ナタリーとリリー=ローズ、美しき姉妹が見せる虚と実。

現実と幻想の星々を仰ぎ、映画を企てる狂おしい夢の跡。
『プラネタリウム』

1930年代のパリ、交霊ショーの花形として人気を呼ぶバーロウ姉妹。映画製作会社の名門パテの社長がモデルらしいプロデューサーのコルべンはその異才に惚れ込み、姉妹をスカウトする。慕わしい霊魂の「顕現」をフィルムに生け捕ることに心を砕くコルべンの狂気めいた情熱には、映画の夢をめぐって特撮万能の時代を撃つ本源的な衝動が宿る。ナチズムの影とともに消滅するフランス映画界の戦前の華やぎを、ナタリー・ポートマンとリリー=ローズ・デップが虚と実、陽と陰の対照をなす姉妹役として遊泳する。

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＊「フィガロジャポン」2017年11月号より抜粋