尊敬される上司になるための4つのポイント。

Culture 2018.05.04

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部下に支持されるマネージャーになるための4つのポイント。Photo:iStock

部下から好かれるマネージャーになるより、尊敬されるマネージャーになろう。
マネージャーとしての威厳を保ち、同時にチームのやる気を高めるには、間違いなくそれがベストの方法だ。とはいえ、尊敬を得るためには、部下を尊重することも必要。でもどうすれば? というあなたの疑問に答えよう。

自分の部下から愛されたいと思っている? 

そんなことを期待してはだめ! それより尊敬されるほうがいい……。と一口に言っても、なかなか簡単ではない。Passage & Co のディレクターでありエグゼクティブ・コーチのヴァレリー・パスカルは、業界を問わず、部下に好かれようとするマネージャーは少なくないという。
 彼女の見解では、“好かれる”ことはエゴを満足させるけれど、一種のご機嫌取りにもなりかねないという。「チーム全員に好かれたいと考えがちですが、それはマネージャーの役目ではありません」と彼女はきっぱり。
「マネージャーの任務は、チームを共に働かせること。そして、成果を上げつつ部下を成長させることです。この目的を達成するために、マネージャーは信頼感を育て、部下一人一人に気を配り、それぞれの役割をきちんと把握しておく必要があります。集団の価値観を尊重しなければ、個人を尊重することはできません。」

ヴァレリー・パスカルが説明する、長く一緒に働きたいと思われる、尊敬されるマネージャーになるための4つのポイントは以下の通り。もちろん、理想を目指すことは大事だが、人間的な部分、つまり不完全さを認めることも大切だ。
以下があなたの参考になれば幸いだ。

ポイント1 “冒険”:目標を明確にする
 

「私たちが一緒に何をしているのか、きちんと説明しているか?」


基本方針の中でも最優先すべきポイントはこれ。
マネージャーは、チームでともに行うプロジェクトが順調に展開するよう、あらゆる施策を講じなくてはいけない。
少なくとも年単位のスパンで針路を設定すること。
ここで問題になるのは、仕事に意義を与え、グループ全体を同じ方向に向かって機能させることだ。「私の言っていることは明快?」「アドバイスは十分にしている?」「私たちが一緒に何をしているのか、きちんと説明した?」「変更点について、その都度状況を説明し、変更内容について詳しく伝える時間を取っている?」

まずは自問してみよう。全員が同じ目標に向かって前進するには、ものごとを明確にすることが大切。それと同時に励ましも必要だ。チームのメンバーを力づけるかわりに非難してばかりいるマネージャーでは、部下のやる気は引き出せない。そして、こうした冒険を遂行するにあたって、マネージャーは、仕事に最適な環境を作らねばならない。

メンバーが仕事を進める上で支障になる問題にはただちに対処する。背景が複雑な問題もあれば、メールボックスの不具合のような日々の些細なトラブルまで、問題はさまざまだ。それらすべてを整理し、チームのメンバーひとりひとりが各自の仕事に集中し、力を十分に発揮できるようにするのがマネージャーの役目。その役目を果たすことが、 チームのために全力を尽くし、部下を尊重していることの証しになる。

ポイント2 “体制”:それぞれの役割を尊重する

これは組織に関わる問題だ。
マネージャーは、部下ひとりひとりの役割と仕事の範囲に注意を払わなければならない。また、上下関係を重んじることも大切。途中から蚊帳の外におかれることほど屈辱的なことはない……。それが恨みを生むこともある。「何について、誰と話すべきか?」このことを絶えず自らに問いかけることだ。

またマネージャーはチームの代わりになるべきではない。

部下を椅子から追い立て、代わりにマウスを握ってエクセルを操作するような上司が実際にいるのだ! 
これではチームの雰囲気は混沌とするばかり。そのうち何が自分の役割なのか誰にもわからなくなって、誰もが自分にも組織にも信頼を持てなくなってしまう。だからこそ、リーダーとしての立場だけでなく、メンバーひとりひとりの立場についても考えることが大事。もし体制に不備があれば変えてもいい。しかしどんな体制にせよ、目の前にある体制は尊重すること。そうすることで組織内の混乱やいざこざが避けられ、自分が部下それぞれの役割をしっかり把握していることの証明になる。

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ポイント3 “姿勢”:自分の価値観を行動で示す
 

「“言行一致”を実践しよう」


尊敬されるマネージャーになりたければ、もちろん、部下の模範であることが大事。

自分は遅刻したり、書類を読み返すのを忘れたり、ちょっとしたことで苛立つのに、人に時間厳守や正確さ、冷静さを要求をするなんて、とんでもない話だ。
だから、普段から自分の価値観を行動で示し、自らそれを体現するようにしよう。信頼できるマネージャーになるには欠かせない点だ。この信憑性は、いろいろな場面で重要だ。昇給を口にしたら、ベースアップの交渉に応じるべき。求人広告を出すと言ったのなら、実行に移すこと。
マネージャーたるもの、(可能な限り)つねに透明性を重んじ、“言行一致”を実践しなければならない。
それから、こうした一貫性と同時に、辛抱強さも大切だ。焦っても結果が出るわけではない。落ち着いて着実に仕事を進めることが、部下の意見に耳を傾け、信頼しながら、マネージャーとしての職務を果たしている証拠になる。

ポイント4 “教養”:他者を尊重する

チーム内に、和やかで建設的な人間関係をもたらすのもマネージャーの役割だ。

部下を評価するのに“相手の顔色を伺う”べきではないし、特定の部下と親しくして、他の部下をないがしろにすることもあってはならない。チームの中に不信感が生まれないよう気を配り、職場が無駄なパワーゲームの場にならないようにする……。

つねに公正であるよう心がけ、公平な立場を貫くことだ。チームメンバー全員を共通の尺度で評価すること。そうして、部下を褒める時は、達成できた点を強調しつつも、 部下自身が自分の能力をさらに伸ばそうという気持ちになるように、次なる発展に必要な点を指摘しておくことが大切だ。

もちろん、このフィードバックは一方通行ではない。

最後までこの記事を読んでくれたあなたが、これまで以上に自分のマネージャーとしての資質に自信を持ったとしたら……
相手がフィードバックを返してくれるに違いない。

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texte: Vanessa Zocchetti (madame.lefigaro.fr)

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