いま世界が注目する若きフィギュア界の天才、イリア・マリニンとは?
Celebrity 2026.02.16

わずか21歳にして、アメリカ人フィギュアスケーターのイリア・マリニンは、日曜日に行われた2026冬季オリンピックでの演技でノバク・ジョコビッチをも驚かせ、金メダルを獲得した。

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで金メダルを獲得したイリア・マリニン。(ミラノ、2026年2月8日)photography: Qian Jun/MB Media / Getty Images
2月8日(日)、彼はミラノ・コルティナ冬季オリンピックのリンク上で圧巻のバックフリップを披露し、金メダルを獲得した。そのあまりに衝撃的な演技に、観客席にいたノバク・ジョコビッチも思わず席から立ち上がり、両手で頭を抱えるほど驚きを隠せなかった。この「バックフリップ」を決めたのは、21歳のアメリカ人フィギュアスケーター、イリア・マリニンだ。2026冬季オリンピックを代表するスターのひとりで、2022年にはすでにこの競技の歴史に名を刻んでいる。
2024年と2025年の世界選手権を連覇したイリア・マリニンは、2022年USインターナショナル・クラシックのフリープログラムで4回転アクセルを成功させた。空中で4回半回転するこのジャンプを成功させた史上初のスケーターとなった。このジャンプは、圧倒的な難易度を誇り、成功例も少ない非常に危険性の高い大技として知られている。
氷上と競技に捧げる人生
オリンピックにも出場経験のある元フィギュアスケート選手のタチアナ・マリニナとロマン・スコルニャコフを両親に持つ、「4回転の神」の異名で知られるイリア・マリニンは、2004年12月2日にバージニア州で生まれた。6歳でフィギュアスケートを始め、2019年に世界ジュニア選手権に出場してキャリアをスタートさせ、16位となった。両親の指導のもとで成長した彼は、17歳で世界選手権に出場して注目を集める。ショートプログラムで4位、総合9位に入り、その1か月後には世界ジュニア選手権で優勝を果たした。それ以前には国際大会のスケートアメリカで、4回転ルッツと4回転サルコウを成功させ、優勝を飾っている。
2022年、彼は有名な4回転アクセルで歴史に名を刻んだ。その後、グランプリファイナルで金メダルを獲得し、2023-2024シーズンの世界選手権ではフリープログラムで6本の4回転ジャンプを成功させ、初めて世界王者に輝いた。「氷上でこんな演技はこれまで見たことがない」と、この快挙の後、アメリカのフィギュアスケーターでオリンピアンのアダム・リッポンは語っている。
エネルギッシュで人を惹きつける演技
フランスの雑誌「Issues」から「フィギュアスケート界の次なる顔」と評されるイリア・マリニンは、とりわけ氷上で独自のスタイルを築き上げており、2022年以降、彼の登場は毎回大きな注目を集めるイベントとなっている。エネルギッシュで力強く、優雅さとスピードを兼ね備えながら、圧巻のジャンプや技を次々と驚くほどの正確さで決めていく。「イリアは、このスポーツで人間の体がどこまで可能なのかという私たちの認識を一変させた」と、「Issues」の取材に対し、元全米王者のフィギュアスケーター、ジョニー・ウィアーは語った。さらに「彼には内面からにじみ出る自信があり、人を惹きつける魅力がある。まるで誰にとってもクールな弟のような存在だ」と続けている。

イリア・マリニン選手が2026冬季オリンピックでバックフリップを披露。(ミラノ、2026年2月8日)photography: Tim Clayton / Getty Images
クールでどこか飄々としたキャラクターに、無造作に乱れたブロンドヘア、話題をさらうパフォーマンスに合わせて輝くスパンコールのジャンプスーツ。そのすべてが、彼をZ世代にとって象徴的な存在へと押し上げ、スター不在で時代遅れと見られがちだった冬の競技のフィギュアスケートを再びクールな存在へと変えた。一方、彼はZ世代の若者らしく、ゲームをしたり、眠ったり、愛猫ミスティとミウミウと過ごしたりと、ささやかな日常も大切にしている。そして視線の先にあるのは、ほぼ不可能ともいわれる大技、5回転アクセルだ。次なる挑戦に向け、歩みを止めることはない。
From madameFIGARO.fr
text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi






