カメルーン大統領の娘はなぜネットユーザーをこれほど苛立たせているのか?

Celebrity 2026.01.08

madamefigaro.png

28歳のブレンダ・ビヤは、SNSで挑発的な投稿を次々と繰り広げている。カミングアウトや派手な動画、さらには来たる10月の大統領選で父ポール・ビヤに投票しないよう呼びかける投稿まで、TikTokをまるで遊び場のように使いこなしている。

彼女の名前はブレンダ・ビヤ。ここ数日、SNSで再び大きな話題を呼んでいる。28歳のインフルエンサーはTikTokをまるで遊び場のように使い、挑発的な投稿を次々と繰り広げている。彼女の動画がこれほど衝撃を与える理由は、彼女がカメルーンの大統領ポール・ビヤの娘であり、父が40年以上にわたり政権を握っているからだ。2024年6月には、同性愛が刑事罰の対象となるカメルーンで、恋人女性とキスする写真を公開し、国民を驚かせた。その後も、ブランドバッグや華やかな社交イベント、プライベートジェットなど、贅沢なライフスタイルを次々と披露している。

そして、この挑発的な傾向は、 最近になってさらに強まったようだ。9月10日に公開された動画では、カメラに向かって札束を投げる姿を見せ、その後、9日後には一線を越える行動に出た。約48万2千人のフォロワーに向けて、10月24日に予定されている次期大統領選で父ポール・ビヤに投票しないようカメルーン国民に呼びかけたのだ。彼女は家族からの虐待を告発し、縁を切る意向を表明した。しかし、この発言を受けて大きな批判が巻き起こると、ブレンダ・ビヤは態度を撤回した。それでも、この一件はカメルーン大統領の家族内の亀裂を如実に示すものとなった。

@brendabiya

This MY sound now !

♬ Shake Ya Ass (feat. Pharrell Williams) - Mystikal

ビバリーヒルズで400ドル

1997年生まれのアナスタシー・ブレンダ・ビヤ・エイェンガは、大統領官邸であるユニティ宮殿で誕生した。幼少期から思春期にかけては、華やかな環境で育った。弟のポール・ジュニアと共に、大統領府職員の子ども向けに設立された「コクシネル小学校」に通い、その後はスイスの名門レマン校で学び、さらにロサンゼルスに移り、留学生活を送った。

 "プリンセス"である彼女はアメリカで華やかな社交生活を送った。情報サイト「カメルーン24」によれば、両親はビバリーヒルズに彼女の家を購入し、SNSで裕福な友人たちに囲まれ、学生パーティーやVIPエリアで過ごす姿を公開していた。そんな彼女が初めてネット上で大きな話題を呼んだのは2017年のことだ。その年、彼女はアメリカのタクシー運転手に対し、人種差別を理由に告発した。運転手はビバリーヒルズからカリフォルニア大学アーバイン校までの距離で400ドル(約5万9千円)を請求したが、通常は約150〜180ドル程度の料金で、2〜3倍にあたる金額だった。しかし「カメルーン24」によれば、この件は母国では同情を呼ぶことはなかった。むしろ彼女の贅沢なライフスタイルに対して、批判の声が殺到したのである。

バセドウ病

それから2年後の2019年、ブレンダ・ビヤはカメルーンに帰国した。ちょうどその数か月後に新型コロナウイルスのパンデミックが始まる直前のことだ。この頃、彼女はInstagramで、自身がバセドウ病を患っていることを明かした。バセドウ病は自己免疫性の甲状腺疾患で、気分や公の場での表情や振る舞いに影響を及ぼす病気である。しかし、彼女は控えめにするどころか、相変わらず自己プロデュースを続けている。派手なフィルター、目を引く衣装、カラフルなヘアスタイル、ピアス、そしてゴールドの歯のアクセントなどで存在感を示し続けている。

2020年、彼女はカメルーンの首都ヤウンデで自身のウィッグとヘアエクステのブランド 「Bree Culture Inc Shopping」を立ち上げ、同時にSoundCloudやYouTubeでラップ曲を数曲発表した。同年、パリで物議をかもしたとも伝えられている。カメルーンのニュースサイト「アクチュ・カメルーン」によれば、海外在住のカメルーン人の活動家たちが、彼女が滞在していた高級ホテルの前で抗議活動を行い、公共の資金を利用していると非難したという。圧力を受け、ホテルの運営側は彼女に退去を求めたとされる。

 

政権にとって好ましくない存在

こうした彼女の放蕩ぶりは、国民の大多数が貧困ライン以下で暮らす国とはかけ離れた、自由奔放な相続人というイメージを強めている。実際、ブレンダ・ビヤ本人も時にそれを楽しんでいるかのようで、派手な日常をInstagramやTikTokでますますポストしている。「何もしなくても腹が立つだろうし、絶頂にいても落ち込んでいても、あなたたちの憤りは私を苦しめる......私は息をする、それも腹が立つ、口を閉じる、それも腹が立つ。私は死ぬまであなたたちを苛立たせるつもり。だってそれが私の望みだから。次の章がどうなるか、あなたたちは想像もできないでしょ」と、彼女は9月16日にTikTokに投稿した動画で語っていた。あるネットユーザーは彼女の投稿に対し、「カメルーンは事実上ビヤ家に依存している」と書き込み、別のユーザーは「ブレンダ・ビヤ、君はカメルーンの若者たちにとってお手本であるべき」とコメントしている。

こうした批判に耳を貸さず、彼女はブラジル人モデルのレイヨンズ・ヴァレンサとの関係を公表し、同性愛を公に認めて人々を驚かせた。カメルーンでは同性愛が刑事罰の対象となる国である。複数のメディアによれば、ふたりはその後関係を解消したという。アフリカ系ニュースサイト「Afrique-sur7(アフリック・スール・セット)」によれば、わずか数か月後に終わった。それでも、多くの国民にとってその衝撃はすでに大きかった。当時、カメルーンのジャーナリストで作家のボリス・ベルトルトは憤りを示していた。Facebookの投稿で彼はこう書いている。「カメルーンでは20人以上が同性愛行為で投獄されている。ブレンダを自由にしておきながら、他人の子どもたちを拘束し続けるわけにはいかない。ブレンダを逮捕するか、全員を釈放するかだ。」

しかし、2025年9月に「父親に投票しないで」と呼びかけたのは、彼女の行動の中で最も予想外の出来事だった。大統領選は10月12日に予定されており、92歳のポール・ビヤは7選を目指している。ところが、その発言からわずか数時間後、ブレンダ・ビヤは言動を急に翻し、動揺を見せ、次のように語った。「みなさん、正直に言うと、私は政治のことは全くわかりません。本当にゼロです。自分を見つめ直す必要があります。誰を傷つけているのかも、気づいていませんでした。私はいつも父の知性を尊敬してきましたし、同時に母(シャンタル・ビヤ)のような心も持ちたかったのです。やがて国民は、彼らの大統領がどれほど素晴らしい人物か気づくでしょう。私は父を偉大な人であり、優れた候補者だと思っています」

From madameFIGARO.fr

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest
石井ゆかりの星占い年運2026
35th特設サイト
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • CONTENT STUDIO
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CE MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CE Media House Inc., Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.