スペインのソフィア王女18歳、姉の「スペア」としての立場と独立への探求の間で揺れ動く心とは?

Celebrity 2025.05.12

madamefigaro.png

4月29日、スペインのソフィア王女が静かに18歳の誕生日を迎えた。姉レオノール王女の 「スペア」として育った王女の自分探しは始まったばかり。

250509-sofia-01.jpg
2025年4月29日に18歳の誕生日を迎えるソフィア王女。photography: Andrew Archie/ABACA

幼い頃はまるで双子のような姉妹だった。金髪のふたりは同じような服を着て、スペイン王室のなかで同じように暮らしていた。ただしふたりの歩む運命は異なっていた。長女のレオノール王女は幼い頃から父フェリペ6世の後継者として、いずれ女王となるべく育てられた。妹のソフィア王女は姉の陰でひっそりと育った。王室の儀礼を求められない代わりに目立ちすぎず、姉のスペアとして控えていなければならない。だが状況は変わりつつあるようだ。

4月29日に18歳の誕生日を迎えたソフィア王女は、姉とは仲良しのままだが、自分の道を歩み始めた。「彼女は自分の役割をよく理解している」と王宮関係者はメディア「ヴァニタティス」に語った。レオノール王女が1年半前に宮殿で盛大に成人式を祝ったのとは対照的に、ソフィア王女はひっそりと成人を迎えた。

---fadeinpager---

250509-sofia-02.jpg
サルスエラ宮殿でレオノール王女、ソフィア王女、フェリペ6世とレティシア王妃(当時はまだ皇太子と皇太子妃)。(マドリード、2007年5月4日)photography:  ABACA / ABACA

ジャーナリストのベレン・ドミンゲス・セブリアンがベルギーのメディア「セット・シュール・セット」に語ったところによれば、妹の成人式は「ずっと簡素で公式行事もない」ものだ。「パーティーも、家族での夕食会も、憲法への宣誓も一切の義務もない」。この日を記念して王宮がやったことは、王女の新しいポートレートをさりげなく公開したことだけだった。フェリペ6世とレティツィア王妃の2番目の娘はシンプルなブルーのシャツを着て髪をおろし、華やかというよりも、ある種のオーセンティックな雰囲気を漂わせている。スペイン王室ウォッチャーによれば「地に足が着き、穏やかで生来温かな」性格が現れているそうだ。

少女時代

スペインのソフィア王女は2007年4月29日にマドリードで生まれた。2007年7月15日にサルスエラ宮殿の庭園で洗礼を受け、祖母であるスペインのソフィ王妃にちなんでソフィアと名付けられた。スペイン国王フェリペ6世とレティシア王妃の次女であるソフィア王女は、王位継承順位第2位者として、常に姉とペアで育てられた。おそろいのドレスを着て姉の横で写真を撮られたのはわずか生後4ヶ月の時だ。初めて国民の前で歩いてみせたのは2009年の復活祭のミサの時で、この時も姉とおそろいの服だった。

250509-sofia-03.jpg
サンタ・マリア・デ・ロス・ロサレス校へ通学するソフィア王女とレオノール王女、つきそうスペイン国王フェリペ6世とレティシア王妃。(マドリード、2010年9月14日)photography: Almagro/ABACA

姉妹は通う学校も同じ。レオノール王女同様、ソフィア王女もスペインの私立校サンタ・マリア・デ・ロス・ロサレスで学んだ後、イギリスのウェールズ地方にある全寮制高校、アトランティック・カレッジに進学した。「ふたりはマドリードの同じ学校で初等中等教育を修め、中等教育最後の2 年間は2年違いでウェールズ地方に移りました」とジャーナリストのベレン・ドミンゲス・セブリアンはセット・シュール・セットに語った。「周囲によれば、ソフィア王女は学校生活を楽しんでいるようです。ここまで姉妹は同じように育ちましたが、今後は別々の道をゆくでしょう。とは言え、それは必ずしもふたりが別々に暮らすことを意味するわけではありません」。レオノール王女は軍事訓練を受けることを選んだが、妹はどうだろうか。

250509-sofia-04.jpg
スペインのレオノール王女とソフィア王女。エル・ブリ基金プログラムに参加する若者との集いにて。(ジローナ、2023年7月4日)photography: Andrews Archie/ABACA

スペアからの脱却

ソフィア王女は徐々に姉から離れたところで自分というものを持ち始めている。アトランティック・カレッジの卒業を控えた王女は、進路を決めなければならない。「オラ!」誌によれば、姉とは異なる道を志向しているようだ。姉のレオノール王女はスペイン王位継承者という立場から、軍事訓練を受ける道を選んだ。

王室からの公式発表はまだないものの、ソフィア王女はワシントン大学に出願したと言われている。スペインのメディアによると、彼女は「国際関係」や「STEM(科学、技術、工学、数学)」を専攻したいと考えているそうだ。

250509-sofia-05.jpg
初の単独公務として、ソフィア王女は「ソフィア王女2024写真コンテスト」でオブヘティボ・パトリモニオ賞を授与。(マドリード、2024年12月13日)photography : GTres/Abaca

成人となったソフィア王女は王室の一員として公務が今後増えるのかもしれない。初の単独公務は2024年12月、王女の名を冠した写真コンテストでの賞の授与だった。ソフィア王女の成人式を王室が公式行事で祝うことはなかったものの、王女は父フェリペ6世から、スペインに貢献した功労者に贈られるイサベル・ラ・カトリカ女王勲章大十字章を授与されるという栄誉に浴している。

今後ソフィア王女が活躍する場面が増えるのではないかとセット・シュール・セットは予想している。国王フェリペ6世が常々語っているように、「彼女は常にレオノール王女の傍らで特別な場所を占める」存在なのである。

From madameFIGARO.fr

text: Leonie Dutrievoz (madame.lefigaro.fr)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest
Business with Attitude
コスチュームジュエリー
35th特設サイト
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • CONTENT STUDIO
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CE MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CE Media House Inc., Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.