書店とフリードリンクが並ぶラウンジ、温泉が一直線に繋がる動線を持つことに。風呂屋書店には2500冊ほどの本が並び、文芸、旅やアート、料理、さらに絵本とバラエティに富んだテーマで分類されている。選書は第一寶亭留と書店を支援する大日本印刷がそれぞれ持ち寄り、「ホテルスタッフの協力もある中で、個人的な趣味もかなり反映されています」と広報担当。販売する喜び、売り上げ増の喜びは全従業員で共有しているという。
入手困難な昭和の名作文芸をペーパーバックで販売する「P+D BOOKS」の棚。これだけの作品が揃うのは国内でも有数。『北京のこども』(佐野洋子著 小学館刊¥495)、『貝がらと海の音』(庄野潤三著 小学館刊¥880)ほか。
北海道感じる絵本とお酒で、夜長をゆるりと満喫。
絵本のラインナップも充実。子どもの学習に役立つ『あいうえおの本』(安野光雅著 福音館書店刊¥1,650)や、『きたきつねとはるのいのち』(手島圭三郎著 絵本塾出版刊¥1,870)など北海道ゆかりの絵本も多い。後ろにはビールサーバー。
3つの個室は売り場とゆるく繋がり、小窓からは隣室の様子もうかがえる。
ソファが置かれ、ゆったりとしたラウンジには、お酒を含めたドリンクを供するカウンターを併設。
ホテルに隣接する新施設の休日ビルヂング内にあるモダンな雰囲気の温泉。翠山亭の宿泊者は、アーリーチェックインの際に無料で利用できる。
展望風呂の隣にベッドルームがあり、和室も備えた客室。
調理人の仕事が見られる特別食事処、湯相七席の夏のコース。
Jozankei Daiichi Hotel Suizantei
北海道札幌市南区定山渓温泉西3-105
011-598-2141
全53室 全室温泉付き 1名¥28,050~(1室2名、2食付き) ※宿泊は小学生以上のみ
https://jyozankei-daiichi.co.jp/jyozankei/
*「フィガロジャポン」2025年9月号より抜粋
●掲載している価格や営業時間、定休日、料理は変更される場合があります。特に輸入本は取材時から価格が変わる可能性があります。
●レストラン利用時や宿泊時に、別途サービス料や入湯税がかかる場合があります。
photography: Ikuya Sasaki text: Yoshihiro Watanabe