韓国と日本の文化をCrossさせる韓国フェスティバル『KROSS vol.1-kpop masterz-』リポート!
Culture 2023.01.12
初めての開催となる『KROSS vol.1-kpop masterz-』はバンテリンドームナゴヤで行われた。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
日本と韓国そして世界中で活躍するアーティスト、俳優たちが一堂に集結したイベント『KROSS vol.1-kpop masterz-』が2023年1月2日バンテリンドームナゴヤで開催された。出演アーティスト、俳優たちの才能をクロス(Cross)させ、さらなる輝きを放つという意味が込められたこのイベントは、授賞式を除く国内最大級のKPOPフェスティバルとなった。
記念すべき第1回目を飾るゲストには、最近ドラマ『アイランド』が配信開始されたばかりのチャ・ウヌ、来日は約5年ぶりのパク・ソジュン、全国ツアー真っ最中のJ-JUN、KPOP第4世代を牽引するTOMORROW X TOGETHER、昨年韓国でデビューしたばかりのBLANK2Y、バンド編成とダンスのパフォーマンスの二刀流で音楽を表現する7ORDERらのスターが名古屋に集まり、観客を魅了した。
日本でも人気のあるJ-JUNは、歌手HYDEがプロデュースした『BREAKING DAWN』など全6曲を披露。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
1月27日に韓国でのカムバックを控えているTOMORROW × TOGETHER。ダンスナンバーのパフォーマンスは圧巻。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
韓国人、日本人、中国人メンバーで構成されたBLANK2Yは、初々しいトークとキレのあるダンスで会場を沸かせた。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-。
オープニングアクトを務めた7ORDER。バンドとダンスを融合したステージは彼らの存在感を十分に放っていた。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
約5年ぶりの来日。スターとして帰ってきたパク・ソジュン。
ファンからの声援に応えるパク・ソジュン。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
ドラマ『梨泰院クラス』のテーマソングと共にパク・ソジュンの名前が表示されると、会場は一気に黄色い声に包まれた。
「お久しぶりです。パク・ソジュンです」観客からの大きい歓声に驚きと緊張を感じながら登場する彼の姿は親しみやすい親戚のお兄さんのような印象。
「こんなに大きな会場に立つのは初めてでちょっと緊張しています。久しぶりの来日で、『梨泰院クラス』が日本でこんなにも人気があるとは知らなかったんですよ。正直この光景も信じられません」と優しい笑顔で話すパク・ソジュン。
『魔女の恋愛』や『金よ出てこいコンコン』などで老若男女からの人気を博すと『キム秘書はいったい、なぜ?』でスターに。日本でも空前のヒットとなった『梨泰院クラス』を通してその名は世界中に知れ渡った。彼が演じるイガグリ頭がトレードマークのパク・セロイは正義感のあるキャラクターで、女性のみならず男性の心までも掴んだ。
質問に対してひとつ一つ誠実に答えるパク・ソジュン。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
韓国好きにはなじみ深い古家亨さんを司会に、和やかに進むトークイベントでは、ファンからの質問も多数寄せられた。「肉より魚派ですね。前回来日した際は、毎日お寿司を食べていました」「水は常備して、健康には気をつけてます」「シンバ(パク・ソジュンの愛犬)は元気ですか?」というファンの質問に対して「シンバは週に3回、犬の幼稚園に通っていて、この前クリスマスパーティをしていました。友達もたくさんできて楽しんでいるようです」と話すその瞳は、我が子を優しく見守る父親のようだった。
イベントの最後に、トロッコでサインボールを投げながらドーム場内を一周。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
親近感のある口調と落ち着いた雰囲気、頼れる兄のような存在のパク・ソジュン。しかし、ドームに立った彼の姿はスターそのものだった。今年は4作品の公開を控えている。特に注目したいのが、映画『ザ・マーベルズ』。2018年に公開された『キャプテン・マーベル』の続編となり、パク・ソジュンが演じるキャラクターはまだ公に出ていないが、重要人物になるマーベル・ボーイもしくは新ハルクを演じるとの噂も。初のMCU参戦で注目の高まる本作は、7月の公開予定。
チャーミングでキュートな貴公子、チャ・ウヌ。
甘い声色で会場のファンを虜にさせる。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
イベントの最後に登場したのは、チャウヌ。彼が所属するASTRO(アストロ)のピンクのペンライトで会場が照らされる中、『1番好きな人にサヨナラを言おう』でスタート。
「2023年、年明けすぐの日本での公演だったので日本の歌で始めようと思ったのですが、さっきステージ裏で考えてみたら、新年には悲しい曲だったかもしれません」と少し笑みを含みながら話す彼のあたたかく優しい雰囲気に会場が包まれた。
2016年ボーイズグループASTROのメンバーとしてデビュー。歌手活動に加え、17年からは俳優としても活躍の幅を広げ、『私のIDはカンナム美人』や『新米史官ク・ヘリョン』、そして韓国のウェブトゥーン原作のドラマで世界的に大きな話題となった『女神降臨』などに出演。昨年11月には映画『デジベル』が韓国で公開、日本で初めて開催したソロファンミーティングでは、3万人以上の観客を動員したほどの人気ぶりで、会場の観客も多くの人が参加した様子だった。
ソロファンミーティングの経験もあってか、3万人のファンとの対話で会場に一体感を作り上げる。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
昨年12月末にファンタジーアクションドラマ『アイランド』がAmazonプライム・ビデオで配信をスタートしたばかり。
「みなさんの反応がとっても気になります。ドラマ面白かったですか?」という問いかけに対して、会場はわれんばかりの拍手。
「最年少の悪魔祓いという難しい役だったんですが、すごく興味深いキャラクターで楽しく演じることができました」
そして、ファンタジーロマンティックドラマ『ワンダフルライフ(邦題)』を現在撮影中だ。
「キスをすると犬に変わってしまう呪いをかけられた女性が主人公で、すごくおもしろい作品に仕上がっていると思います。早くみなさんに観てもらいたいですね」と話す。
ファンからの質問コーナーでは、昨年のファンミーティングのために少し覚えてきただろう日本語を一生懸命に話す彼の姿に、観客席からの感嘆のため息が聞こえてくる。
「リハーサルの時に感じたんですけど、本当にこの会場はとても大きいですよね。これからも頑張ってこのような大きなステージでまたファンのみなさんにお会いしたいと思います。来てくれますか〜?」と会場へ投げかけるコミュニケーションでファンとの距離を縮める。
「2階と3階のみなさんにも近くに行けるようなスペシャルパフォーマンスを用意しました」と日本語を交ええながら話すチャ・ウヌ。photography: KROSS vol.1-kpop masterz-
貴公子のようなルックスとキュートでチャーミングな性格、そして会話でのファンとの距離の縮め方など、会場に足を運んだ人がその魅力の虜になる。ドラマ「ワンダフルライフ(邦題)」など、2023年の活躍も楽しみだ。
1日で2公演、計6万5千人を動員した本イベントは、韓国ファンにとって新年早々大きなギフトとなっただろう。vol.2が控えている『KROSS』は俳優と歌手、そして韓国と日本を交差する活動として、今後の開催からも目が離せない。