権力を持つ女性たちは、ずっとスキニーパンツを履いてきた。その穿着こなし方とは。
Celebrity 2025.02.25
タイトなスキニーパンツは、Z世代に揶揄され、ファッションショーからは姿を消しているものの、依然として強い女性たちのワードローブに欠かせないアイテムであり続けている。
ドナルド・トランプとともにホワイトハウスのサウスローンに登場した、白いスキニーパンツを履いたメラニア・トランプ。(ワシントン、2018年7月27日)photography: Bloomberg / Bloomberg via Getty Images
1970年代にはパンクファッションの象徴として登場し、2000年にはエディ・スリマンがディオール・オムで再登場させたこのスキニーパンツは、それ以来ファッションシーンから姿を消すことはなかった。その後、スキニーは白いTシャツやリーバイス501のように、まるで定番アイテムの一部となったかのように見えるが、実際はそうではない。毎年秋が始まり、春の暖かい日が訪れるまで、このアイテムがSNS上で最も注目を集める。理由はそのかなりタイトなシルエット、そしてライクラ素材のレギンスのように、ヒップ、太もも、脚、足首にぴったりフィットする点にある。そして、ファッションの専門家たちはシルエットを引き立てないという理由で毎シーズン、このアイテムが消えることを予想しているが、スキニーパンツは依然として多くの女性たちに誇らしげに着用され続けている。
ブリジット・マクロンのワードローブの主役、スキニーパンツ。photography: Castel Franck/ABACA
メラニア・トランプもその一例だ。彼女はシックで洗練されたスタイルで世界的に有名だ。夫の就任式では厳かなモノクロの帽子が話題を呼んだ。アメリカ合衆国の大統領夫人である彼女は、スキニーパンツを頻繁に着用している。フランスでは、ブリジット・マクロンがその例で、休暇中によくスキニーパンツを着ている姿が写真に収められている。また、ラシダ・ダティ仏文化大臣は政治の世界に足を踏み入れた頃から、スキニーパンツをエリゼ宮での会合後や公式の外出時にも着用している。
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「イメージ作りに欠かせない」
スキニーパンツ愛用者の中には、キャサリン皇太子妃も。エレガントで洗練されたスタイルで知られる皇太子妃は、時折、ぴったりしたスキニージーンズに足を通すのを楽しんでいる。ダイアナ妃もかつて着用しており、特に1997年1月5日のアンゴラ訪問時には、地雷除去活動の一環としてその姿が注目された。イメージコンサルタントのナタリー・トリン=クールは、スキニーパンツが女性たちの間で人気がある理由についてこう語っている。「第一に、彼女たちは皆、そのスタイルを着こなせる体型を持っています。スキニーパンツは、細身で足が細い女性が脚を見せたいときにぴったりのスタイルです」。
これらの女性にとってスキニーパンツは、いわばシグネチャーアイテム、あるいは欠かせないアイテムとも言えるのだろうか? よく考えてみると、長い間タイトなウエストラインの花柄ドレスを着ることが多いスペインのレティシア王妃も、時折このスキニーパンツのぴったりとしたシルエットを取り入れている。「彼女たちは常に人前に出ているので、イメージを保つ必要があります」と画像コンサルタントのナタリー・トリン=クールは続ける。「例えば、メラニア・トランプは驚くべきプロポーションを持ち、ブリジット・マクロンも非常にスリムです。彼女たちはよく顔を合わせるので、スキニーパンツを履く理由はそのためかもしれません。それが、どちらが最も健康的で、ダイナミックで、よく着こなしているかという競争を生んでいるのです......」。アメリカ合衆国のファーストレディとフランスのファーストレディのスタイルがよく比較されることを考えると、これは興味深い見解だ。
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「影響を与えるからこそ着る」
では、なぜこれほど自分のイメージを巧みに操る女性たちが、いまだに議論を呼ぶスキニーパンツを履くのだろうか? 特に、Z世代がTikTokでスキニーパンツの復活に恐怖を感じ、コロナ禍で柔らかな素材やゆったりとした服の快適さを再発見した今、その理由はどう説明できるのだろうか? イメージコンサルタントによれば、その理由はとてもシンプルだ。「彼女たちはトレンドを追っていませんし、追う必要もないのです。なぜなら、彼女たちはファッションを作り出す人たちだからです。キャサリン皇太子妃はイギリスで非常に多くの人に支持され、尊敬されています。だから、彼女がスキニーパンツを履けば、多くの人々はそれを受け入れ、彼女に続くことでしょう」。現在、スキニーパンツの支持が低く、主要ブランドのファッションショーではゆったりとしたデザインや実験的なデザインが注目されている中、このパンツは女性政治家にとってエンパワーメントの象徴となっている。
スキニーパンツとバブアーのジャケットを着たキャサリン皇太子妃。photography: Max Mumby/Indigo / Getty Images
スキニーパンツはうまく着こなすのがポイントであり、これらの女性たちはその点を完璧にコントロールしている。彼女たちはスキニーパンツに、きっちりした短めのジャケット、シャツ、そしてハイヒールを合わせて着こなす。ナタリーによると、このスタイルはすぐにより強い印象と堂々とした雰囲気を与えるという。「スキニーパンツとパンプスを組み合わせることで、際立った女性らしさが表現されます。肩のラインがシャープなジャケットも同様で、力強さと女性らしさの両方をプラスします」。あるいは、キャサリン皇太子妃のように、英国家の象徴的なアイテムであるバブアーと合わせて、スキニーパンツを自分らしく引き立てるスタイルを取り入れることもできる。それによって、スキニーパンツは(ほぼ)クールに見えるのだ。
From madameFIGARO.fr
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text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi