【兵庫】重要文化財のリノベーション宿で、読書とフレンチを堪能!
Culture 2025.10.11
何万冊もの蔵書を誇るラウンジ付き旅館やホテル、書店と宿泊施設が一体化したユニークな新アドレスなど、心地いい空間で知的好奇心を満たす、とっておきステイ。
ニッポニア播磨福崎 蔵書の館
[兵庫県神崎郡]
歴史的建造物で古きよきニッポンを感じる。
全7室ある客室のなかで最も古く、重要な書類や書画が収められていた土蔵造りの「内蔵」は1697年築。
姫路藩の大庄屋を務めた三木家。かつて約4000冊の蔵書を有し、民俗学の父・柳田國男が幼少の頃、知識を醸成したことでも有名だ。ここ福崎のニッポニアは築300年を超える邸宅の一部と4つの古い蔵をリノベーションし、県指定重要有形文化財では日本初のホテルとして2020年に開業。客室に日本をテーマにした約1000冊の本が並ぶ。セレクトは文喫などを手がけた、本を軸にプロデュース業を行う企業「ひらく」。酒蔵を改装したファームズキッチン三木家で近隣の野菜や播磨の山海の恵みで織りなすフレンチを堪能し、檜風呂で心身がほぐれたら、心ゆくまで読書に耽る時間を過ごすことができる。
重要文化財指定の築102年の旧郵便局舎を改装。2階には往時の窓枠など面影を残した2室の客室がある。
童心に返った気持ちで絵本に触れる。
絵本や民俗学の本など約200冊が揃う。左から、『ぶどう酒びんのふしぎな旅』『えほん遠野物語 ざしきわらし』『二番目の悪者』
ブックカフェに並ぶ『柳田國男集』
ファームズキッチン三木家の前菜一例「ハマチとオレンジのサラダ仕立て」。地野菜を中心に20種の野菜や果実をふんだんに使った爽やかなひと皿。
左:趣はそのままに、宿としてリスタート。 右:レトロな赤ポストはいまも現役。
Nipponia Harima Fukusaki Library Maison
兵庫県神崎郡福崎町西田原1106
0120-293-958
全7室 全室バスタブ付き 1室¥46,860~(2室2名、2食付き)
ファームズキッチン三木家:
営)18:00~ ※一斉スタート
妖怪ブックカフェ:
営)11:00~15:00
休)月~金
https://nipponia-fukusaki.jp/
*「フィガロジャポン」2025年9月号より抜粋
●掲載している価格や営業時間、定休日、料理は変更される場合があります。特に輸入本は取材時から価格が変わる可能性があります。
●レストラン利用時や宿泊時に、別途サービス料や入湯税がかかる場合があります。
photography: Yoshiki Okamoto text: Akiko Wakimoto