接近!東京ミレニアルズ。

カワイイ旋風を巻き起こす、オンナバンドCHAI。

特集

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左から、ユナ、マナ、カナ、ユウキ

幸福感をくすぐる柔らかくはにかんだ笑顔。ピンクを基調にしたポップなルックス。”コンプレックスはアートなり”のコンセプトを掲げ、日本の音楽シーンを「カワイイ」で満たし大胆に邁進するオンナバンド、CHAI(チャイ)。

「かわいくない人なんていないんだよ」とリスナーを優しく包み込むメッセージを歌う彼女たちだが、そのサウンドはキャッチーでいてかなり骨太。はじめのイメージを裏切り、ライブパフォーマンスはアグレッシブで、観客を笑顔で絶叫させてしまう。そんな変幻自在の存在感を放つCHAIの正体が、すごく気になる!

光を当てるのは、誰もが持つかわいさ

マナ CHAIのいちばん最初の始まりは、学校の軽音楽部で私たちがユナと出会ったとき。ユナは最初からドラムのすべての音のバランスが良くてうまかったの。バンドするならもうユナしかいないってカナと話していて。
カナ 女性のドラマーってあまり音量を出せる人がいないけど、ユナは最初からガンガン出ていて、「バスがデカいな」って。あと、いい意味でクセがなくて何でも器用にできちゃうタイプで、曲の骨格として安定感があると思ったんだよね!

ユナ カナとマナの当時の印象は、こんな人知り合ったことない! という感じ。普通の感覚じゃない天才肌。いまもそうだけど、いろいろ飲み込んだ結果、アウトプットする曲が高校生の作るレベルじゃなかったの。メロディやコードが奇抜。マナとカナなら何でも作れるって思ってた!
カナ なんか、ありがとう(笑)。
マナ ユナも、東方神起のユチョンの大ファンで、昔ユチョンのために作った曲がめちゃくちゃ良くて。合唱曲みたいで、CHAIでもいつかちゃんと作ったら面白いね~。
ユウキ 私は岐阜出身で、3人と高校が違ったから途中から参加。マナと出会ってから誘われたんだ。当時楽器はやったことがなくて、CHAIではベースしか余ってなくて……。
マナ ユウキを誘った理由は、すごくかわいいし、いちばん話しやすいし、いろいろなジャンルの音楽を私に教えてくれたから。当時はそれまで聴いたことがなかったceroとかレキシとか、ね。
ユウキ 好きな音楽を初めていいって共感してくれたのがマナだったの。
マナ ユウキは、カナともユナとも絶対気が合うと思ってたんだよね。実際性格はユナと似てるよね。
ユウキ それから私がメンバーに入って、いざバンド名を決めたんだよね。
カナ CHAIの由来は、紅茶にジャムを入れて飲むロシアの飲み物、チャイ。私が大学でロシア文学を勉強している時に、先生に連れていってもらったロシア料理屋さんで見たチャイの飲み方がかわいいと思って。実際苦手な味だったんだけど(笑)。あと、略されたくないから短い名前にしたかった。

 

学生時代からの親友である彼女たちが持つ”カワイイ”という感覚の根っこを表すCHAIという名前。「苦手だけどかわいいじゃん」と言える美的感覚と自信は、どんな世代にだってまぶしい。その類い稀なるセンスと心の原動力は、どこまでも感覚が合うこの4人が一緒にいることで生まれたという。

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マナ 私たちは一般的にかわいくないし体形もそこそこだし、良いも悪いもないもんで。完璧じゃない人だからコンプレックスが歌えるし、完璧じゃないからできる音楽がある。人は絶対何かひとつかわいいものを持ってると思っていて、その部分を「NEOかわいい」と言って広めたいの。いまの一般的なかわいいって「肌が白い」「目が大きい」「身体が細い」という狭い中で言ってる気がして。ほんとはみんなかわいいんだよ! って。
ユウキ いろいろな種類のかわいいがあって良くて、考え方や振る舞いや話し方とか全部に対して、私たちはかわいいって言いたいんだよね。
マナ それと、もともとDEVO(*)みたいなシュールで面白くてロックンロールなバンドが好きで、これを女性でもできるっていうのを私たちで見せたかった。このふたつの思いを掛け合わせたの。
ユウキ ミュージシャンだから音楽をやりたいけど、アーティストでもありたいから聴かせるものも見せるものも、あらゆる手を尽くしたい。この4人は感覚が似とるもんで同じところを目指せる。
カナ まず、笑うポイント、泣くポイントが一緒。
ユウキ 音楽を聴いて感動して泣くところも一緒。マイケル・ジャクソンを聴いて泣く。
カナ 人に優しくしようねって考えるところも一緒。
ユウキ みんなネガティブ出身で、お互いを褒め合ってやっとポジティブになれてる。
マナ 誰も欠けられないし、メンバーチェンジなんて絶対できない。
ユナ すっごく仲良しだよね。
ユウキ あと、音楽の趣味が一緒というのが重要ね。音楽を聴いていて、「これダサいところが嫌だよね」と「これダサいからいいよね」という感覚が同じ。CHAIでやりたいこと、CHAIでやらなくていいことの取捨選択が自然にできてる。だから、アー写やCDジャケット、MVを作るときも力を合わせて面白いことにこだわれる。

 

*「人間退化論」をコンセプトに1970年代に登場したアメリカのニュー・ウェーブ・バンド。実験的な楽曲を手がけ、メンバー全員が同じつなぎを着てパフォーマンスするなど前衛的な活動をしていた。

>>音楽を”ショー”として見せる、エンターテインメントをやりたい。

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日本離れした”フェス映え”でみんなを巻き込む

一緒に住み寝食をともにし、常に感覚を共有する4人だから紡ぐことができる世界観は、徐々に力を増していく。結成して4年、昨年はアメリカの大規模フェスティバル「SXSW 2017」(サウス・バイ・サウスウエスト 2017)に出演を果たし、全米8都市ツアーを成功させた。大舞台で刺激を受けると同時に、ライブ、ひいては音楽に対する自分たちの気持ちをあらためて再確認した。

マナ 海外でのライブはやったことがなかったけど、アメリカは音楽が身近だって思った。会場の窓が開けっ放しだから、そこから漏れた音楽を聴いて人が入ってくる。街中でライブが行われていて、いいものに対しても悪いものに対しても反応が早い。
ユウキ ライブハウスもクラブも多くて敷居が低いもんね。そこが日本になくてすごくいいとも思うけど、売れるのも難しそう。
マナ いい音楽があふれすぎてるから、CHAIを聴きに来てくれた人ももう忘れてると思うんだ。だから、海外でも積極的にライブをやっていきたい。
ユウキ アメリカに行ってお客さんの反応を見て、やっぱりエンターテインメントをやりたいって改めて思った。私たちは音楽をショーとして見せたいって。
マナ ライブでの外タレ気分は間違ってなかったよね! 日本でのライブも毎回、今日は韓国人、今日はアメリカ人って言って、来日しているアーティストの気持ちでやる。初めて日本のステージに挑む感覚でいると強くなれるの。
カナ 日本人のままだと、なんかすみません、失礼しますと謙遜しちゃう。そういう気持ちだと自分に勝てなくて。
ユウキ エンターテインメントするには、ステージに立つ時に遠慮や謙遜は邪魔しちゃうからもっと堂々としていたい。アジア代表として来日して、「ハローエブリワン」って感じで舞台に上がってるの。
カナ ライブだと私を見てという感覚がいつもの100倍強い。「CHAIを見て!」という意識がすごく強くて、同時に誰にも負けないぞっていう無敵感も湧いてくる。

 

100倍強いアウトプットは歓声となり、また彼女たちの本領の呼び水となる。いまはそんな、戦いの場であり、活力をもらえる場であるライブに意識が向いているようだ。音源を聴いて純粋にカッコいいと思えるものを作ったという最新アルバムの『PINK』が好評を得ている時点で、CHAIは気付くともうそこにはいないのだ。その前方に進んでいる。

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マナ いまは音源として聴いてもいいし、ライブも想像できる曲を作りたい。今年はいろんなところにいっぱい出ていきたいから”フェス映え”を考えていて。
ユナ CHAIの中で流行ってる” フェス映え”!
マナ 日本人がやったことない音楽で、さらに女性がたぶんやってないだろうという曲を作りたくて。音で言えば、ザ・ゴー!チームやトップローダー、チャーチズ、ベックに近い気分かな。
カナ 最近はお客さんが歌ってくれるようになったのを見て、私たちの気持ちが届いてるのかなって思うんだ。
ユウキ CHAIのお客さんは女の子が多いんだけど、男の子も楽しんでついてきてくれていて、ずるいイケメンを歌った楽曲「ボーイズ・セコ・メン」も男の子が歌ってくれてるのがうれしい。
カナ だからこそ私たちはどんどん新しいことをやっていきたい。

 

人気者には変わることと、変わらないことが求められる。CHAIの軸は変化することなく、アウトプットを進化させる。その時の気分の音を取り入れ、独自のフィルターで出力する曲は、時代と自らのセンスを乗せて進化する。一方で、前に出すぎないように気を使っている歌詞。ただそれは、形のないかわいいを、形に見えない音楽で表すために、彼女たちにとって重要なこと。

ユウキ 私が歌詞をほとんど書くんだけど、CHAIの音楽の中では歌詞はあまり重要じゃないと思ってるの。”コンプレックスはアートなり”というコンセプトはあるけど、歌詞が主張しすぎると読み聞かせになるし、聴く人にとって説教くさくなるかもしれないから、大事にしすぎないことを大事だと思っていて。洋楽は言葉の意味がわからなくても、感動して涙が出るもんね。あくまでも音楽が良くないとダメだと思う。
カナ 私たちの曲は、マナがふふふんって英語で口ずさんだメロディから始まる。
マナ それにカナがコードとベースラインをつけて、ユナがリズムを作るの。アレンジはカナ、ユナがメイン。
ユウキ アレンジができてから、最後に私が歌詞をつける。言いすぎたくないから、あえて+αの”余り”の作業にしてるの。マナが作る洋楽に近い譜割(音符に対しての歌詞の付け方)で日本語をはめたいから、ちょっと難しいけど、日本語はあえて守っていきたいんだよね。

 

変幻自在の存在感は、人に優しく、音楽に対する真摯な姿勢から滲み出ていたものだった。常にパワフルな彼女たちの活動を支える最近のインプット方法を聞いてみると──。

マナ 音楽以外なら食べ物かな。何でも好き〜!
ユウキ 食べたい時に食べる、たとえ4食目でも。
ユナ 食べまくってる。
カナ それがパフォーマンスのパワーになってる。
ユウキ アスリートだと自分でも思ってるからね。
ユナ アスリートな外タレ、ゴテゴテしてるな~。

4人が集まって何げない会話をするだけでエネルギーがあふれる。それは自給自足で終わるものなんかじゃなくて、しっかり人を惹きつけて巻き込む正のエネルギー。そんな彼女たちが企てる面白い音楽であればいわずもがな。

楽曲「ほれちゃった」で歌にするほど大好きな餃子の話になると、こちらまでお腹が鳴ってしまうのだから不思議。天然か、それとも確信犯か……正体が掴めたと思うと、さらに違う表情が見てくる。だからいつまでも見ていたくなる。これが実に、彼女たちらしい!

>>CHAIに14問14答!

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CHAIのプライベートに迫る、14問14答!

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・オフの日の起床時間:

マナ「10時」、カナ「9時」、ユウキ「10時」、ユナ「9時」

・オフの1日の過ごし方:

マナ「スーパー銭湯や古着屋さんに行く」、ユナ「みんな古着、好きだよね。いいものを見つけたらテンション上がる!」

・毎日のルーティン:

マナ「筋トレ。朝起きた瞬間に、鏡に向かって自分を褒める。私、歌うまい! 売れる! って言って一日を始める」
カナ「私も筋トレ。あと、毎日鏡見て肌にありがとう、今日もよろしくって言う。そうすると肌がキレイになるって」
ユウキ「筋トレ。毎朝白湯を飲む。お化粧しながら私はかわいいって言うよ。あとしゃっくりはよく出るな~」
ユナ「寝る前にストレッチ。毎朝白湯飲む。やらないことでもいい? お菓子を控えてる!」

・必ずカバンに入っているもの:

マナ「みんなずっとポーチを持っていて、安心するからステージにも持っていくよ。中身は目薬、ワセリン、口紅。ポーチはピカチュウ」
カナ「ポーチはモネの睡蓮。中身は手鏡、リップバーム、口紅」
ユウキ「ポーチはクレヨンしんちゃん。中身はハンドクリーム、香水」
ユナ「ポーチはスヌーピー。中身は香水、ハンドクリーム、災難除けお守り、イヤホンとそのケース、鎮痛剤ローション。ドラムやった後に筋肉のアイシングにも。災難は積極的に避けていきたいよね」

・好きな言葉:

マナ「コンプレックス」、カナ「ユー・キャン・ドゥー・イット」、ユウキ「アイム・ノット・パーフェクト」、ユナ「スアレス選手! いつもライブが始まる前の掛け声にしていて、外タレパワーを注入する時に言ってる。野性的なリバプールの選手。マナとカナが好きなの」

・好きな本や漫画:

マナ、カナ「『i-D magazine』。海外版も日本版も好き」、ユウキ「私以外みんな本読めないの……。西加奈子さんの本はだいたい好き。あらすじ読んだり、ジャケ買いしたり」、ユナ「唯一読めたのは『ハリー・ポッター』シリーズ」、一同「それすごいよね!」

・親友の数:

マナ「メンバー含めて4人」、ユウキ「4人」、ユナ「4人」、カナ「5人。条件はメンバーと同じくらい気が許せて一緒に住めると思う人」

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・最近の趣味:

ユウキ「インスタで犬の動画のアカウントをフォローして見てる。あと、買い物と映画鑑賞」
マナ「それぞれがお気に入りの犬フォルダ持ってるの。映画は世界観に入り込める作品が好きで、ジブリや『アバター』や『ナイト ミュージアム』、それと『パワーパフガールズ』」
カナ「私も服が好きだから買い物」
ユナ「動画を見ることと銭湯に行くこと、それとクックパッドを見るのが好きで、メニューを考えているとワクワクする」

・小さい頃の夢:

マナ、カナ「歌手!」
ユナ「アナウンサー。テレビを見ながら練習してた。ごはん食べる時に勝手に食レポしてる」
ユウキ「一個もなかった。だから、将来の夢を書く作文にはニセモノの夢を書いてたの。その都度、広告代理店とか、ひとつの職業をめっちゃ調べてたね。CHAIで初めて夢を持てた!」

・高校の頃ハマっていたこと:

マナ、カナ「古着、バンド」、ユナ「バンド」、ユウキ「何もなかった」

・いま気になっていること、人:

マナ「ピカチュウと毛」
カナ「松屋のピビン丼がどうしたら復活するか……署名活動しようかな? 王将以上に餃子のおいしいところはどこか」
ユナ「坂口健太郎、ドラマーの玉田豊夢さんと河村”カースケ”智康さん、そして、新潟の万代バスセンターで出しているおいしいカレーのレシピ」
ユウキ「服が好きで韓国のブランド、アーダーエラーが気になってる」

・いま悩んでいること:

マナ「海外に行く時に持っていく食材を何にするか」、カナ「肩こり」、ユナ「くせ毛。勝手に流れちゃうんだ」、ユウキ「脱毛したくて調べまくって知識だけが増えて逆に選べなくなったこと」

・ストレス解消法:

マナ「食べる」、カナ「食べる」、ユナ「食べる」、ユウキ「寝る」

・尊敬する人:

マナ「ラヴフォックス(CSSのリード・シンガー)」、カナ「日本人ならゴダイゴ、外国人ならディーヴォ」、ユウキ「渡辺直美さん。本当に好き〜」、ユナ「日本人ならドラマーの玉田豊夢さんと河村”カースケ”智康さん、外国人ならスティーヴ・ジョーダン」

ちゃい●双子のマナ(Vo.&Key)とカナ(Vo.&Gt.)、ユウキ(Ba.&Cho.)、ユナ(Dr.&Cho)による4人編成の「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」。2015年に本格始動し、16年にはノンプロモーションで当時の代表曲「ぎゃらんぶー」がSpotify UKのTOP50(最高位36位)にランクイン、そして翌年のフジロックフェスティバルでは深夜のルーキーアゴーゴーを超満員にするなど、国内外で大きな注目を集める。同年10月にファーストアルバム『PINK』は業界関係者のみならず耳の早いリスナーを媒介にして、いまもなお大きな反響を得ている。

photos : OSAMU YOKONAMI, texte : HISAMOTO CHIKARAISHI

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