カンヌで大絶賛、河瀬直美監督の最新作『光』。

Culture 2017.06.28

子どもの頃に触りたかった、"夕陽"を招き寄せる彷徨譚。
『光』

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映画の視覚障碍者向け音声ガイドの原稿制作にいそしむ新米の美佐子は、「〜の顔は希望にあふれていた」との一面的な誘導を「お仕着せがましい」と、弱視のカメラマン雅哉に突っぱねられる。視力を失いかけても自分の心臓に等しいカメラに執着する天才肌の雅哉を、永瀬正敏が命を削るように体現。世界を触知し感受する雅哉の能力と、微かな視界をも奪われる恐怖に美佐子は目を開かれ、それに拮抗し得る言葉を探して街や故郷の奈良の森をさまよう。万物に降る光が波動となって柔肌に触れてくる河瀨監督の力編。

『光』
監督・脚本/河瀨直美
2017年、日本・ フランス・ドイツ映画 102分
配給/キノフィルムズ
新宿バルト9ほか全国にて公開中
http://hikari-movie.com

*「フィガロジャポン」2017年7月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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