エリザベス女王、テーブルに扮した人......ファッションウィーク史上、最も異彩を放ったゲストを振り返る。
Celebrity 2025.11.26

1943年の創設以来、ファッションウィークの最前列には、名だたるセレブから個性的なゲストまで多彩な顔ぶれが揃い、その歴史に色鮮やかな足跡を刻んできた。

2018年2月20日、エリザベス女王は在位65年にして初めてファッションウィークのショーに出席した。photography: Mok Yui/PA Wire/ABACA
ファッション業界関係者にとっての究極の栄誉であるファッションウィークの最前列は、限られた人数だけに開かれ、その選定は細心の注意を払って行われる。中には、ファッション界のミューズや一部のセレブリティのように常連で、年間少なくとも8回は自分の席が確保されている者もいる一方、たった一度の出席や意外な登場、あるいは印象的な存在感で歴史に名を刻んだ人物もいる。
2018年2月、エリザベス女王は、65年の在位中、ロンドン・ファッションウィークのショーにたった一度だけ足を運んだ。91歳だった女王は、アナ・ウィンターと英国ファッション協会の最高経営責任者キャロライン・ラッシュの間に座り、注目の若手イギリス人デザイナー、リチャード・クインのショーを観覧した。特別感を演出するため、女王の座席には他の席と見分けられるようブルーグリーンのクッションが置かれた。女王にとっては初めてのことだったが、英国王室の歴史の中では珍しいことではない。生前のダイアナ妃は、友人であるジャンニ・ヴェルサーチェを支援するなど、1990年代にロンドン・ファッションウィークのショーに何度も足を運んでいた。
奇抜な登場

最前列で注目を集めるトミー・キャッシュ、2023年6月のパリで行われたダブレットのショーに登場。photography: Pierre Suu / Getty Images
多くの人は最前列で最高の装いを披露する中、風変わりで人目を惹くスタイルで登場することがすっかりおなじみの人物もいる。例えば、エストニア出身のラッパー、トミー・キャッシュはその典型だ。2023年3月のパリ・ファッションウィーク秋冬コレクションでは、一度はテーブルに扮して登場し、また別の時には枕を背中にくくりつけたまま毛布にくるまれて現れた。
2011年9月のキャロリーナ ヘレラ春夏コレクションでは、アナ・ウィンターの控えめな装いと、ニッキー・ミナージュのブロンドのウィッグと蛍光色のドレスという派手な装いの対比も忘れられない。
家族で最前列

ベッカム一家はファッションウィークの最前列の常連で、こちらは2019年の様子。photography: WWD / Penske Media via Getty Images
ファッションウィークの最前列には、セレブ一家が座ることもある。たとえば、2016年のニューヨークでのカニエ・ウェストのショーにはカーダシアン・ジェンナー一家が出席した。また、ヴィクトリア・ベッカムのショーにはよくベッカム一家がそろって出席する。そして、幼い頃から最前列に座る子どももいる。ハーパー・セブンはわずか3歳にして、著名な父親の膝の上に座りながら、母のショーを鑑賞していた。
ファッションウィーク史上、異彩を放った最前列の顔ぶれ










From madameFIGARO.fr
text: Louise Ginies (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi






