「いま、パリはおもしろい!」エディターが注目する最旬アドレス8選。

Paris 2025.05.05

いまをときめくパリ在住クリエイターのお気に入りアドレスとは? アート&ファッションエディターのクリストファー・ニケに、おすすめの8店と注目ポイントを教えてもらいました。


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大きな窓から差し込む光が心地いい、クリスタセヤのショールームにて。

【案内人】
クリストファー・ニケ Christopher Niquet
アート&ファッションエディター
スタイリストとしてニューヨークを拠点に活動していたが、2022年にパリにて「スタディマガジン」を創刊。「ホリデイマガジン」のアート&ファッションエディター及びブランドコンサルタントも務める。@christopherniquet

「いま、パリはおもしろい!」。そう話すのは、新型コロナウイルスの蔓延を機にニューヨークから故郷フランスに戻ってきたクリストファー。「近年、外国人がどんどん移り住んできているパリ。フランス文化をよりモダンにアップデートさせるためには、外国文化の流入、再構築をすることが重要なんだと思います」。いわゆる"パリらしさ"というのは、メイドインフランスだけにかかわらず、さまざまな異文化があってこそ成り立っているのだろう。

ここでは、アート好きな彼の行きつけのギャラリーや、女性も楽しめるメンズブランドのショップを紹介。彼曰く、パリは「小さな村みたいに時の流れがゆったりとして、心地いい場所」。そんな雰囲気も感じながら街を巡ろう。

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Charvet
シャルべ[ オペラ ]
すべてが洗練された世界最古のシャツメーカー。

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石造りのパリらしいショーウィンドウ。

パリで育ったならば、シャルベを知らない人はいないはず。1838年から続く世界最古の老舗のシャツメーカーで、製品はもちろん、スタッフ、店内のカーペットにいたるまですべてが完璧です。これまで購入したアイテムも数多く、夏にはポロシャツ、スーツを着る時はネイビーやワインレッド、ブラウンのニットタイ、タキシードを着る時は蝶ネクタイ、と日々シャルべのアイテムをコーディネートに取り入れて楽しんでいます。ギフト探しにもぴったり。

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小さなポケットチーフからカシミアの裏地付きローブまで、あらゆる価格帯のものが揃う。

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半袖ポロシャツ285ユーロ、ソックス100ユーロ

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オーダーシャツのための生地がずらり。

Charvet
シャルべ〈1区|オペラ〉
28, place Vendôme 75001
01-42-60-30-70
ⓂOPÉRA
営)10:00~19:00
休)日
http://charvet.com/

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Cristaseya
クリスタセヤ[ グラン・ブルヴァール ]
タイムレスでモダンなブランドの世界観を丸ごと体感。

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フルコレクションが見られる。

イタリア人デザイナーで僕も仲良しのクリスティーナ・カジーニが手がける、クリスタセヤ。完全予約制のこちらは、ビルの1フロアにスタジオ、別のフロアにショールーム、さらに別のフロアに店舗とギャラリースペースがあり、見ごたえ満載。日本でも洋服の販売はあるけど、ここでブランドのビジョンや世界観を丸ごと感じてほしい! コーデュロイのパンツや、花瓶などいろいろ持っていますが、今年の夏はコットン素材のワイドパンツを購入しようと思っています。

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クリティーナとパートナーの写真家アンドレア・スポトルノがセレクトした陶器やオブジェも購入することができる。

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ショールーム責任者のヘルタとキャッチアップ。

Cristaseya
クリスタセヤ〈9区|グラン・ブルヴァール〉
7, rue Ambroise Thomas 75009
ⓂPOISSONNIÈRE
営)11:00~18:00
休)土、日
※アポイント制
https://cristaseya.co/

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Dover Street Parfums Market
ドーバー ストリート パルファン マーケット[ マレ ]
独自のセレクトと見せ方で、フレグランスとの新たな出合いを。

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ギャラリーのような店内空間。

香水に特化したドーバー ストリート マーケット。僕が愛用しているクラシックなコム デ ギャルソンの香水から新しいブランドのものまで、2週間ごとに新しい商品が入荷するから、常に発見があってワクワクするショップです。空間デザインも素晴らしく、センスのいいセレクションも言うことなし。地下にはメイクアップ用品もあります。僕が共同開発したレジーム・デ・フルールの香水も取り扱いがあるのでぜひチェックして。

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Chopova Lowena のお茶目なフレグランス 各100ml 各260ユーロ

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クリストファーとコラボしたレジーム・デ・フルール「Rock River Melody」75ml 275ユーロ

Dover Street Parfums Market
ドーバー ストリート パルファン マーケット〈3区|マレ〉
11 bis, rue Elzevir 75003
01-45-31-33-20
ⓂST PAUL、CHEMIN VERT
営)11:00~19:00(月~土)、12:00~18:00(日)
無休
https://www.doverstreetparfumsmarket.com/

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Édouard Montassut
エドゥワール・モンタシュ[ グラン・ブルヴァール ]
この街で、知られざるアーティストの逸材を発掘。

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若手アーティストの集いの場でもある。

数年前に、フン=ティエン・ファンの素晴らしい展示を見に行って以来、毎回展覧会に足を運んでいるお気に入りの場所。2019年にオープンした、パリでは数少ない新しいギャラリーのひとつで、ニューヨークやベルリン、ロンドンなどを拠点とする若手アーティストを中心に紹介しています。最近だと、Deshaun PriceやNora Kapferの展示がお気に入り。オーナーのエドゥワールはチャーミングな人で、会うと必ずアートの話で盛り上がります。

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クラシックでキュートな入口のドア。

Édouard Montassut
エドゥワール・モンタシュ〈9区|グラン・ブルヴァール〉
61, rue du Faubourg Poissonnière 75009
01-83-92-88-89
ⓂPOISSONNIÈRE
営)11:00~18:00
休)日、月、火
http://edouardmontassut.com/

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Beige Habilleur
ベージュ・アビユール[ サンジェルマン ]
新しさとクラシックが融合する、パリらしいセレクトショップ。

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整頓された美しい配置。

「レチケット・オム」のエディターで、友人でもあるバジル・カディリーが営むセレクトショップ。ジョンスメドレーのニットなど、日常使いに最適なアイテムから、リアのフリース、チロリアンジャケットのような珍しいアイテムまで、とにかくセレクションがおもしろい。コンテンポラリーでクラシックなフレンチスタイルが手に入ります。この冬僕は、ドレイクスのキャメルのニットを買いました。メンズがメインですが、性別関係なく楽しめるショップです。

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スタディマガジンもここで手に入る。

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バスケット型のブレディのバッグ290ユーロ

Beige Habilleur
ベージュ・アビユール〈6区|サンジェルマン〉
86, rue Bonaparte 75006
01-88-32-87-89
ⓂST SULPICE
営)11:00~19:30
休)日
https://www.beige-habilleur.com/

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Edward Green
エドワード・グリーン[ サンジェルマン ]
英国の名門ブランドで、毎日履ける一生ものの靴を。

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ウィメンズの展開もある。

1890年から続く、イギリス発のシューズメゾン。どの靴もシックで趣味がいい。ノースハンプトンの職人によって丁寧に作られていて、上質だけど派手さはない。でもそこがいい! ローファーやレースアップ、僕のお気に入りの"ゴールウェイ"と呼ばれるラバーソールのハイトップシューズまで、何足か持っていて、ほとんど毎日ここの靴を履いています。路面店はパリとロンドンの2店舗だけ。一生履けるエターナルな名品が欲しいならマストで行くべきです。

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2009年にオープンしたパリ店。

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レースアップシューズ1,420ユーロ

Edward Green
エドワード・グリーン〈6区|サンジェルマン〉
199 bis, boulevard Saint-Germain 75006
01-53-63-47-50
ⓂRUE DU BAC
営)10:30~19:00
休)日、月
https://www.edwardgreen.com/

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Galerie Chantal Crousel
ギャルリー・シャンタル・クルーゼル[ 北マレ ]
フランス国内外で名高い、現代アートの拠点。

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Oscar Tuazonの展示の様子。

パリの現代アートシーンの立役者でもあるシャンタル・クルーゼルが運営する、コンテンポラリーアートのギャラリー。1980年にポンピドゥ・センターの近くにオープンし、その後2005年に北マレに拠点を移しています。最近だと、昨年秋に開催されたスイス人アーティスト、トーマス・ヒルシュホルンの展覧会が心に残っています。先日、シャンタルと知り合う機会があり、アートを発信することへの情熱を強く感じ、より一層好きな場所になりました。

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『Égrégore』の展示の際、出入口にはHeji ShinのBIG COCKの写真が。

Galerie Chantal Crousel
ギャルリー・シャンタル・クルーゼル〈3区|北マレ〉
10, rue Charlot 75003
01-42-77-38-87
ⓂST SÉBASTIEN-FROISSART
営)10:00~18:00(火~金)、11:00~19:00(土)
休)日、月
https://www.crousel.com/

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La Nouvelle Chambre Claire
ラ・ヌーヴェル・シャンブル・クレール[ カルチエ・ラタン ]
著名&新進気鋭の写真家たちの本を探すならここ。

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ビジュアルブックの品揃えが豊富。

モード関係者たちが新しいアイデアを探しに訪れる書店。10代の頃、僕が育ったアパートの近く、サンシュルピス広場あたりにあった旧店舗によく通っていたんです。そこでパティ・スミスに遭遇したことはいまでも忘れられません。6年ほど前にカルチエ・ラタンに移転してからもよく訪れていて、ジェフ・ウォールやフィリップ=ロルカ・ディコルシア、ティナ・バーニー、ナン・ゴールディンなど数多くの著名な写真家たちの本を購入しています。

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左から、Maxime Richéの写真集『Paradise』49ユーロ、Jane Evelyn Atwoodの写真集『Horses』45ユーロ

La Nouvelle Chambre Claire
ラ・ヌーヴェル・シャンブル・クレール〈5区|カルチエ・ラタン〉
3, rue d'Arras 75005
01-42-01-37-36
ⓂCARDINAL LEMOINE、JUSSIEU
営)11:00~19:00
休)日、月
https://la-chambre-claire.fr/

Google Map
高中まさえ
パリに移住して25年。現在はスタイリスト、コーディネーターとして活躍。ヴィンテージ花器に目がなく、専用インスタグラムアカウントまで持つ。
@masaetakanakaparis @cabin.e.dream

*「フィガロジャポン」2025年5月号より抜粋

●1ユーロ=約162円(2025年5月現在)
●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。
●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅を示しています。
●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間やイベントの開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。

photography: Mari Shimmura coordination: Masaé Takanaka

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