ドナルド・トランプの被害者による動画広告が話題に。

Celebrity 2024.10.21

ジャーナリストのナターシャ・ストイノフと年金暮らしのジェシカ・リーズが出演する動画広告が話題を呼んでいる。なにしろ、米大統領への返り咲きを狙って現在選挙運動真っ最中のドナルド・トランプから受けた性的暴行を告発する内容なのだ。

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バンクス・カウンティでのジョージア州共和党候補者集会に出席するドナルド・トランプ。(コマース、2022年3月26日)photography : TNS/ABACA

米大統領選の投票日が近づくにつれ、トランプ陣営とハリス陣営の対立は激しさを増している。9月25日、ドナルド・トランプを非難する2つの動画広告がインターネットに登場した。女性2人が、共和党大統領候補からかつて性的暴行を受けたと告発する内容だ。1本目の動画ではジャーナリストのナターシャ・ストイノフが、2005年の出来事を語っている。取材でドナルドとメラニア・トランプ夫妻のマー・ア・ラゴの自宅を訪れた際、億万長者は妻が着替えで席を外している際にジャーナリストに迫った。「すてきな絵」を見せるという口実で人目につかない部屋に連れ込まれると、「壁に押し付けられ、強引にキスをされました。押しのけようとしたのですが、執拗に迫ってきました。ショックで呼吸困難に陥った私の肩をつかんできたんです。なんとも気持ち悪く、ぞっとしました。そのとき執事が部屋に入ってきて難を逃れました」とナターシャ・ストイノフはカメラに向かってその時の様子を語った。そして他の性的暴行の被害者同様、罪悪感を感じたと付け加えた。「多くの女性同様、自分を責めました。トランプはメラニアが近づいてきているのに私に向かって、関係をもとうと誘いかけてきて、ぞっとしました」

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性加害者

ナターシャ・ストイノフはすでに2019年11月6日のワシントン・ポスト紙でこの話をしている。ではなぜ彼女は話を蒸し返したのだろうか。それは11月5日に行われる大統領選挙でドナルド・トランプが再選を狙っているからだ。「ドナルド・トランプは明らかな性加害者です。彼を大統領にすることは許されません」とナターシャはきっぱりと言った。

2本の動画広告は「サイコパスに対抗する政治活動団体」を自認する「Psycho PAC」がYoutubeで公開したものだ。2本目の動画には82歳のジェシカ・リーズが出演している。彼女は38歳だった1979年、飛行機のなかでドナルド・トランプに襲われたと語っている。印刷グループの営業責任者として働いていた時のことだった。「飛行機が離陸すると突然、ドナルド・トランプが体を触り始めました。キスを迫ってきたので、押しのけようとしましたが、押さえつけられてしまいました。スカートの中に手を入れてきたので私はハンドバッグを持って立ち上がり、元の席に戻りました」とジェシカ・リーズは当時の様子を語った。この出来事から2年後、彼女はあるチャリティ・ガラで彼と再会したそうだ。当時の妻イヴァナを伴っていたドナルド・トランプは握手をすると「君のことは覚えているよ、飛行機の女だろ」と言い放った。

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性的捕食者 

ジェシカ・リーズの話もすでに知られている。2023年、ニューヨークでの民事裁判で証言をしたからだ。この裁判でドナルド・トランプは、1990年代に作家のE・ジーン・キャロルを更衣室でレイプしたとして告発され、名誉毀損の訴えを起こされている。陪審員団はドナルド・トランプが性的虐待したことを認めた。裁判の結果に勇気づけられたジェシカ・リーズは、「性的捕食者」と彼女が呼ぶドナルド・トランプを再当選させないよう、呼びかける。「これまでも、これからも彼はやるでしょう」と彼女は断言した。

アメリカのメディアによると、この2つの動画広告はアメリカの複数のチャンネルでも流れる予定で、そのなかには全米規模の「フォックス・ニュース」、スポーツ専門チャンネルのESPN、CNNも含まれる。また、10月1日の副大統領討論会では、全国ケーブル放送TV局「ニュースネイション」でも放送されるはずだ。

ドナルド・トランプは現在までに、少なくとも26人の女性から程度の差こそあれ、なんらかの性的暴行で訴えられている。

text : Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr)

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