芸術の秋到来! 旅先や都内で注目の4つの展覧会へ。

Culture 2025.11.13

01. 水や石との出合いから生まれた、循環する世界。

『The shape of water hardens into stone.』

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眠くなる、お腹が空く、消化、排泄ほか意識ではコントロールの難しい生理的現象や、食事を通した外界と身体との交わりなど、「私」を巡る境界に関心を寄せてきた川内理香子。自身の内側に沸き起こるイメージや感覚を掬い取った線は、人物、動物、食物、壺、内臓、月や星などを形作り、時に神話の出来事と結ばれる。本展では、黒部近郊の自然に分け入り、山の大理石、巨大な杉、水や石との出合いから着想を得て、マクロとミクロを循環する展示空間を作り上げる。

『The shape of water hardens into stone.』
会期:開催中~12/28
会場:黒部市美術館
0765-52-5011
開)9:30~16:00最終入場
休)月、11/4、5、25、26 ※11/3、24は開館
料)一般¥500
https://kurobe-city-art-museum.jp/

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02. 布の織り目の下に走る土地に培われた歴史の深層。

『FUJI TEXTILE WEEK 2025』

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世界に類を見ない、布に特化した芸術祭。今年は「織り目に流れるもの」というテーマのもと、織機の音や手のリズム、記憶、土地の気配といった、織り目の下で脈打つ無数の見えない力に焦点を当て、その文化背景や歴史の深層を探ろうとする。テキスタイルだけでなく、街の歴史や自然環境にフォーカスするアーティストやクリエイターを国内外から選考。かつての繊維産業が最盛期を誇った時代の工場や問屋などを活用し、新たに創造的な視点をもたらす機会となる。

『FUJI TEXTILE WEEK 2025』
会期:11/22~12/14
会場:山梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域
info@fujitextileweek.com
開)10:00~16:30最終入場
休)11/25、12/1、8
料)一般¥2,500
https://fujitextileweek.com/

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03. 歴史や記憶に自身の身体で向き合ってきた作家たち。

『ジャム・セッション石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着』

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石橋財団コレクションと現代のアーティストが共演するシリーズ。沖縄と東北という異なる土地で、歴史や記憶に身体的に向き合ってきた山城知佳子と志賀理江子が新作を公開する。山城は故郷の沖縄、パラオ、東京大空襲の記憶を結び、語りや歌、祈りを交錯させ、歴史の複層性を編み上げた映像インスタレーションを展示。志賀は東北・三陸地方における海から陸への物流の変化を「人間の作る道=人間社会のやり方」として捉え、独自の物語として紡ぐ作品を発表する。

『ジャム・セッション石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着』
会期:開催中~2026/1/12
会場:アーティゾン美術館
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)10:00~17:30最終入場(火~木、土、日)、10:00~19:30最終入場(金)
休)月、11/4、25、12/28~2026/1/3 ※11/3、24、2026/1/12は開館
料)一般¥1,500
https://www.artizon.museum/

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04. 生成AIとエコロジーが、融合する先鋭的イメージ。

『Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地』

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リスボンを拠点とするアーティストデュオによるAIアートと生命科学が臨界点で交差する展覧会。虫の翅や植物の胞子、深海のクラゲのような、既視感を抱かせつつも見たことのないフォルムは、AIが人間の観察力を模倣し、進化的な創造に踏み込むプロセスを可視化したもの。観測できない深海、システムとしての植物、デジタル生態系の複雑な振る舞いをシミュレーションとして提示するそのイメージは、「人間が自然をどう見たいと願っているか」の深層を写し出す。

『Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地』
会期:開催中~12/7
会場:シャネル・ネクサス・ホール
nexus.ginza@chanel.com
開)11:00~18:30最終入場、11:00~22:00最終入場(11/6)、10:00~18:30最終入場(11/7~9)
無休
入場無料
https://nexushall.chanel.com/

*「フィガロジャポン」2025年12月号より抜粋

text: Chie Sumiyoshi

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