【フィガロジャポン35周年企画】 アズディン・アライア財団会長、カルラ・ソッツァーニが過去のモードにこだわる理由。
Culture 2026.01.01

アールドゥヴィーヴルへの招待 vol.8
2025年、創刊35周年を迎えたフィガロジャポン。モード、カルチャー、ライフスタイルを軸に、豊かに自由に人生を謳歌するパリジェンヌたちの知恵と工夫を伝え続けてきました。その結晶ともいえるフランスの美学を、さまざまな視点からお届けします。
時間の流れが加速するいま、現代社会を読み解く鍵として「過去」がこれまで以上に重要になっている。過去を振り返り、新たなクリエイションへと繋げるのはモードやアートはもちろん、ビューティやメディアも同様だ。フランスの優れた文化遺産を守る手段、アーカイブ(記録の保管)に携わる女性たちに話を聞いた。
Carla Sozzani/カルラ・ソッツァーニ
アズディン・アライア財団 会長

若いクリエイターたちに、学ぶ機会を与えられる。
デザイナーのアズディン・アライアは、1970年代から自作の服と小物を約22,000点収集して自らのアーカイブを構築した。これらを服飾史家でアズディン・アライア財団のディレクター、オリヴィエ・サイヤール率いるチームが細心の注意を払って管理している。アライアはさらに、バレンシアガ、ヴィオネ、グレ、ディオール、ポワレといった服飾史に残る服とデザイナーや彫刻家の作品を収集し、プライベートコレクションを管理する財団をパリのマレ地区に設立した。アライアが後世に伝えたかったものを生かすべく、オリヴィエ・サイヤールのチームが展覧会を企画し、最近ではティエリー・ミュグレーとの交友に焦点を当てた展覧会が開催された。2023-24年はガリエラ宮パリ市立モード美術館でアライアが収集したオートクチュールの衣装約100点の展覧会も行った。
「アライアはフランス国内のオークションにこまめに足を運んでいました。彼が亡くなって、オークション会社は取引量が半減したと嘆いたほどです」と旧友で同財団会長のカルラ・ソッツァーニは語る。
アーカイブの公開は若いクリエイターに学ぶ機会を与え、同時に「クチュールの裏に何が潜んでいるのか、人々に知ってもらえます。過去なくして未来は存在しません。若い世代は巨匠の秘密を知りたいと思っています。紙、布地、クロッキー(アライアが"デッサン"から服作りをすることはなかった)によって学ぶことができるのです」
デザイナーが亡くなって約8年、まだ道半ばだ。チームは現在も日々宝物を発見している。
18, rue de la Verrerie 75004 Paris
https://fondationazzedinealaia.org/
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*「フィガロジャポン」2026年1月号より抜粋
photography: David Coulon(Madame Figaro) text: Céline Cabourg(Madame Figaro)





