トランプ大統領の報道官のファッション、中国のSNSを激怒させた過去とは?
Celebrity 2025.11.25

米中の貿易戦争が激しさを増すなか、ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官が「中国製」のドレスを着ていたことで、中国のチャン・ジーシェン大使から皮肉交じりに批判を受けた過去を振り返ろう。
すべての発端は、中国の外交官チャン・ジーシェン大使が投稿したひとつのツイートだった。「中国を非難するのはビジネス。中国製のものを買うのは人生。」――この言葉は、ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官(27歳)が身につけていた、黒い縁取りの入ったぴったりとした赤いドレスに向けられたものだ。インドネシア・デンパサールの中国総領事を務めるチャン氏によれば、そのドレスは中国で作られたものだという。「ドレスの美しいレースを見て、中国企業の社員が『これはうちの製品だ』と認識した」と彼は語り、ドレスのスクリーンショットや中国版SNS「Weibo(ウェイボー)」に投稿されたコメントを公開した。そのなかには、そのドレスのレースが中国・マブの工場で実際に製造されたことを裏付ける声が並んでいた。
Accusing China is business.
-- Zhang Zhisheng 张志昇 (@salahzhang) April 14, 2025
Buying China is life.
The beautiful lace on the dress was recognized by an employee of a Chinese company as its product. pic.twitter.com/SfPyM4M02Z
「仕事では中国を非難。人生では中国製のものを買う。」中国企業の社員は、そのドレスに使われている美しいレースを「自社の製品だ」と認識した。
Self Portrait, brand registered in UK, created by a Malaysian Chinese designer, made in China. pic.twitter.com/t5L18KM3Rl
-- Zhang Zhisheng 张志昇 (@salahzhang) April 15, 2025
英国ブランド「Self Portrait(セルフポートレイト)」のもの。マレーシア系中国人のデザイナーが立ち上げ、中国で製造されている。
しかし、米中の貿易戦争の最中、このドレスはすぐに物議を醸し、X(旧Twitter)で激しい議論を巻き起こすことになった。一方では、こんな反応があった:「これは西洋諸国の偽善そのもの」「仕事と人生は別」といったツイートも見られた。「ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官が『中国製』を非難しながら、『中国製』の美しいレースのドレスを着ている」と皮肉を込めて書いた別のツイートもあった。このコメントは170万人以上に閲覧され、6万回以上"いいね"を集めている。
White House Press Secretary Karoline Leavitt blames Made in China while wearing a beautiful lace dress Made in China.
-- ShanghaiPanda (@thinking_panda) April 14, 2025
Blaming Made in China is her job, enjoying Made in China is her life. pic.twitter.com/804FQglSoO
「ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官が『中国製』を非難しながら、『中国製』の美しいレースのドレスを着ている。仕事では『中国製』を非難し、人生では『中国製』を楽しんでいる。」
While Karoline Leavitt was bashing China, she was wearing a dress made in China. Several of her current body parts were also imported pic.twitter.com/LTIGCxraVX
-- Paul Rudnick (@PaulRudnickNY) April 14, 2025
キャロライン・レヴィットは中国を批判している一方、中国製のドレスを着ていた。さらに、彼女が身につけているものの一部も輸入物だった。
The dress she is wearing is originally designed by a Chinese designer and made in China. Some people seem to have no understanding that associating China with cheap knock-offs says more about their own market than the Chinese themselves. This dress is originally Chinese.
-- SheSaidWhat (@orangehelicop) April 15, 2025
彼女が着ているドレスは、もともと中国のデザイナーによってデザインされ、中国で作られたもの。中国を安価な模造品と結びつけることは、実際には中国自体の問題ではなく、そのような商品を求める自分たちの市場の問題だということに気づいていない人が多いようだ。このドレスはもともと中国製である。
一方で、大多数のアメリカ人はキャロライン・レヴィットを擁護するために立ち上がった。「すべてが中国製」、「中国が生産するものはすべて他国から盗まれたもの。彼女のドレスはオリジナルだ」、そして、アメリカの保守派コンテンツクリエイターであるアンソニー・ブライアン・ローガンは「そのドレスは、おそらく彼女が着ているドレスのコピーだろう」と発言している。
緊迫した状況
この出来事は、世界の二大強国が関税問題で激しく対立している中で起こった。4月10日、ドナルド・トランプ大統領は中国製品に145%の関税を課した。翌日、中国側は125%の関税を課すことで反応した。これは、世界貿易機関(WTO)によれば、2025年までに世界の物品貿易が最大で1.5%縮小する可能性のある、エスカレートした関税合戦である。
緊迫した状況の中で、アメリカと中国の政治的指導者が着る衣服の出所に注目が集まっている。特に、キャロライン・レヴィット報道官には挽回のチャンスがあると指摘するのは、ファッション業界の権威的存在である『WWD』のローズマリー・フェイテルバーグ編集長だ。彼女は、レヴィット報道官が次回の記者会見で「服を裏返しに着て、タグを見せるべきだ」と提案している。それにより、彼女の服がアメリカ製であることを証明し、さらに、両国を分裂させる貿易戦争の中でも、アメリカ人が国内ブランドで衣服を揃えることができることを示す狙いだ。しかし、アメリカ製の衣服を見つけることはますます難しく、特に中国製が主流となる中、レヴィット報道官がそのような衣服を手に入れるのは容易ではない。
From madameFIGARO.fr
text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi





