世界三大映画祭で評価されたフィリピンの鬼才の最新作。
Culture 2017.09.06
現在進行形の街の喧騒が放つ、孤立無援の人間の罪と威光。
『ローサは密告された』
かつかつの暮らしの足しに、ローサは雑貨店の奥でドラッグも商う。スラムの雑踏、その土砂降りの逮捕劇から、怒号飛び交う取調室へ。手錠を解いてもらうには、誰かを「売る」か金の工面か、「協力」が条件だ。早くも酒盛りを始める警察の根腐れぶりは笑えてくるほど。母の釈放のため家族総出で金策に繰り出す様子など、ただ1日の必死な行為に倫理を刻々問いかける、フィリピンの鬼才の緊張感みなぎる演出が息をつかせない。カンヌで主演女優賞に輝いたジャクリン・ホセのローサは内から母の威光すら放ち出す。
『ローサは密告された』
監督/ブリランテ・メンドーサ
2016年、フィリピン映画 110分
配給/ビターズ・エンド
シアター・イメージフォーラムほか全国にて公開中
www.bitters.co.jp/rosa
監督/ブリランテ・メンドーサ
2016年、フィリピン映画 110分
配給/ビターズ・エンド
シアター・イメージフォーラムほか全国にて公開中
www.bitters.co.jp/rosa
*「フィガロジャポン」2017年9月号より抜粋
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